著者
板倉 新 加藤 久宗 王 碧昭 松長 敦子 実川 友史 枝村 一弥 大河原 久子 望月 学 西村 亮平 佐々木 伸雄
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
Journal of Veterinary Medical Science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.65, no.10, pp.1107-1109, 2003-10-25

豚の膵島細胞への傷害作用における補体系の関与について,各種動物血清および抗補体作用を有するsCR1添加血清を用いて検討した.細胞傷害性の程度は種によって大きく異なった.またsCR1によって捕体活性が減弱された血清は細胞傷害性をほぼ失った.これらのことから,血清による豚の膵島細胞への傷害性は捕体が主要な因子であり,また動物種の組み合わせによって捕体と移植細胞の相性が大きく異なることが示された.
著者
渡邉 和男 河瀬 真琴 マシウス ピーター 西川 芳昭 松井 健一 阿部 健一 香坂 玲 阿部 健一 香坂 玲 院多本 華夫 渡邊 高志 磯崎 博司 藤村 達人 箕輪 真理 木村 武史 王 碧昭 伊藤 太一 帳 振亜
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

農業食糧及び薬用遺伝資源の多様性について、国境を超越して生存する少数民族に関わり農家保全の実地・実験調査を実施した。ミャンマー北部、ミャンマー、タイとラオスの国境地帯について山間部を主体に研究を実施した。過剰開発や貨幣経済の浸透、さらに不均衡な情報の供給と啓蒙の欠如で、在来の植物遺伝資源が絶滅危惧になっていることやその伝統的文化に支援された知見が急速に失われてきていることがわかった。モノグラフや公的機関の報告書として情報発信した。
著者
王 碧昭
出版者
筑波大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2004

腎臓の発生は他の臓器と異なり、二つ別×の始原から出発、其々尿管と糸球体を生成する。この二つの始原の相互作用は異なる基質段階を経て、最後にネフロンを構成する。本研究は、腎臓発生期に発現する複数のコラーゲンを中心とし、損傷細胞の再生環境を築くことを最終目標とする。そのため、細胞が再生する際、細胞と足場が緊密付着よりもダイナミックな付着することに着目し、発生期の外的環境を模倣し、基底材料をV型-IV型コラーゲンで重層する。腎糸球体細胞が時間的に基質から付着、脱着を可動化し、空間的に凝集して、糸球体を形成することを目的とする。本年度の研究は、以下の点を明らかにした。(1)マウス発生期(胚性E11,E13,E15,E17)の後腎組織を其々取得し、コラゲナーゼ処理後、腎組織をV型コラーゲン再構成繊維上で培養する。V型コラーゲン繊維が発生腎臓に及ぼす影響を、免疫染色、共焦点顕微鏡観察とタイムラプスで観察した。その結果、V型コラーゲンは培養した後腎において、帯状高次構造を形成し尿管芽先端に巻きついていることを明らかにした。また、培養後腎は、V型コラーゲン繊維の足場情報により、後腎間充織中で閉鎖血管構造を形成することも明らかにした。(2)胚性期各時期のマウスの後腎組織をコントロールとして、組織取得後、すぐに凍結、切片化、各発生期におけるV型コラーゲンの局在とIV型コラーゲン、フイブロネクチンなど、V型コラーゲンからバトンタッチされる次環境ECMの局在を調べた。その結果、V型コラーゲンは発生後腎成長面に近い未成熟糸球体に局在、逆にIV型コラーゲンは発生後腎内部の成熟糸球体に局在、ECMバトンタッチが行われている。(3)アダルトの腎疾病モデルマウスから腎臓を摘出、mesh seiving法により、糸球体を取得する。V型コラーゲン繊維内で糸球体を培養してから、発生期の胚性腎臓と共培養する。その結果、アダルトの糸球体が発生腎の尿管芽先端に付着、融合することが可能となった。共焦点蛍光顕微鏡で観察した結果、発生期後腎尿管芽先端にアダルト進級態が近づくと、間充織細胞を巻き込んだシャープなV型コラーゲン繊維が尿管芽先端を糸球体間に形成されることを認めた。これらの結果より、V型コラーゲンが超高次構造ECMを介したcell-ECM-cell間相互作用を緩やかに誘導し、腎発生における基調ECMとして働き、毛細血管組織である腎糸球体と尿管芽との融合を助長するECMであることが明らかにした。