著者
島岡 章 町田 和彦 熊江 隆 菅原 和夫 倉掛 重精 岡村 典慶 末宗 淳二郎
出版者
日本生気象学会
雑誌
日本生気象学会雑誌 (ISSN:03891313)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.3-8, 1987-04-01 (Released:2010-10-13)
参考文献数
17
被引用文献数
3

Seasonal variation of basal metabolism was measured on seven young male (the Ground Self-Defence Force Officials) aged 19-26 for twelve months (from March 1983 through February 1984) at the Beppu Post in Oita. The results are as follows:The basal metabolism fluctuates like sine curve. The highest value (5.2% higher than the annual mean) is obtained in April and the lowest (5.8% lower) is in October. Therefore, the annual deviation in the basal metabolism was 11.0% from the annual mean. The annual mean basal metabolism corrected to twenties, is 39.9 kcal/m2/hr, and this value is 6.6% higher than the reference value (37.5 kcal/m2/hr) . In Japanese, it has been accepted that basal metabolism is lower in summer and higher in winter, and the reasons of the seasonal variation are explained by the wide range of the temperature throughout the year, and by the lower ratio in fat intake. Our results generally agree them.
著者
熊江 隆 荒川 はつ子 鈴川 一宏 石崎 香理 内山 巌雄
出版者
日本体力医学会
雑誌
体力科學 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.189-199, 1997-04-01
被引用文献数
2 2

本研究においては慢性疲労の予防を主眼として, 簡便・迅速な肉体疲労度評価法を開発するための基礎的検討をある大学に所属する箱根駅伝の選抜選手を被験者として行った.<BR>インフォームドコンセントを得てから, 夏期合宿の直前の7月から翌年2月までの8ケ月において, 約一ケ月間隔で8回の, 1) 身体的特性; 体重及びインピーダンス法による体脂肪量等, 2) 血清生化学検査; ドライケミストリー法と従来法による6項目の検査, 及び3) 主観的疲労度; 自覚症状しらべとPOMS, の調査を行った.<BR>ドライケミストリー法と従来法による血清生化学検査の結果は非常に良く一致し, ドライケミストリー法を用いても従来法と変わらない検査結果が得られることが明らかとなった.また, 練習量の多い夏期合宿の前後でみると血清酵素活性と主観的疲労度の変化に関連性がみられた.しかし, 全調査期間を通してみると関連性は認められず, 血清酵素活性と主観的疲労度の変化が逆になる傾向を示す被験者の存在が認められた.<BR>これらの本研究の結果より, 持久性の強い運動が慢性的に繰り返されている場合には, 主観的な疲労の調査だけでは肉体的な負荷を見過ごす可能性が考えられ, 肉体的な疲労状態を客観的に推定することが競技成績の向上や運動による障害の防止も含めて重要であろうと思われる.したがって, 微量の血液から簡便で迅速に検査が行え, 結果を調査現場で直ちに被験者や指導者に伝えることができるドライケミストリー法による血清酵素活性の検査は肉体疲労度の評価として有用であると思われ, オーバートレーニング状態への推移を予防する上でも非常に有効であろうと考えられる.
著者
熊江 隆 荒川 はつ子
出版者
独立行政法人国立健康・栄養研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

本研究の学術的な特色・独創的な点として、生体内では抗酸化的な酵素や物質が相補的・複合的に作用していると考え、血清の総抗酸化能(TAA)の測定・評価方法に関して検討を行い、方法を確立した。また、貪食細胞の活性酸素種(ROS)の産生を比較可能とする測定方法を確立した。ラットを用い、肺胞洗浄液(BALF)中の抗酸化物質濃度等を測定し、BALF中のタンパク質濃度は急性的な酸化的ストレスの、またチオバルビツール酸反応物(TBAR)濃度は中長期的な酸化ストレスの良い指標となると考えられた。さらに、肺胞マクロファージ(AM)のROS産生能とAM培養上清中のサイトカイン(IL-1β、IFNγ、及びTNFα)濃度を測定し、強制あるいは自発的な運動負荷の違いによる影響を明らかにした。ヒトを対象とした実験として、市民ランナーのマラソン前後で測定を行った。マラソン後には好中球数が増加し、IL-6、IL-8、及びG-CSF濃度も著明に増加していた。これらのサイトカインが好中球の動員に関与していると考えられる。さらに、マラソン完走者の好中球機能及びCD11bとCD16の発現を測定したが、レース後に好中球機能は低下し、その機能低下はCD16の発現減少に伴うと推察された。好中球数の増加は、機能低下に対する補償的な反応とも考えられる。女子大学生の長距離選手を被験者とし、持久的な運動負荷が繰り返される夏期合宿において血清の抗酸化物質濃度とTAA及び血漿中サイトカインを測定した。TAAと血清中抗酸化物質等との相関関係を検討したが、TAAとTBARの間にのみ正の強い相関関係が認められた。サイトカインの変動より、合宿によって全身の炎症性の反応はむしろ抑えられ、Th2活性を抑制した可能性が考えられる。また、運動習慣による血清中抗酸化物質等への影響を地域在住の高齢者を対象に調査研究を行ったが、男性の運動習慣あり群ではTAAとTBARの間に正の相関関係が認められた。本研究で確立した血清TAAは酸化・抗酸化の状況を示す良い指標になると思われる。
著者
倉掛 重精 中路 重之 熊江 隆
出版者
大分大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

本研究計画は、別府大分毎日マラソン大会に参加した選手を対象者としている。平成17年の別府大分毎日マラソン大会は、2月6日に開催された。調査は大会当日のレース前とレース終了直後の2回行った。調査項目はアンケート、鼓膜温、体重、採尿および採血を行い、現在統計学的検討を行っている。そこで今年の対象者の結果ではなく、昨年度の結果について報告する。対象者41名の成績は、完走者29名、途中で棄権およびタイムオーバーのために関門を通過できず失格となった選手(以後非完走群)19であった。レース中の温熱環境条件は、風も強くなく、気温も好条件であった。選手の体重はレース後に2.1kg減少、途中で走るのを中止した非完走群でも1.7kgの減少で、完走した選手群は2.3kg減少が認められ、多量の発汗と血液の濃縮が示唆された。総蛋白値を用いて血液濃縮率を算出した。完走群の血液濃縮率は103.9%、非完走群では103.2%、全員の結果は103.7%の濃縮が認められ、発汗による体重の減少と血液の濃縮が認められた。完走群中には、レース後に脱水のために採尿できない選手がみられた。平成14年度の研究では、多量の発汗による脱水の影響したのか、血液生化学成分と尿中成分との間には、統計学的に有意の相関は認められなかった。完走した選手はレース後に筋逸脱酵素群の有意の増加が認められたが、尿中成分との間ではいずれの項目も有意の相関は認められなかった。そこで15年度は運動後に変動が見られる尿中ミオグロビンの項目を新たに加え、筋逸脱酵素群との関連について検討した。尿中ミオグロビンと筋逸脱酵素群は、いずれもレース後に有意の増加が認められた。そこで尿中ミオグロビンと筋逸脱酵素群との関連性について検討した。レース後のCKおよびLDHの値は、レース後の尿中ミオグロビン値と間で、それぞれ相関が認められた。そこでレース前後の変動について検討した。尿中ミオグロビンとGOT(r=0.347)、CK(r=0.684)、LDH(r=0.511)の間で、いずれもレース前後の差に相関が認められた。また発汗量が多く、レース後に脱水が認められ、発汗の影響を避けるため、レース後に水分を補給した選手を除いた完走群選手11名について検討した結果、CKと尿中ミオグロビンの間で高い相関(r=0.906)が認められた。これらの結果から尿中ミオグロビンが、筋逸脱酵素群の疲労評価の指標になりえる可能性を示唆しているものと考えた。平成16年度の調査においては、尿中ミオグロビンと筋逸脱酵素群の関連について、尿中ミオグロビンが疲労評価の指標となりえるか検討中である。
著者
伊藤 孝 鈴川 一宏 木村 直人 熊江 隆
出版者
日本体育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1997

競技能力の向上を図る目的として、運動選手は一週間から一ヶ月にわたる強化合宿を実施している。本研究では、選手の健康管理および傷害発症の予防から、強化合宿時およびその後の回復時における生体の免疫機能の変化、特に好中球の活性酸素種産生能(ROM産生能)について、調査(1);男子長距離選手(n=11)を対象とし、夏季における4回の強化合宿期間中(約40日間)の変化、調査(2);女子長距離選手(n=7)を用い夏季強化合宿中および合宿後の回復時における変化について、それぞれ調査・検討を行った。採血は、早朝空腹時、安静状態にて正中皮静脈より11ml採取した。好中球のROM産生能は、ルシゲニンおよびルミノール依存性化学発光法におけるpeak height(PT;photon/sec)を用いて評価した。調査期間中における血清CPKはいずれも経日的に増加を示し、合宿後には両調査において有意な上昇が見られた。一方、調査(1)における好中球のROM産生能は、経日的に僅かに減少を示したものの、合宿後には逆にルミノール依存性化学発光によるPHは約2.3倍の上昇を示していた。したがって、調査(1)では、合宿中の運動ストレスに対して生体は適応を示していたと考えられる。それに対して調査(2)における好中球のROM産生能は合宿直後においていずれも有意に低下した。この結果から、調査(2)では、運動ストレスによる生体負担が高まり、免疫機能を抑制したと思われる。しかしながら、終了3日後には反対に著しく上昇し、さらに終了20日目においてもこれらの上昇は継続していた。この原因の一つとして生体内における恒常性の保持に、その後の代償的反応が相加的に加わったことがよりいっそう免疫機能を亢進させたものと推察した。
著者
伊藤 孝 熊江 隆
出版者
日本体育大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1995

本実験は、某大学の陸上競技部に所属し、平成7年度の箱根駅伝メンバーとして選抜された選手を対象とした。夏期合宿は、北海道を中心として平成7年7月23日〜8月26日の約1ケ月間行われた。また、合宿期間中の走行距離は、通常の練習の約2倍程度であった。採血は、合宿前、合宿中、合宿後の計3回、早朝空腹時に肘正静脈より行った。好中球の分離は、合宿中に行った採血に関しても実験室まで運搬してから行った。したがって、この際の移動時間による好中球機能の変化を考慮し、事前に採血直後、6時間後さらに12時間後における好中球機能の変化を比較検討した。その結果から、採血後6時間経過してから分離を始めても、被験者間における好中球活性の相互比較が可能なことが確かめられたため、3測定とも6時間後に好中球分離を行うこととした。測定に関しては、好中球機能の指標として活性酸素産生を微弱光画像解析システム(ルミボックスH-1000、マイクロテック・ニチオン社)を用い、オプソニン化ザイモザンを刺激物質としてルシゲニンおよびルミノール依存性化学発光法にて行った。活性酸素産生能の評価方法は、活性酸素の最大産生量を示す最大発光量(Peak Height)、および異物認識から活性酸素の最大産生量に至るまでの平均時間とされる最大発光時間(Peak Time)を指標として行った。今回の結果から合宿中においてはPeak Heightが高く、またPeak Timeも早くなり、活性酸素産生能が活性化する傾向が認められた。しかしながら、合宿後においてはPeak Heightは合宿前の値より若干低値であったことから、更に合宿中の活性酸産生能の活性化の原因を検討する必要があると思われる。本研究において得られた他の数値については現在検討中であり、今後さらに分析を進め検討を行う予定である。
著者
熊江 隆 荒川 はつ子 内山 巖雄
出版者
国立公衆衛生院
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1998

ラットを用いた基礎的研究の成果を多くの学会に報告した。Wistar系ラットでは、成熟後の22週齢から45週齢において非特異免疫能に変化が認められた。さらに、通常飼育の対照群と強制運動群及び自発的運動群の体重に著明な違いが認められたが、隔離ストレス群と対照群の体重はほとんど差がなかった。また、肺胞マクロファージの活性酸素産生能には、これらの群間でほとんど差が認められなかった。肺における生体内活性酸素バランスをみるために、ミトコンドリア及びミクロソーム分画におけるスーパーオキシド産生、抗酸化機構としてスーパーオキシドディスムターゼ活性等の測定を行ったが、これらの群間でほとんど差が認められず、成熟後からのストレス負荷では生体内活性酸素バランスへの影響が小さいように思われた。また、肺胞マクロファージ活性をみる目的で行った蛍光測定に関する研究成果はLuminescenceに掲載された。一方、食事調査方法の開発、競技選手の食習慣等の調査成績、さらに心理的調査に関する知見はEnviron.Health Prevent.Med.、臨床スポーツ医学、体力・栄養・免疫学雑誌に掲載された。また、大学駅伝選手における好中球の活性酸素種産生能の変化を検討した結果はInt.J.Sports.Med.に掲載され、ジョギング愛好家のNatural Killer細胞活性と好中球の活性酸素種産生能の変化を検討した成果はJ.Phys.Fit.Nutr.Immunol.に掲載された。さらに、血清より生体内活性酸素バランスを評価する方法として、活性酸素種の消去能力をみる総抗酸化能の測定方法を確立し、その機序や大学駅伝選手における変化について学会で報告した。一方、65歳以上の地域住民を対象者とし、運動習慣の有無による生体内活性酸素バランスの違いを血清の抗酸化物質量や総抗酸化能等を測定して検討したが、男女共に運動習慣の影響は認められなかった。