著者
郷 通子
出版者
一般社団法人 日本生物物理学会
雑誌
生物物理 (ISSN:05824052)
巻号頁・発行日
vol.32, no.6, pp.283-288, 1992-11-25 (Released:2009-05-25)
参考文献数
27

Soluble proteins consist of one to several globular functional domains. A globular domain is decomposed into several modules. Module is a sub-structure within a globular domain and it has a compact conformation consisting of a contiguous sequence of 10 to 40 amino acid residues. Close correlation of module boundaries with intron positions implies that a gene encoding a globular functional domain was created by joining exons in early evolution. Some introns seem to be deleted on different lineages in evolutionary time scale.
著者
郷 通子
出版者
公益社団法人 日本表面科学会
雑誌
表面科学 (ISSN:03885321)
巻号頁・発行日
vol.32, no.7, pp.467-468, 2011-07-10 (Released:2011-07-16)
参考文献数
5
著者
長谷部 光泰 倉谷 滋 嶋田 透 藤原 晴彦 川口 正代司 深津 武馬 西山 智明 岡田 典弘 阿形 清和 河田 雅圭 郷 通子 豊田 敦 藤山 秋佐夫 望月 敦史 矢原 徹一
出版者
基礎生物学研究所
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2010-04-01

本領域の目的である、多様な研究から「複合適応形質進化の共通メカニズム」を推定するという総合的研究を展開する、進化生物学とゲノム生物学を融合させる、を実現するため総括班を有機的に組織し、下記の活動を行い、効率的に連携できた。(1)領域会議を年2回、インフォマティクス情報交換会を5年で18回、ニュースレターを5年で63号発行し、領域内での情報共有、共通意識形成を行った。(2)ゲノム支援活動として実験方法のアドバイス、ゲノム配列決定支援、外部委託についてのアドバイス、各班のインフォマティクス担当者などに指導を行った。(3)形質転換実験技術支援を行った。(4)国内、国際シンポジウムをほぼ毎年開催した。
著者
野口 俊之 郷 通子
出版者
名古屋大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1994

タンパク球状ドメインは、10-40残基ほどの長さのフラグメントがつくるコンパクトなサブ構造=モジュールの組み合わせにより構成されている。モジュールの境界と遺伝子上のイントロン位置の対応から、モジュールが固有な構造を持つビルディングブロックとして組合わさることによりタンパク質は進化してきたと考えられている。モジュールがビルディング・ブロックとして固有な構造を持ち得るためには、モジュール内の相互作用がバランスしていること、すなわち、その構造は力学的に安定であることが必要である。本研究では次の問題:1)モジュールの構造の力学的な安定性は多くのタンパク質でも成り立つのか? 2)モジュールの構造の力学的安定性の要因は何か? を明らかにするために、つぎの2段階の計算機実験を行った。1)4つの折りたたみの型:α型、β型、α/β型、α+β型のタンパク質の代表として、ミオヘムエリスリン、免疫グロブリン、フラボドキシン、リゾチームおよびバルナーゼのモジュールの力学的安定性の分子動力学計算。2)原子間相互作用である静電相互作用、水素結合を仮想的に除いた計算機シミュレーションにより、モジュールの力学安定性への各相互作用の寄与を調べた。その結果、上記のタンパク質のモジュールの7割は1ナノ秒の間ネイティブ構造に近い構造を保持した。このことから、モジュールの力学的な安定性は一般的に成立すると考えてよいことが判った。次に、力学的に安定なモジュールの酸性、塩基性アミノ酸の電荷を中和し、さらに、水素結合も除いた、仮想定な状態においても、それらのモジュールの約7割は、安定であった。このことは、一つ一つは弱いファンデルワールス相互作用によって、モジュールの力学的安定性の大半が担われていることを示している。モジュールはコンパクトな構造単位として定義されたが、コンパクトであることは、それが、タンパク質進化の単位としてのビルディングブロックであるための物理化学的要請であったことを、この結果は示している。