著者
牧野 能士 河田 雅圭
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

生物が持つ適応力は種によって異なる。本研究は、重複遺伝子保持率から生物が持つ環境適応力を予測する手法の確立を目指し、動物ゲノムの重複遺伝子保持率と生態的特徴の関係を調査した。本研究で侵略的外来種アメリカザリガニの全ゲノム配列決定し、本種を加えたゲノム配列既知の動物を対象にした比較ゲノム解析により、侵略的外来種の重複遺伝子保持率が高いことを明らかにした。重複遺伝子保持率と環境適応力との関連を強く支持するものであり、ゲノム配列情報からの環境適応力評価への応用が期待される。
著者
河田 雅圭 杉本 亜砂子 牧野 能士 丸山 真一朗 横山 潤
出版者
東北大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2016-04-01

近年発見されたC. elegans の姉妹種であるC. inopinataを用いて、体長の進化に寄与した遺伝子を特定することを目的とした。二種間で大きな体長の差が生じるL4幼虫期と成虫期で、発現パターンが、種間で異なる遺伝子として2699遺伝子が検出された。6種の線虫のうち、C. inopinataの系統でのみ正の選択圧が42の遺伝子で検出され、その中に、daf-2があった。daf-2は細胞膜で発現するインスリン受容体で、C. elegansの変異体は体サイズが大きくなることが知られ、daf-2遺伝子の進化が体サイズの進化に対して大きな影響をもつ可能性が示唆された。
著者
長谷部 光泰 倉谷 滋 嶋田 透 藤原 晴彦 川口 正代司 深津 武馬 西山 智明 岡田 典弘 阿形 清和 河田 雅圭 郷 通子 豊田 敦 藤山 秋佐夫 望月 敦史 矢原 徹一
出版者
基礎生物学研究所
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2010-04-01

本領域の目的である、多様な研究から「複合適応形質進化の共通メカニズム」を推定するという総合的研究を展開する、進化生物学とゲノム生物学を融合させる、を実現するため総括班を有機的に組織し、下記の活動を行い、効率的に連携できた。(1)領域会議を年2回、インフォマティクス情報交換会を5年で18回、ニュースレターを5年で63号発行し、領域内での情報共有、共通意識形成を行った。(2)ゲノム支援活動として実験方法のアドバイス、ゲノム配列決定支援、外部委託についてのアドバイス、各班のインフォマティクス担当者などに指導を行った。(3)形質転換実験技術支援を行った。(4)国内、国際シンポジウムをほぼ毎年開催した。