著者
細田 浩 大見 和枝 坂上 和之 田中 健治
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.72, no.5, pp.451-456, 2003-09-15
被引用文献数
1 10

タマネギオイルがカットレタスの褐変に及ぼす作用を調べ,褐変抑制作用を示す成分を検索した.タマネギオイルが褐変抑制作用を示すためにはオイルとカットレタスが接触する必要はなく,掲変抑制成分は揮発性成分であると判断した.GC-MS分析により,タマネギオイルの主成分はdipropyl trisulfide, dipropyl disulfide, methyl propyl trisulfide等であることが明らかとなった.HPLCでタマネギオイルを分画し,各画分の褐変抑制作用を調べた結果,活性はかなり分散していたが,dipropyl trisulfide画分は最も褐変抑制作用が強く,以下methyl propyl trisulfide画分, dipropyl disulfide画分, propyl propenyl disulfide画分の順であった.比較した成分の中では, dimethyl trisulfideの比活性が最も強かったが,この成分はタマネギオイル中の存在量が少なく,タマネギオイルの褐変抑制作用は上記主成分によるところが大きいと判断された.また,trisulfideがdisulfideより褐変抑副作用が強いと考えられた.
著者
田中 健治 小林 秀誉 永田 忠博 真鍋 勝
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.63-66, 2004-04-25 (Released:2009-01-21)
参考文献数
14
被引用文献数
10 15

米はマイコトキシン汚染の少ない穀物である.ところが,1998年には,台風で倒伏し水に浸かったイネがあり,この米は褐色に着色していた.この年は,国内ではムギの赤かび病が大発生した年でもあったので,この米についてトリコテセン系マイコトキシンの抽出を行い,分析した.定性は,GC/MSで,定量はGC-ECDで行った.その結果,デオキシニバレノール (DON),フザレノン-X (Fus.-X),ニバレノール(NIV)のトリコテセン系マイコトキシンが検出された.米でのDONの汚染は報告されているが,現在著者の知る限りでは,Fus.-Xの汚染報告は初めてである.
著者
鈴木 直彦 平澤 宏祐 田中 健一 小林 貴訓 佐藤 洋一 藤野 陽三
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J91-D, no.6, pp.1550-1560, 2008-06-01

画像センサ・GPS・レーザレーダなどから得られる移動体経路情報に基づいた状況理解として,各種センサから得られる人物動線データ群からの逸脱行動人物検出及び行動パターン分類を行う手法の提案を行う.提案手法では,HMM(Hidden Markov Model)を用いてモデル化した人物動線データを低次元空間上に射影し,クラスタリング及び外れ値検出に基づいて逸脱行動人物検出及び行動パターン分類を行う.また,過去に得られた人物動線データ群の検索とリアルタイム検出した人物動線データの識別を行うためのスキームも同時に提案する.実空間で得られた人物動線データ群を用いた検証を行い,提案手法により有効な結果が得られることが分かった.本論文の提案手法は,セキュリティシステム・マーケティング分析などへの応用が考えられる.