著者
柴崎 隆一 家田 仁
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.381-391, 2000-09-30 (Released:2010-06-04)
参考文献数
17
被引用文献数
1

本研究は, 生起確率や被害額といった各種の事故・災害リスク固有の値と, 実際に行われる防災投資の意志決定において用いられていると考えられる, 人間の認知プロセスを介した主観的な評価値との差異を, 認知バイアスとよび, 死亡リスクや地震被災リスクといった個人的なリスクを対象として, リスク固有の値と, リスクの主観的な評価に基づく意志決定の結果と考えられる行動データとから, 認知バイアスの計測を行った. その結果, 人々は実際の被害額を約2-3倍大きく評価する傾向があることや, 確率についての認知バイアスは, リスクの種類によって異なり, 死亡リスクはほぼ原確率に等しく認知するが, 地震被災リスクは原確率よりも過小評価される可能性があることなどがわかった.
著者
山鹿 知樹 柴崎 隆ー 角野 隆 渡部 富博
出版者
日本沿岸域学会
雑誌
沿岸域学会誌 (ISSN:13496123)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.39-50, 2004-06-30 (Released:2023-04-17)
参考文献数
15

要旨:我が国産業の競争力強化のため,物流コストの更なる低減が求められており,地球環境問題への対応と相まって,道路・鉄道・海運などの複数の輸送機関の連携を図るマルチモーダル輸送への取り組みが必要となっている。このマルチモーダル輸送を推進していくためには,従来以上に詳細な国際コンテナ貨物の港湾背後圏の分析が必要となっている。本研究では,鉄道および船舶貨物輸送実績に関する各資料を用いて,地域別コンテナ取扱量の比較を行い各資料の特性について考察した。また,全国輸出入コンテナ貨物流勘調査を用いて,輸送品目・相手国・輸送ロット・貨物の価格・生産消費地分布/OD貨物蘊・輸送距離帯等の親点から,鉄道および船舶輸送貨物の特性を分析した。これらの結果を踏まえ,マルチモーダル輸送の今後の展望に関して考察を行った。
著者
和田 祐次郎 柴崎 隆一 小坂 浩之 渡部 大輔 伊東 弘人 坪田 建明 荒谷 太郎 泉山 卓 岩佐 竜至
出版者
公益社団法人 日本船舶海洋工学会
雑誌
日本船舶海洋工学会論文集 (ISSN:18803717)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.123-138, 2021 (Released:2022-02-28)
参考文献数
154
被引用文献数
1

By developing Automatic Identification System (AIS), vessel positioning and detailed movement can be understood in real time. Although vessel movement data including AIS have been conventionally utilized in suspicious vessel detection, collision avoidance, and vessel trajectory analysis, etc., this study focuses on the new application fields of vessel movement data including logistics, shipping, shipbuilding, environment, and cruise industry. In this paper, description of AIS data and literature review of each field are first summarized, then the results of the questionnaire survey to the industry and application service of AIS data are analyzed. Finally, the future prospects of research and application to the industry in the fields that the authors focus are summarized.
著者
柴崎 隆一 青山 和浩 加藤 浩徳 村上 進亮 川崎 智也 新井 洋史 鳥海 重喜 渡部 大輔 和田 祐次郎 坪田 建明 古市 正彦 松田 琢磨 杉村 佳寿
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2020-04-01

本課題は,研究代表者らがこれまでに蓄積したモデル構築やデータ分析に関する知見を活用し,全世界のすべての輸送モードを包含する統合的な国際物流シミュレーションモデルを構築して,世界各地の物流インフラ投資や越境抵抗削減などの実際の諸施策や,船舶大型化や新航路開拓(パナマ運河,北極海航路など)などの技術進歩が,輸送パターンにもたらすインパクトを定量的に予測するものである.
著者
柴崎 隆一 一井 康二 家田 仁 渡部 富博 家田 仁 渡部 富博
出版者
国土技術政策総合研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

港湾を中心とした社会基盤施設のもつネットワーク性に着目し,海上物流に関する地震被害の経済評価手法を開発するため,これまであまり考慮されることのなかった, (1)重力式岸壁以外の港湾施設における地震被災確率, (2)連続または近接する港湾施設の被災の相関, (3)国際海上コンテナ貨物以外の形態の貨物の経済被害, (4)国際輸送市場における均衡状態の変化が社会経済に与える長期的な影響の評価,について検討を行った.