著者
島宗 理 中島 定彦 井上 雅彦 遠藤 清香 井澤 信三 奥田 健次 北川 公路 佐藤 隆弘 清水 裕文 霜田 浩信 高畑 庄蔵 田島 裕之 土屋 立 野呂 文行 服巻 繁 武藤 崇 山岸 直基 米山 直樹
出版者
一般社団法人 日本行動分析学会
雑誌
行動分析学研究 (ISSN:09138013)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.174-208, 2003-09-05 (Released:2017-06-28)

行動分析士認定協会(Behavior Analyst Certification Board : BACB)は、国際行動分析学会(Association for Behavior Analysis : International)が公認し、支援している、行動分析学に基づいた臨床活動に携わる実践家を認定する非営利団体である。本資料ではBACBの資格認定システムを紹介し、実践家の職能を分析、定義したタスクリストの全訳を掲載する。タスクリストを検討することで行動分析家の専門性を明確にして、我が国における今後の人材育成やサービスの提供システムについて、検討を始めるきっかけをつくることが本資料の目的である。
著者
大屋 藍子 武藤 崇 オオヤ アイコ ムトウ タカシ Ohya Aiko Muto Takashi
出版者
心理臨床科学編集委員会
雑誌
心理臨床科学 = Doshisha Clinical Psychology : therapy and research (ISSN:21864934)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.53-64, 2011-12-15

研究動向肥満に対する治療は,従来,食事療法,運動療法,行動療法や薬物療法を組み合わせて患者の意欲を維持させながら行われ,肥満者が主体的に自分自身で生活をマネジメントすることが求められる。しかし,生活習慣のセルフマネジメントには,(1)個々人の動機のばらつきの大きさ,(2)習慣の中・長期的な維持の難しさという問題が挙げられる。本稿は,行動分析学の観点から肥満をもたらす生活習慣を分析し,肥満治療に対する提案を行った。その結果,セルフマネジメントの困難な要因は,(1)ストレス発散のための過食など,肥満者にとって連鎖的に形成された摂食行動が存在するため,生活習慣改善への動機が形成されないこと,(2)肥満者の希望する体重・体調変化が即時的に得られないため,中・長期的な食事改善や運動行動が難しいことの,2点に整理された。さらに,その困難さを改善するために,アクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT)の観点から,摂食欲求や肥満に対するストレスを受け容れながら,生きたい価値に沿った生活習慣の再構築が必要とされ,その結果,対象者は,生きたい価値を追求することで,単なる肥満の治療ではなく,より高いQOL(生活の質)の実現を追究していくことができるということが示唆された。
著者
万福 尚紀 武藤 崇 マンプク ナオキ ムトウ タカシ Mampuku Naoki Muto Takashi
出版者
心理臨床科学編集委員会
雑誌
心理臨床科学 = Doshisha Clinical Psychology : therapy and research (ISSN:21864934)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.95-106, 2015-12-15

研究動向 本稿の目的は,糖尿病の一般的な治療と糖尿病に対する心理療法について概観すること,及び近年注目されているアプローチとして,マインドフルネスをベースにした心理的介入の有用性を示すことであった。本稿の構成としては,①糖尿病に対する一般的な治療,②糖尿病に対する代表的な心理療法,③糖尿病患者に対するマインドフルネスをベースにした介入,となっている。現段階でこれらの要素をレビューした結果,一般的な糖尿病治療では,患者の治療に対するアドヒアランスの維持が困難であり,適切な自己管理がもたらされないことが示唆された。そして,糖尿病に対する心理療法の代表としては,認知・行動療法(CBT)と動機づけ面接(MI)が挙げられ,前者は適応可能な患者層の狭さが,後者は糖尿病患者へのMIの実施経験の必要性が示された。一方,マインドフルネスを取り入れた介入は,糖尿病患者に広く適応可能であり,統合的かつテイラーメイドな糖尿病治療においても有用であることが示唆された。ただし,今後の課題点として長期的な効果検討と参加者の負担の軽減が挙げられた。
著者
大屋 藍子 武藤 崇 オオヤ アイコ ムトウ タカシ Ohya Aiko Muto Takashi
出版者
心理臨床科学編集委員会
雑誌
心理臨床科学 (ISSN:21864934)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.53-64, 2011-12-15

研究動向肥満に対する治療は,従来,食事療法,運動療法,行動療法や薬物療法を組み合わせて患者の意欲を維持させながら行われ,肥満者が主体的に自分自身で生活をマネジメントすることが求められる。しかし,生活習慣のセルフマネジメントには,(1)個々人の動機のばらつきの大きさ,(2)習慣の中・長期的な維持の難しさという問題が挙げられる。本稿は,行動分析学の観点から肥満をもたらす生活習慣を分析し,肥満治療に対する提案を行った。その結果,セルフマネジメントの困難な要因は,(1)ストレス発散のための過食など,肥満者にとって連鎖的に形成された摂食行動が存在するため,生活習慣改善への動機が形成されないこと,(2)肥満者の希望する体重・体調変化が即時的に得られないため,中・長期的な食事改善や運動行動が難しいことの,2点に整理された。さらに,その困難さを改善するために,アクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT)の観点から,摂食欲求や肥満に対するストレスを受け容れながら,生きたい価値に沿った生活習慣の再構築が必要とされ,その結果,対象者は,生きたい価値を追求することで,単なる肥満の治療ではなく,より高いQOL(生活の質)の実現を追究していくことができるということが示唆された。
著者
酒井 美枝 増田 暁彦 木下 奈緒子 武藤 崇
出版者
日本感情心理学会
雑誌
感情心理学研究 (ISSN:18828817)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.58-64, 2014-02-01 (Released:2014-06-04)
参考文献数
14
被引用文献数
1

Creative Hopelessness is intended to decrease the client’s motivation to control the unpleasant thoughts and emotion in Acceptance and Commitment Therapy. The main aim of this study is to investigate the effects of the Creative Hopelessness on the subjective measures of believability and motivation of Change Agenda. Change Agenda is the rules expressed in the following lines: if I could control undesirable thoughts and emotion, I could solve the problem. Undergraduate students (N=35) with high social avoidance tendency were randomly assigned to Creative Hopelessness group, Control group, or Placebo group. Creative Hopelessness group received a psychological education about the futility of making efforts to control unwanted thoughts and feelings. Control group received a psychological education to increase the motivation to control the unpleasant thoughts and emotion. Placebo group received a psychological education of the general clinical psychology about anxiety. The reduction of believability and motivation of Change Agenda following the intervention were found only in the Creative Hopelessness group.