著者
森田 健一
出版者
日本味と匂学会
雑誌
日本味と匂学会誌 (ISSN:13404806)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.53-59, 2008
参考文献数
24

It is called "Proustian phenomenon" to recall our memory triggered by odor. The aim of this research is to clear the situation when Proustian phenomenon is occurred, and how we experience during the Proustian phenomenon. One hundred and eleven students participated individually. They were asked to fill in a questionnaire and post it in a box. As results, major four situations when Proustian phenomenon occurred were founded; they were triggered by nature odor, odor of one's family or house, odor of one's special person, and one's impressive odor. For the experience, we can see Proustian phenomenon from five perspectives; the affection, the psychic distance between now and then, the feeling of connection between the odor and the memory, unexpected feeling, and the feeling of wonder and impression. Moreover, the relation between Proustian phenomenon and flash back experience and Proustian phenomenon and Deja Vu experience were indicated.
著者
宮腰 淑子 五十嵐 修一 永尾 侑平 井上 重宏 佐藤 朋江 関谷 可奈子 新保 淳輔 佐治 越爾 森田 健一 佐々木 修 岡本 浩一郎 佐藤 晶 山崎 元義
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.8-15, 2012-01-25 (Released:2012-01-27)
参考文献数
19
被引用文献数
1

【背景および目的】可逆性脳血管攣縮症候群(reversible cerebral vasoconstriction syndrome; RCVS)は,雷鳴頭痛を主徴とし,脳血管に可逆性の分節状攣縮を認める疾患である.本疾患の臨床経過と画像所見の経過の検討を目的とした.【方法】2004年6月から2010年12月までに当科にRCVSの診断で加療を行った6例について検討した.【結果】発症年齢は39-53歳(平均44歳)で,女性が4例,男性が2例であった.全例に雷鳴様頭痛を認めた.3例が脳卒中を発症し,全例が女性であった.脳出血が1例,くも膜下出血と脳出血との合併例が2例であった.ベラパミルが5例に投与され,症状改善がみられたが,1例に片麻痺の後遺症を残した.【結論】突然の激しい頭痛を訴える患者を診察する際には,RCVSを鑑別に含める必要がある.
著者
中野 茂樹 桑田 雅彦 長谷川 浩之 入村 兼司 丸伝 章 森田 健一
出版者
日本毒性学会
雑誌
The Journal of Toxicological Sciences (ISSN:03881350)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.13-59, 1989-10-31
被引用文献数
3 5

ラットにP-4を2, 10, 50および150mg/kg/dayの投与量で13週間経口投与し, その亜急性毒性ならびに回復性を検討し, 以下の知見を得た. 1. 一般状態の観察では, 50mg/kg/day以上の雌雄各群で投薬後一過性の流涎と主に雌で尿による下腹部の汚染が観察された. その他に重篤な中毒症状はみられず, P-4投与によると思われる死亡例もなかった. 2. 体重は, 雄の50mg/kg/day以上, 雌の150mg/kg/dayの群で増加抑制がみられたが, 摂餌量に著しい変動はなかった. 摂水量は雌雄とも50mg/kg/day以上群で, 投薬初期より明らかな増加を示した. 3. 尿検査では, 50mg/kg/day以上の雌雄各群で尿量の増加, 浸透圧の低下, 蛋白およびウロビリノーゲンの陰性化, さらに電解質排泄量の軽度増加がみられた. 4. 血液学的検査では,150mg/kg/day群の雌雄に赤血球数の増加およびAPTTの短縮, さらに雄ではヘモグロビン量およびヘマトクリット値の増加, 白血球数の減少と雌ではフィブリノーゲン量の増加がいずれも軽度にみられた. 5. 血液生化学的検査では, 雄の50mg/kg/day以上および雌の150mg/kg/dayの群に中性脂肪の減少とγ-GTPおよびAlP活性, および尿素窒素の増加がみられた. さらに雄では総および遊離コレステロール, およびリン脂質が減少し, 雌では総コレステロールの増加およびコリンエステラーゼ活性の減少がみられた. 6. 病理学的検査では, 50mg/kg/day以上の雌雄各群に胸腺および脾臓の肉眼的萎縮がみられたが, 病理組織学的異常は認められなかった. 雄の50mg/kg/day以上および雌の150mg/kg/day群では肝臓重量または重量比が増加し, 病理組織学的検査で肝細胞の肥大および脂肪変性が観察された. 電子顕微鏡検査では, 同群でさらに肝細胞に著明な滑面小胞体の増殖を認めた. 腎臓では, 雄の10mg/kg/day以上, 雌の50mg/kg/day以上の群の近位尿細管上皮細胞内に好酸性の核内封入物を認めたが, その細胞質に腎障害像は全くみられなかった. 7. 回復試験では, P-4投与によるいずれの変化も回復ないし回復傾向を示し, 可逆性の変化であることが示唆された. 8. 無影響量は雄で2mg/kg/day, 雌で10mg/kg/day, 確実中毒量は雄で50mg/kg/day, 雌で150mg/kg/dayと推察された.
著者
藤井 節郎 中村 芳正 武田 節夫 森田 健一 佐藤 俊幸 丸中 照義 川口 安郎 采見 憲男
出版者
The Japanese Cancer Association
雑誌
GANN Japanese Journal of Cancer Research (ISSN:0016450X)
巻号頁・発行日
vol.71, no.1, pp.30-44, 1980-02-29 (Released:2008-10-23)
参考文献数
14

The metabolism, antitumor activity, and acute toxicity of 5-fluoro-1, 3-bis-(tetrahydro-2-furanyl)-2, 4-pyrimidinedione (FD-1) were investigated in animals, compared with 5-fluoro-1-(tetrahydro-2-furanyl)-2, 4-pyrimidinedione (FT). It was found that after oral administration of FD-1, the level of 5-fluorouracil (5-FU) was maintained higher and longer than after administration of FT, and that a large amount of 5-FU was released from FD-1 by liver microsomal drugmetabolizing enzymes or spontaneous hydrolysis via 5-fluoro-3-(tetrahydro-2-furanyl)-2, 4-pyrimidinedione (3-FT) and FT. FD-1 had a significant activity against the solid form of Ehrlich carcinoma, sarcoma-180, hepatoma AH130, Yoshida sarcoma, Walker carcinosarcoma-256, and leukemia L1210 and P388, but not the ascitic forms, and it produced greater inhibition of tumor growth than FT. The acute toxicity of FD-1 was less than that of FT.
著者
加藤 依子 伊藤 靖 北澤 圭子 森田 健一 反町 隆俊 藤井 幸彦 川原 信隆
出版者
特定非営利活動法人 日本脳神経血管内治療学会
雑誌
Journal of Neuroendovascular Therapy (ISSN:18824072)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.46-50, 2013
被引用文献数
4

【目的】今回我々が新たに開発した6FrセルリアンカテーテルDD6の有用性について報告する.【方法】未破裂前交通動脈瘤に対するコイル塞栓術,および破裂左中大脳動脈瘤のコイル塞栓術において,8Frガイディングカテーテルのintermediate catheterとして6FrセルリアンカテーテルDD6を使用した.【結果】親血管のアクセス困難を解決し,ガイディングカテーテルのサポートを向上させると同時に,balloonあるいはstent assist techniqueを併用したコイル塞栓術が可能であった.【結論】4Frセルリアンカテーテルを用いたtriple coaxial systemではsimple techniqueによる塞栓術のみが可能であるが,新たに開発した6FrセルリアンカテーテルDD6を用いたtriple coaxial systemであればバルーン併用あるいはEnterprise VRD併用によるコイル塞栓術が可能である.