著者
神尾 幸則 稲葉 行男 渡部 修一 小山 基 大江 信哉 林 健一 千葉 昌和
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.35, no.10, pp.1634-1638, 2002-10-01
被引用文献数
10

症例は84歳の女性.脳梗塞の既往があり,心房細動,うっ血性心不全で近医通院中.腹痛,嘔気が出現し,イレウスの診断で入院となった.大腸内視鏡検査でイレウスの原因が直腸S状部の2型腫瘍のためであると判明したため,経肛門的に腫瘍口側にイレウスチューブを留置した.肝機能異常のため手術を延期していたが,入院20日目,腹痛出現,翌日には腹膜刺激症状を認め,緊急手術を施行した.開腹すると膿性腹水が骨盤内を中心に貯留しており,腹膜炎の原因は腫瘍直上の口側腸管の穿孔と判明した.手術はハルトマン手術を施行した.標本を切開したところ,癌腫の口側腸管に線状潰瘍とPTP包装薬剤を認めた.最近,PTP(press through package)誤飲による消化管損傷が増加しているが、大腸穿孔の例は本邦では5例と少なく.直腸穿孔は本症例が本邦初の報告である.
著者
渡部 修 福島 邦彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング
巻号頁・発行日
vol.95, no.598, pp.235-242, 1996-03-18

視覚系によって外界の構造を推定するときには, オクルージョンという問題が存在する. 両眼視では, オクルージョンによって, 一方の眼からは見えている領域が, もう一方の眼からは遮蔽によって見えなくなるという状況が起こりうる. このような両眼非対応領域上の点は, 偽対応しか生成しない. 心理物理学的知見からは, オクルージョンの処理は初期視覚の段階で行われていることが示唆されている. 本稿では, オクルージョンの存在を考慮した, 視差推定アルゴリズムを提案する. 本稿で提案するアルゴリズムは, 対応点問題を解く最も基本的なアルゴリズムである, Marr-Poggioの第1アルゴリズムを拡張したものである. このアルゴリズムは, オクルージョンが生じる幾何学的性質を考慮し, 両眼非対応領域のような対応が与えられない領域の視差推定も行うことができる.
著者
後藤 裕子 渡部 修
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.57, no.5, pp.220-223, 2010-05-15 (Released:2010-07-01)
参考文献数
15
被引用文献数
2

渋カキ果実は,アルコールや炭酸ガス等によって脱渋処理することにより,渋みが消失する.しかし,脱渋処理後に果実を加熱すると,再び渋くなる.この現象が渋カキの食品への加工を阻害している.本研究において,カキ‘会津身不知’果実に少量の分子量3000から5000のコラーゲンペプチドを加え,室温で混合することによって短時間でカキの味を損ねずに脱渋する方法を開発した.また,この方法により加熱による渋もどりも抑制できることが明らかとなった.開発した技術によって,渋カキを様々な食品に利用できることの可能性が示唆された.
著者
渡部 修
出版者
一般社団法人 色材協会
雑誌
色材協会誌 (ISSN:0010180X)
巻号頁・発行日
vol.77, no.8, pp.350-354, 2004-08-20 (Released:2012-11-20)
参考文献数
9

従来, 経験的に評価されてきた漆の硬化反応と温度と湿度との関係を改めて科学的に評価した。その結果, 漆の硬化反応には酵素反応によるものと加熱によるものの二つの反応があることがわかった。二つの反応系を考慮することにより, 良くわからなかった硬化にともなう諸現象や塗膜性状の違いを理解できるようになった。
著者
神尾 幸則 稲葉 行男 渡部 修一 小山 基 大江 信哉 林 健一 千葉 昌和
出版者
一般社団法人 日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.35, no.10, pp.1634-1638, 2002 (Released:2011-06-08)
参考文献数
15
被引用文献数
3 2

症例は84歳の女性. 脳梗塞の既往があり, 心房細動, うっ血性心不全で近医通院中. 腹痛, 嘔気が出現し, イレウスの診断で入院となった. 大腸内視鏡検査でイレウスの原因が直腸S状部の2型腫瘍のためであると判明したため, 経肛門的に腫瘍口側にイレウスチューブを留置した. 肝機能異常のため手術を延期していたが, 入院20日目, 腹痛出現, 翌日には腹膜刺激症状を認め, 緊急手術を施行した. 開腹すると膿性腹水が骨盤内を中心に貯留しており, 腹膜炎の原因は腫瘍直上の口側腸管の穿孔と判明した. 手術はハルトマン手術を施行した. 標本を切開したところ, 癌腫の口側腸管に線状潰瘍とPTP包装薬剤を認めた. 最近, PTP (press through package)誤飲による消化管損傷が増加しているが, 大腸穿孔の例は本邦では5例と少なく, 直腸穿孔は本症例が本邦初の報告である.
著者
三宅 正二郎 橋爪 剛 渡部 修一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMD, 機構デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.366, pp.25-28, 2003-10-10
被引用文献数
1

新しい固体潤滑膜を開発するため銀と金のナノ周期積層膜をRFスパッタリングで形成した。ナノインデンテーション試験によれば、ナノ周期積層膜は高硬度を示す。さらにボールオンディスク試験によると4-nm周期積層膜はμ=0.05の低摩擦を示し、銀、金単屠膜より長摩擦寿命を示す。また、摩擦による電気抵抗の変化は単層膜より著しく小さい。
著者
尾崎 敦夫 松下 和隆 白石 將 渡部 修介 古市 昌一 佐藤 裕幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CST, コンカレント工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.118, pp.13-18, 2007-06-21

本論文では,移動体が道路網上を移動する道路交通シミュレーションを取り上げ,模擬結果を変えずに移動体間の同期及び模擬コストを低減し実行性能向上を図る,道路交通向け動的タイムステップ制御方式を提案する.本方式を災害シミュレータの代表例であるロボカップレスキューの道路交通サブシミュレータへ適用した結果,酷い渋滞状態がなければ従来方式の約2〜3倍の性能向上が実現できることが確認できた.
著者
尾崎 敦夫 松下 和隆 白石 將 渡部 修介 古市 昌一 佐藤 裕幸
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌コンピューティングシステム(ACS) (ISSN:18827829)
巻号頁・発行日
vol.48, no.13, pp.1-12, 2007-08-15

我々は計算機クラスタ環境上において、航空機、艦船、車両等を主対象とする移動体シミュレーションの高速化手法である、動的タイムステップ制御方式(DTSS: event aware Dynamic Time Step Synchronization method)をすでに考案している。しかし、問題が大規模になった場合には、1 つの計算機上でも多数の移動体を高速に模擬することが求められる。本論文では、移動体が道路網上を移動する道路交通シミュレーションを取り上げ、模擬結果を変えずに移動体間の同期および模擬コストを低減させて実行性能向上を図る、道路交通向け動的タイムステップ制御方式(DTSS-RT: DTSS for Road Traffic simulation)を提案する。本方式を災害シミュレータの代表例であるロボカップレスキューの道路交通サブシミュレータへ適用した結果、ひどい渋滞状態がなければ従来方式の約 2~3 倍の性能向上が実現できることが確認できた。We have already proposed DTSS (event aware Dynamic Time Step Synchronization method) for speeding up moving objects (MOs) simulation, e.g. aircraft, ships, vehicles and so on, in a computer cluster environment. However, speeding up the simulation for a number of MOs on a single processor is required as well, when the problem size is enlarged. In this paper, we propose DTSS-RT (DTSS for Road Traffic simulation), which can speed up the simulation by reducing the simulation cost of each MO and synchronization cost between MOs without changing the simulation result. For evaluating DTSS-RT, we employed a road traffic sub-simulator of RoboCupRescue simulation. The results show that the performance of the simulation based on DTSS-RT is improved approximately 2~3 times over that of the conventional method except when the situation includes a heavy traffic jam.