著者
内木 武虎 小畠 健 渡邊 学 横尾 望 宮元 敬範 中田 浩一
出版者
The Japan Petroleum Institute
雑誌
Journal of the Japan Petroleum Institute (ISSN:13468804)
巻号頁・発行日
vol.62, no.6, pp.303-308, 2019-11-01 (Released:2019-11-01)
参考文献数
11

スーパーリーンバーンにおいては,タンブル比を上げるなどエンジン技術による燃焼限界(リーン限界)の拡大が図られているが,さらなるリーン限界拡大のためには新しい燃料技術と組み合わせることが重要であると考えられる。本研究では,タンブル比を変更した2種類のエンジンを用い,燃料化学種がリーン限界(IMEP変動率3 %になる空気過剰率)に及ぼす影響を評価した。その結果,燃料組成変更により,リーン限界をさらに拡大することが可能であることを確認した。また,燃料組成変更によるリーン限界拡大効果は,エンジン変更(タンブル比の違い)によるリーン限界拡大効果とほぼ独立していることを確認した。さらに,燃料の層流燃焼速度とリーン限界は良い相関を示した。
著者
渡邊 学 榎原 友樹 肱岡 靖明 大場 真 戸川 卓哉 エストケ ロナルド カネーロ 永井 克治
出版者
一般社団法人 環境情報科学センター
雑誌
環境情報科学論文集 (ISSN:03896633)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.61-66, 2018

気候変動による影響を最小限に抑えるには,リスクを科学的に捉え,個々の要素に対して適切な対策を行うことが求められる。気候変動による影響のリスクを構成する主要な要素として外力・暴露とともに脆弱性があるとされる。外力・暴露については研究が進む一方,脆弱性については,その指標化や評価が困難であると捉えられてきた。本研究では,まず脆弱性の概念や脆弱性指標の特性について既往研究を基にレビューし整理を図った。その後,脆弱性指標を特定するスキームを開発し提案を行った。本スキームは適応策立案への貢献が期待できる。
著者
有井 賢次 渡邊 学歩 武智 国加 清水 則一
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.6, pp.23-00002, 2023 (Released:2023-06-20)
参考文献数
22
被引用文献数
1

本研究は,既存橋梁の安全監視へのGNSS (Global Navigation Satellite System)による変位計測の適用性を明らかにすることを目的に,センサーの設置方法の工夫,長期計測の安定性,変位計測精度などを調査し,GNSS変位計測が橋梁の複雑な変位挙動把握の有効な手段になり得る可能性を考察するものである.本稿では,スタティック測位方式で取得した3次元変位データと種々のモニタリングデータとの比較により,載荷荷重に対する橋梁のたわみおよび温度変化に起因する比較的長期かつ周期的な三次元変形挙動に対して,必要な精度で計測可能であることを示すとともに,構造解析や計測データの解析結果に基づき,長期および短期の変位挙動把握の可能性に関する検討結果を報告する.
著者
宮元 敬範 横尾 望 中田 浩一 小畠 健 内木 武虎 渡邊 学
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.755-760, 2019 (Released:2019-05-24)
参考文献数
11
被引用文献数
1

エンジン開発において熱効率向上は必須であり,希薄燃焼限界の拡大やノッキング改善が重要となっている.第一報では燃料の分子構造の違いが燃焼速度や燃焼限界に与える影響について論じた.第二報では,更に,燃料分子の探索を行い,燃焼促進を実現したので,その結果と燃料の化学反応特性と燃焼の関係を論じる.
著者
神谷 大介 赤松 良久 渡邊 学歩 大槻 順朗 二瓶 泰雄 上鶴 翔悟
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集G(環境) (ISSN:21856648)
巻号頁・発行日
vol.70, no.5, pp.I_87-I_94, 2014
被引用文献数
1

本論文では近年増加してきている局地的豪雨災害に対し,小規模集落での課題と適切な支援方策を検討するため,2013年に発生した山口・島根豪雨災害における萩市須佐川を対象として,調査・分析を行った.この結果,避難勧告の発令基準は雨量と水位によって規定されているが,実際には水位のみで判断されていた.雨量を基に判断すれば,1時間以上早く避難勧告が発令出来たことを示した.住民は周囲の状況を見て避難を判断しており,膝上以上の水位の中,危険な避難行動を行っていた.安全な避難を促すためには,事前のリスクコミュニケーションと雨量を基にした避難準備情報の発表が必要であることを示した.
著者
渡邊 学 鈴木 徹
出版者
東京海洋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

水産物の冷凍流通は、未凍結での冷蔵流通に比べて可食期間が遥かに長いため、船舶輸送による輸送エネルギーの低減や、食品廃棄の抑制など、環境面では優位性が期待できる。しかし、多くの消費者が冷凍品は美味しくないというイメージを持っており、冷凍流通品の地位は低い。本研究では、マグロとサンマを用いた官能評価を行い、環境負荷と美味しさを統合的に評価することを試みた。この結果、冷凍品は環境負荷が大幅に小さく、美味しさにはそれほど顕著な違いが無いことが示された。すなわち持続可能な社会を実現するためには、冷凍流通を上手に利用することが有効であると言える。
著者
渡邊 学 チェン アイリス 森 美香子 上野 絵美 中村 好孝 薮本 恵美子 阿部 佳澄 椿 真理 今村 清美 関森 悦子 西澤 理絵 若栗 浩幸 中川 貴之 望月 学 西村 亮平 佐々木 伸雄 鈴木 穣 菅野 純夫
出版者
日本ペット栄養学会
雑誌
ペット栄養学会誌 (ISSN:13443763)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.1-6, 2012-04-10 (Released:2013-01-25)
参考文献数
15

イヌ舌組織における遺伝子発現、味覚受容体の構造の検討を行うため、遺伝子発現頻度解析および味覚受容体の構造解析を行った。正常イヌ舌組織よりRNAを抽出し、次世代シークエンサーを用いてシークエンスを行った。シークエンスタグをイヌゲノムへのマッピングを行い各遺伝子の発現頻度を解析した。味覚受容体にマップされたシークエンスタグをもとに味覚受容体TAS2R40遺伝子およびアミノ酸配列を解析した。RNA-seq解析の結果、984,903シークエンスタグを得た。これらを用いてイヌゲノム上へのマッピングを行った。同定された遺伝子の中で、S100 calcium binding protein A8がもっとも高い発現を示した。また、骨格筋系遺伝子、心筋系遺伝子や解毒系遺伝子群の発現が認められた。味覚受容体をコードする遺伝子構造解析を行ったところ、TAS2R40、TRPV1、PKD1は既存の遺伝子構造よりも5' 端側にマップされるタグが認められ、これまでの遺伝子配列情報よりも完全長に近い遺伝子構造が推測された。また、TAS2R40遺伝子がコードするアミノ酸配列の相同性はヒトと76%マウスと62%であった。