著者
武田 文男 竹内 潔 水山 高久 池谷 浩
出版者
GRIPS Policy Research Center
雑誌
GRIPS Discussion Papers
巻号頁・発行日
vol.16-05, 2016-06

平成24・25年の災害対策基本法改正は,制定以来の大改正であり,改正法等の適切な運用を図るため自治体に求められる実務的課題は多いのではないかと考えている。災害対策基本法等の主たる運用を担う自治体における実務的課題等について,関係自治体の現状や取組み,認識等の実態を明らかにし,今後のあるべき対応を提言するものである。
著者
武田 文和(講演)
出版者
埼玉医科大学
雑誌
埼玉医科大学雑誌 (ISSN:03855074)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.189-190, 1999-04
著者
千綿 かおる 武田 文
出版者
一般社団法人 口腔衛生学会
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.60, no.3, pp.206-213, 2010
参考文献数
17

本研究は,知的障害者施設入所者への職員の歯磨き介助に対する負担感(以下,歯磨き介助負担感)が職員個人に関する要因や歯磨き介助の要因とどのように関連しているかを明らかにすることを目的とした.東海地区の一県内に所在する知的障害者入所施設43施設のうち協力の得られた27施設職員527名に無記名自記式質問紙調査を行い,有効回答393名(74.6%)について分析した.歯磨き介助負担感と各変数との関連について単変量解析を行い,有意な関連の認められた変数について相互に強い相関のないことを確認したうえで独立変数として投入し,歯磨き介助負担感の有無を従属変数とする多重ロジスティック回帰分析を行った.その結果,歯磨き介助負担感と単独で有意な関連が認められた項目は,職員の性別が「男性」(OR=2.31;95% CI=1.39-3.84),歯磨き介助対象者の状況のうち「歯肉が腫れている」者が多い(OR=2.96;95% CI=1.79-4.90),歯磨き介助時に「頬側を磨く頻度が少ない」(OR=2.45;95% CI=1.48-4.08),「入所者に口を開けてもらえなくて困る」(OR=2.61;95% CI=1.54-4.42),「歯磨き姿勢が難しくて困る」(OR=1.99;95% CI=1.13-3.53),「歯磨き時間が短くて困る」(OR=1.85;95% CI=1.02-3.35)であった.以上のことから,知的障害者施設入所者への職員の歯磨き介助負担感を軽減するうえで,男性職員に対する歯磨き介助技術向上の支援,入所者の口腔状態に対応した歯磨き介助方法を学ぶ研修,歯磨き介助が必要な部位を特定できるPlaque Control Record等の利用,短時間で歯磨き介助ができる電動歯ブラシの使用,歯磨き介助効果をあげるフッ化物応用等を検討する必要があると考えられた.
著者
武田 文七 山口 文之助
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
工業化学雑誌 (ISSN:00232734)
巻号頁・発行日
vol.62, no.12, pp.1897-1904, 1959-12-05 (Released:2011-09-02)
参考文献数
20
被引用文献数
7

ビニル系,ゴム系,セルロース誘導体系,ポリエステル系,ポリアミド系からそれぞれ試料をえらび,水素,酸素,窒素,炭酸ガスの透過係数(P),拡散係数(D),溶解度係数(S)を温度を変え,圧力差77cmHgにて測定した。気体についてPもDも大体H2>CO2>O2>N2であり分子の大きさからのDの予想順位H2>O2>N2>CO2と一致しない。CO2のDの大きいのは,CO2が膜を拡散するとき,その長軸方向に位置をとり易いためである。Sは気体の臨界温度の高いほど大きい。CO2>O2>N2>H2の順序が予想され多くの膜についてそうである。膜からみた場合Pの大小の順序はDの大小の順序と大体一致するがSのそれとは一致しない。PおよびDの大体の順序は測定した膜について次のようである。天然ゴム,エチルセルロース,テフロン,ポリスチレン,ポリエチレン(比重=0.926),ポリプロピレン,ポリエチレン(比重=0.951),ポリ塩化ビニル,トリアセチルセルロース,ジアセチルセルロース,ジニトロセルロース,塩酸ゴム(ライファン),マイラー,ナイロン。後者ほど分子鎖空間がちみつで,熱運動による孔形成の確率が少ない。透過性と膜の構造との関係についてえられた結果を列記する。(1)高圧法ポリエチレン(比重=0.927)ほ低圧法ポリエチレン(比重=0.951)よりP,Dは大きい。(2)ポリエチレンを冷延伸するとP,Dは減る。(3)ポリエチレン膜にスチレンをグラフトさせると,スチレン%の増大によりPはます。(4)DOPにて可塑化したポリ塩化ビニルおよびエチルセルロースはDOP%増加によりDは増し,Sは減じ,Pは最小点をとおり以後増加する。(5)市販ポリ塩化ビニル膜のPも測った。含有可塑剤に影響される。(6)ポリ塩化ビニルー可塑剤系で2次転移点とPの間に特別の関係認められない。(7)天然ゴムを塩酸化するとP,Dは激減する。(8)DOP,ネオプレンの混入は塩酸ゴムのPをます。(9)ニトロセルロースは硝化度の増加とともにPはまし,水蒸気のときの逆である。(10)エチルセルロース>トリアセチルセルロース>ジアセチルセルロース>ニトロセルロースの順にPは減少する。(11)測定した試料の中では,ポリエステル(マイラー)とポリアミド(6-ナイロン)が最もP,Dが小さい。
著者
武田 文七
出版者
一般社団法人 日本ゴム協会
雑誌
日本ゴム協会誌 (ISSN:0029022X)
巻号頁・発行日
vol.29, no.8, pp.667-675, 1956-08-15 (Released:2013-03-05)
参考文献数
40
被引用文献数
2
著者
木田 春代 武田 文 門間 貴史 朴峠 周子 浅沼 徹 藤原 愛子 香田 泰子
出版者
日本民族衛生学会
雑誌
民族衛生 (ISSN:03689395)
巻号頁・発行日
vol.81, no.1, pp.3-14, 2015
被引用文献数
2

Objective : This study investigates whether the working status of mothers results in an unbalanced diet (no acceptance of disliked foods) of their preschool children, and the relationship of the preschool children's unbalanced diet and its relevant factors.<br>Methods : This cross-sectional study was conducted using the responses of 1,145 mothers at 15 public kindergartens in a suburban city located in the Kanto region. A self-rating questionnaire examined mother's age and working, child's age and gender, the unbalanced diet of mother and their child, and eating education provided to child.<br>Results : The unbalanced diet of children were not associated with the working status of their mothers. Among non-working mothers, the causal factors of the unbalanced diet of their children were classified as the unbalanced diet of the mother, neglecting to instruct child not to waste food, not giving to child's meal child disagreeable foods or weak foods. Among working mothers, not engaging their child to help in the preparation of meals was the most prominent cause of children's diet unbalances.<br>Conclusion : It was suggested that although the working status of mothers has no direct effect on the unbalanced diet of their childrens, differences in the factors relating to the unbalanced diet of their childrens depend on whether the mother is employed or unemployed.
著者
木田 春代 武田 文 荒川 義人
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.74, no.1, pp.20-28, 2016
被引用文献数
1

【目的】幼児の偏食の改善に向け,幼稚園における野菜栽培の有効性を明らかにする。<br>【方法】北海道某市内5幼稚園に通う年少児379人を対象に,野菜栽培活動を実施する3園(241人)を実施群,実施しない2園(138人)を非実施群として,10か月間の縦断調査を実施した。栽培野菜はトマトであり,栽培前,収穫後,収穫後6か月(フォローアップ)の3時点において,母親が無記名自記式質問紙に回答した。主要評価項目として偏食,副次評価項目としてトマトに対する嗜好,食に対する興味・関心を設定し,各群において経時変化を観察するとともに,収穫後およびフォローアップの各時点において,偏食を改善した者の割合の群間比較を行った。<br>【結果】実施群では,偏食しない幼児が栽培前に比べて収穫後,フォローアップにおいて有意に増加した一方,非実施群では有意な変化は見られなかった。また,フォローアップにおいて実施群は非実施群よりも偏食を改善した幼児の割合が有意に高かった。さらに,実施群ではトマトが好きな幼児,「野菜について知っていることを楽しそうに話す」幼児,「食べ物を残すことは『もったいない』という」幼児が栽培前に比べて収穫後やフォローアップにおいて有意に増加した。一方,非実施群ではいずれの項目も有意な変化はみられなかった。<br>【結論】幼稚園におけるトマトを用いた野菜栽培は,幼児の偏食に良い影響をもたらす可能性が示唆された。
著者
木田 春代 武田 文 朴峠 周子
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.112-119, 2012-02-15
参考文献数
32

<b>目的</b>&emsp;幼児を持つ母親の偏食の状況について嫌いな食品の摂取行動と食物摂取の関連性を明らかにするとともに,嫌いな食品の摂取行動が自身の幼少期の食生活とどう関連しているかを明らかにする。<br/><b>方法</b>&emsp;A 県 B 市の公立幼稚園15か所の園児1,145人の母親を対象に,無記名自記式質問紙調査を行った。質問項目は,属性,嫌いな食品の摂取行動,嫌いな食品の数,食物摂取頻度,幼少期の共食者,幼少期に受けた食教育とした。回収した797部(回収率69.6%)のうち,嫌いな食品の摂取行動についての回答があった685人(有効回答率59.8%)を分析対象とした。<br/><b>結果</b>&emsp;嫌いな食品を「食べる&bull;たぶん食べる」者は「食べない&bull;たぶん食べない」者よりも,嫌いな食品の数が少なく食物摂取状況が良好であった。幼少期に受けた食教育16項目との関連をみたところ,下位の 4 項目で有意な関連が認められ,食事づくりを手伝った/おかずは一人分ずつ盛りつけられていた/食事時はテレビを消していた/子ども向けに味付けや切り方が工夫されていた者は,嫌いな食品を食べる傾向にあった。<br/><b>結論</b>&emsp;幼児を持つ母親の嫌いな食品の摂取行動は食物摂取状況と関連しており,幼少期の家庭において子どもが食べやすい食事が出され食事に集中しやすい食生活環境が整っていたかどうかと関連していたことから,これらの食教育を推進する必要性が示唆された。
著者
武田 文男 竹内 潔 水山 高久
出版者
GRIPS Policy Research Center
雑誌
GRIPS Discussion Papers
巻号頁・発行日
vol.17-02, 2017-04

大規模な災害は発生自体が稀有であり,実体験からの対策には限界があるため,地域内での世代を超えた伝承や他地域からの伝聞に頼らざるを得ない。東日本大震災後の災害対策基本法の大改正において,「災害教訓の伝承」についても明記されたが,その他の災害対策に関する取り組みに比べ研究が進んでいない。本研究では,地方自治体における災害教訓伝承の取り組みの実態を把握するため,全国の都道府県・政令指定都市・県庁所在市・特別区の合計121団体に対して調査票を送付し,87団体(72%)から回答を得た。その結果,特に近年の大規模な災害を経験している地域の取り組みが顕著であり,その他の地域との連携や情報共有が課題であることが浮き彫りとなった。わが国の防災・危機管理政策が進展することを心から願うとともに,本研究がその一助となれば幸いである。Large-scale disasters are rare, and countermeasures from actual experiences are limited, so we have no choice but to depend on tradition over generations in the region and hearings from other regions. In the revision of the Basic Act on Disaster Control Measures after the Great East Japan Earthquake, "Transfer of Lessons Learned from Disaster" was also stated, but research has not been advanced as compared with other disaster countermeasures efforts.In this research, a survey form was sent to a total of 121 authorities nationwide (47 prefectures, 20 ordinance-designated cities, 31 prefectural capital cities and 23 special wards in Tokyo) in order to grasp the actual situation of efforts for transfer of lessons learned from disaster in local governments, we eventurally got a response from 87 author-ities (72%). As a result, in particular, efforts in areas experienced large-scale disasters in recent years are notable, reveal-ing that cooperation with other areas and information sharing are issues.I sincerely hope that Japan's disaster prevention and crisis management policy will progress, and I hope this research will be of assistance.
著者
春原 浩樹 水山 高久 武田 文男
出版者
GRIPS Policy Research Center
雑誌
GRIPS Discussion Papers
巻号頁・発行日
vol.16-32, 2017-03

災害危険区域は昭和25(1950)年の建築基準法制定時に創設された制度で,これまでに22千箇所以上が指定され,区域外への移転を支援する制度も用意されているが,区域内にはまだ多数の住宅・建築物が存在する.本研究は,災害危険区域について,国会会議録に基づくこれまでの議論の整理,国土交通省の調査に基づくこれまでの指定状況の整理,関係県・市町村の条例に基づく現在の建築禁止・建築制限の内容の複数の指定理由にまたがる横断的な調査・分析を行うとともに,区域内の建築物の安全性向上のための改修支援策の事例を調査することにより,災害危険区域における今後の対応の可能性を検討しようとするものである.The disaster risk area designation was created when the Building Standard Law was enacted in 1950, and so far more than 22, 000 areas have received the designation. Assistance programs for reloca-tion to a non-designated area are available, but a large number of buildings, residential or otherwise, still remain in designated areas. This study aims to explore possible future policies for disaster risk areas by conducting a systematic review of past debates on the issue using the Diet records; an overview of past designations based on the survey conducted by the Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism; and a cross-sectional analysis of present prohibitions and restrictions on buildings imposed by the respective municipal and/or prefectural ordinances relative to the type of hazard identified for the designation. The study also includes a survey of the actual measures to promote renovation in disaster risk areas with the objective of upgrading the safety of buildings therein.
著者
照井 哲 原野 悟 武田 文 三宅 健夫 横山 英世
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1995

研究目的 現在わが国では、急激な高齢化社会を迎え疾病構造からみても生活習慣に係わる病気が死因の大部分を占めている。厚生省の打ち出した生活習慣病の予防対策の一環として、簡易医療機器による自己検診を普及させることで、健康に対する意識を向上させ、さらに行動変容に結びつくよう本研究を行った。研究対象 企業や保健所の健康教室受診対象者に対し血圧計、血糖計、歩数計、体温計など簡易医療機器を貸与し自己測定を行わせ結果を解析した。また老人保健法並びに学校保健法の健康診断の結果を費用便益法で解析して、自己健康診断との比較を行った。結果及び考察 平成7年度に行った自己検診(血圧・検尿・体温・歩数)や平成8年度に行った自己血糖測定の結果を集計し、性別・年齢階級別に解析を行った。この結果健康に意識を持つ集団においては頻回に自己測定を行っており、特に不安の多い60歳以上の対象者が関心が強い。さらに質問票の集計から成人病健康診断結果並びにその後の事後措置結果を踏まえて、自己健康診断による健康に関する意識の変容が行動変容に結び付きいていることが示された。さらに糖尿病患者における自己血糖測定においては、血糖の改善のみならず脂質や肝機能、尿酸などの最終的に生体情報値の改善に結び付いていることが示され、個々人の生活全般に自己検診が良い結果を呈したことが明らかになった。また、学校保健法及び老人保健法の健康診断の費用と自己健康診断の費用との比較検討を行い、自己健康診断の費用便益が示された。結語 わが国の疾病構造において中心をなす成人病は、日々の生活習慣に由来するところが大きい。自分の健康は自分で作るという習慣の形成がこれら疾病の一次予防上最も重要であり、この自己検診による行動変容は成人病対策上極めて有用と考えられ今後の普及が望まれる。