著者
渡邉 卓弥 塩治 榮太朗 秋山 満昭 笹岡 京斗 八木 毅 森 達哉
雑誌
コンピュータセキュリティシンポジウム2017論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, no.2, 2017-10-16

本研究はウェブサイトに訪問したユーザのソーシャルアカウントを特定するサイドチャネル攻撃を実証する.特定経路を構成するのは,様々なサービスに実装されているユーザブロック機能である.準備段階では,候補となるソーシャルアカウント群に対しブロックと非ブロックのマッピングを行う.実行段階では,訪問者にタイミング攻撃を仕掛けブロック状態を推定する.推定結果とマッピングを照合することで訪問者とアカウントを紐付けることができる.著名な16のサービスにおいて攻撃が成立することを検証し,100%近い精度で特定に成功した.本稿は,ウェブサービスのソーシャル性に起因する新たな問題を提起し,その原理と対策を論じる.
著者
中野猛 下垣徹 橋本拓也 渡邉卓也
雑誌
デジタルプラクティス (ISSN:21884390)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.130-138, 2014-04-15

本稿では,オンライン機械学習を実現するためのミドルウェアであるJubatusのユースケースとして,不動産賃貸物件を題材とし,利用者の嗜好を反映させながら絞り込みを行い最終的に物件を推薦するサービスを開発した.このサービスでは物件の属性情報を基にMDS(多次元尺度構成法)を用いて探索空間を構築する.利用者の操作に応じ,その空間上で二分探索を基本的発想とする幾何的絞り込み,およびJubatusの分類器を利用した絞り込みを行い,探索空間を狭めていく.さらに3次のBスプラインによるcurve fittingを行い,絞り込みの収束点を予測した上で,利用者の嗜好に合致する物件一覧を提示する.
著者
川本 静香 渡邉 卓也 小杉 考司 松尾 幸治 渡邉 義文 サトウ タツヤ
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.1-12, 2014-07-30 (Released:2014-08-26)
参考文献数
30
被引用文献数
1

本研究では,うつ病患者と類似した抑うつ症状を持つ非臨床群を抽出し,その特徴を検討した。うつ病患者および非臨床群のBDI-II項目得点に対し,k-meansクラスター分析を行った結果,抑うつ状態が軽症の非臨床群の全員と中等症の非臨床群の一部の者が非抑うつクラスターへ分類された。一方,残りの中等症の非臨床群と重症の非臨床群の全員が抑うつクラスターへ分類された。このことから,軽症の非臨床群の抑うつ症状は,重症度の高いうつ病群とは類似性がないことが明らかになった。また,重症の抑うつ状態にある非臨床群と重症度の高いうつ病群には類似性が見られた。ただし,中等症の非臨床群については,その一部の者に重症度の高いうつ病群との類似性が認められる一方で,見られない者も確認された。
著者
工藤 浩 渡邉 卓 福田 武史 奥田 俊博 松本 弘毅 小林 真美 松本 直樹 小村 宏史 伊藤 剣
出版者
日本工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

日本文学・日本史学・神道学・日本語学の四分野の研究者による「先代旧事本紀研究会」を組織し、学際的に『先代旧事本紀』の研究史上の問題点と今後の課題を考究する共同研究を行った。平成29年9月に公開研究発表会を実施した。神話としての特徴、用字意識など編纂と内容の問題に加えて、神道の祭儀・思想・文献、訓詁注釈・国学等に与えたの影響について、『先代旧事本紀』の持つ学問的な意義を明らかにした。本研究の成果は、研究代表者、分担研究者に3名の研究者を加えた12名による論文10編とコラム4編を掲載する『先代旧事本紀の現状と展望』(上代文学会叢書)を平成30年5月に笠間書院より刊行し、広く開示する。
著者
渡邉 卓弥 森 達哉 酒井 哲也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.502, pp.119-124, 2014-03-27

オーナーの関知しないところでカメラを秘密裏に濫用し,盗撮・盗聴や情報漏洩を試みる可能性があるAndroidアプリを自動的に検出する方法を提案する.主要なアイディアはアプリケーションパッケージファイルを逆アセンブルしたコードの解析とアプリの詳細を自然言語で記述したdescriptionのテキスト解析を組み合わせることである.サードパーティマーケットで収集した10,885のアプリケーションを対象に提案手法を適用したところ,カメラを秘密裏に濫用する可能性が高い43個の検体を自動的に検出した.手動による動的解析の結果, 43検体中少なくとも28検体はユーザに開示された正当な方法でカメラを利用していること,および2検体は内容と動作が不自然であり,かつユーザがカメラを利用する画面が認められないことからコードの詳細な静的解析が必要な検体であることがわかった.また43検体中18検体がマルウェアと判定されており,提案手法で抽出した記述と動作に齟齬があるアプリケーションは高い確率でマルウェアであることが示された.
著者
中野猛 下垣徹 橋本拓也 渡邉卓也
出版者
情報処理学会
雑誌
デジタルプラクティス (ISSN:21884390)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.130-138, 2014-04-15

本稿では,オンライン機械学習を実現するためのミドルウェアであるJubatusのユースケースとして,不動産賃貸物件を題材とし,利用者の嗜好を反映させながら絞り込みを行い最終的に物件を推薦するサービスを開発した.このサービスでは物件の属性情報を基にMDS(多次元尺度構成法)を用いて探索空間を構築する.利用者の操作に応じ,その空間上で二分探索を基本的発想とする幾何的絞り込み,およびJubatusの分類器を利用した絞り込みを行い,探索空間を狭めていく.さらに3次のBスプラインによるcurve fittingを行い,絞り込みの収束点を予測した上で,利用者の嗜好に合致する物件一覧を提示する.
著者
渡邉 卓哉 石榑 清 藤岡 憲 堀場 隆雄 平井 敦 伊藤 洋一
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.175-178, 2008 (Released:2008-05-15)
参考文献数
13
被引用文献数
1 2 1

症例は70歳,男性.幼少時より軽い臍炎を繰り返していた.平成4年4月,臍から下腹部腹壁に膿瘍を形成したため,尿膜管遺残膿瘍と診断され臍,尿膜管全摘術を施行された.病理組織学的検索で腺癌を認めたため,再手術により膀胱周囲の尿膜管遺残組織と思われる部分および膀胱頂部を追加切除されたが,癌組織は認められなかった.その後平成10年4月に臍摘出部の硬結,平成11年1月に右鼠径リンパ節の腫大,平成18年4月に右下腹部腹壁の硬結,両鼠径リンパ節の腫大をきたし,局所再発が疑われ腫瘍摘出術を施行された.いずれも病理組織学的検索で,再発と診断された.平成18年8月に両側多発肺陰影と縦隔リンパ節の腫大を認めたため,多発肺転移が疑われた.テガフール・ギメラシル・オテラシル配合剤による化学療法を8クール施行されたが,多発肺陰影の大きさは変化しておらず,現在も継続治療中である.