著者
根立 研介 中村 俊春 平川 佳世 安田 篤生 稲本 泰生 深谷 訓子 劔持 あずさ 松岡 久美子 宮崎 もも 中尾 優衣 田中 健一
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

美術史の転換期の問題は、何を強調するかで、美術史の語り方が大きく変わってくることもある。本研究は、従来美術史で語られてきた枠組みを再検討するための試みである。特に、大きな成果は、通常日本の古代末期に登場したとされてきた彫刻の和様の問題である。近年の日本史学の成果を取り入れると和様の成立は、中世初期とすることが可能かと思われ、和様は日本の中世期を貫く重要な様式であったことなどを明らかにした。また、この和様の成立には、中国の唐から宋への転換期の問題も深く関わることを明らかにした。
著者
田中 健一
出版者
名古屋大学高等教育研究センター
巻号頁・発行日
2012 (Released:2012-03-19)

2011年度名古屋大学学生論文コンテスト優秀賞(附属図書館長賞)受賞
著者
田中 健 外山 史 東海林 健二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.82, pp.43-48, 2001-08-04
被引用文献数
2

本論文では、作曲を、データベースにある曲のリズムと音高パターンの最適な組合わせを見つける最適化問題とみなし、これを遺伝的アルゴリズム(GA )を用いて解く手法を提案する。データベースには、起承転結のような構造の分かりやすい曲(童謡、唱歌など)を格納した。そして、別々の曲のリズムと音高パターンを小節ごとに組み合わせてできた曲をGA の評価対象とした。提案した手法により曲を生成した実験結果を示す。In this paper, we regard an automatic composition as an optimization problem which finds an optimum combination of rhythm and pitch transition patterns in the database. We selected the pieces of music that are simple in structure from the children's songs, the ministry of education songs, etc., and we stored them into the database. The fitness function of a GA evaluates the composed pieces of music that are sequences of the combination of rhythm patterns and pitch transition ones taken from the database in each measure. The pieces of music composed by the proposed method are shown.
著者
田中 健 村上 大輔 下村 孝
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.133-138, 2008 (Released:2009-04-10)
参考文献数
15
被引用文献数
4 4

京都市内を事例として,好ましい屋上緑化のデザインを明らかにするため,市内の屋上から撮影した4種類の景観写真と4パターンの屋上緑化写真を組み合わせた合成画像を用いて景観評価実験を行なった。その結果,同一の背景で緑化形態(緑量)を変化させた場合に,緑量が増える程評価が向上することが示され,さらに,和風庭園風緑化が高い評価を得ることが示された。また,アイマークレコーダ(EMR)による眼球運動の測定を行い,画像内の緑量が増える程,被験者が人工物を探索する傾向があることが示された。以上の結果から古都の景観を残す京都では和風の屋上緑化が望ましいと推測された。
著者
横田 ちゑ 長田 謙一 三宅 晶子 忽那 敬三 田中 健夫 山内 正平 内村 博信
出版者
千葉大学
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1990

本研究においては特に次のテ-マが取り扱われたーー1.浦安における住宅の変化と近代化 2.ベルリンの斉藤佳三・1923 3.北海道と関西の和洋折衷建築 4.日本のダダイスト達 5.イデオロギ-としての技術 6.ベルリンの日本未来派 7.柳瀬正夢ーー未来派からプロレタリア美術へ 8.ブル-ノ・タウトにおけるユ-トピア幻想と革命 9.大船田園都市株式会社の新鎌倉住宅地 10.ト-マス・マンの政治論 1918ーー1923 11.映画『新しき士』におけるファシズム思想 12.1920年代日本におけるジャズ・イメ-ジ 13.近代社会における自己認識と映画ーージガ・ヴェルトフをめぐって 14.近代文化の問題としての二分化これら具体的テ-マの研究とともに、近代化の概念そのものについての議論がなされたーー日本においては、19世紀半ばの西欧受容以前に、既に様々な領域で独自の発展がなされていた(都市文化の成立・合理化・産業化)。これらの、そしてまたその後の状況を考えるなら、まさにそこで進行しつつあったプロセスが、極めて合目的的・功利的に西欧の技術とモノを受容したと言える。本来西欧における近代化は、歴史的にVerburgerlichungーーそれは市民・個人に基礎を置くーーの過程をも内包していた。しかし文化構造の転換とともに、近代化のプロセスはその重心を個人から大衆へと移してきた。ここにおいて、市民や個人の思想なしに都市化・合理化・産業化を加速度的に進展させていくプロセスを、より正確に規定する必要が出て来る。特に、このプロセスは日本においても西欧においても、あるいはむしろ日本においてよりドラスティックに進行しつつあるだけになおさらである。そしてこのプロセスを、モノから機能や情報が抽出されていく過程として促えるなら、それは、すべてが商品になっていき、情報と資本のネットワ-クに組み入れられていくポストモダンへと通じていると言えよう。
著者
岡山 明子 田中 健 玉置 守人
出版者
日本食品化学学会
雑誌
日本食品化学学会誌 (ISSN:13412094)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.153-158, 1998
参考文献数
8

A method for the simultaneous analysis of eight kinds of preservatives and sodium saccharin (SacNa) in food products using ion-pair high performance liquid chromatography (HPLC) was developed. The preservatives of interest were dehydroacetic acid (DHA), sorbic acid (SoA), benzoic acid (BA), ethyl p-hydroxybenzoate (Et-PHBA), propyl p-hydroxybenzoate (n-Pro-PHBA), isopropyl p-hydroxybenzoate (iso-Pr-PHBA), butyl p-hydroxybenzoate (n-Bu-PHBA) and isobutyl p-hydroxybenzoate (iso-Bu-PHBA). These food additives were separated on an inertsil ODS-2 column (150 x 4.6 mm I.D.) using 50 mM monosodium dihydrogenphosphate-acetonitrile solution (66:34) containing 2 mM cetyltrimethylammonium bromide as the mobile phase and detected with a photodiode array detector at 305 nm for DHA, 254 nm for SoA, Et-PHBA, n-Pr PHBA, iso-Pr-PHBA, n-Bu-PHBA and iso-Bu-PHBA, and 230 nm for BA and SacNa. Comparison of the measured spectra with reference spectra allowed qualitative analysis (Fig. 1 and 2). The combination of dialysis extraction and liquid extraction with organic solvent is often used for pretreatment. However, purification with large amounts of organic solvents after dialysis extraction is a serious concern in terms of inductrial hygiene. In addition, the use of many types of analytical instruments causes operational complexity. For these reasons, a new method for concentrating and purifying dialysis extracts was developed. A comparison of four types of mini-columns revealed the Sep-Pak PS-2 column to have the best retainability (Fig. 3). Ten ml of methanol was used as the eluent from this column (Fig. 4). When 3, 0.5 and 0.01 g/kg of standard substances were added to the samples, excellent average recoveries of 99.1% were achieved (Table 1). The results obtained from 21 samples, preservatives or SacNa being detected were in excellent agreement with the values of dialysis-gas chromatography (Table 2 and Fig. 5). Thus, combination of dialysis extraction and solid phase extraction facilitates handling of many samples of various types, reducing the work load and the amounts of organic solvents required.
著者
島田 一雄 若林 良二 鈴木 弘 武藤 憲司 田中 健二 浅井 紀久夫 結城 皖曠 近藤 喜美夫 渡辺 正子 美濃 導彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B-II, 通信II-無線通信・無線応用 (ISSN:09151885)
巻号頁・発行日
vol.81, no.5, pp.486-495, 1998-05-25
参考文献数
13
被引用文献数
8

現在, 大学, 高専等の高等教育機関が教育・研究に利用しているディジタル衛星通信システムは, 二つに分けられる.文部省が大学間教育交流を主目的に推進しているSCS(Space Collaboration System)と研究を主目的として自主的に組織されたディジタル衛星通信の大学間高度共同利用研究協議会(UnSAT協議会:University's Joint Study Group for Digital Satellite Communications)である.本論文は, 平成9年5月30日に航空高専で開催された国立高等専門学校協会(以下, 国専協と略記)主催の「高等技術教育フォーラム'97」を上述のSCSとUnSATの異なる二つの衛星通信システム接続により, 終日, 6高専と3大学に配信する実験を行った結果を取りまとめたものである.最初にSCSとUnSATの概要を述べ, 続いてフォーラムの内容を紹介する.つぎに予備実験とフォーラム当日実施した本実験について述べる.更に, 予備実験と本実験に対する参加者へのアンケート調査に基づく主観評価結果の一部を示す.続いて, 1ホップと2ホップの場合の画像劣化の比較を行うために試みた画像の客観評価の結果について述べる.最後に考察を行い, 2衛星通信システム接続による教育・研究交流ネットワーク構築への手がかりが得られたことを示す.
著者
近藤 喜美夫 大澤 範高 浅井 紀久夫 田中 健二 武藤 憲司
出版者
独立行政法人メディア教育開発センター
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

語学、科学技術、文化等様々な分野での国際教育交流を行うには、映像音声を中心にした遠隔コミュニケーションを円滑にする仕組みが必要である。本研究では、その仕組みとして、映像音声に含まれる情報(特に言語が異なる場合の文字情報)を抽出し、学習者側に注釈情報(説明や翻訳、画像など)を提示する機能を構築することを目的とした。こうした機能を組み込んだプロトタイプ・システムを構築するため、映像中の物体を認識するための画像認識機能や映像中の文字情報を検出するための文字検出機能などの要素技術を開発した。また、検出した文字情報に関連した付加情報として説明注釈や翻訳、画像や三次元アニメーションなどを提示する機能や検出文字情報と関連付加情報を空間的に関係付ける追従配置手法を開発した。そして、システムの動作確認を行うため、衛星通信などによる遠隔地接続実験を実施した。さらに、被験者による評価試験を行い、構築したシステムの有用性を確認した。システムが有効に利用されるための基盤や教育交流を円滑に行うためのネットワーク構成についても検討した。特に、遠隔コミュニケーションを安定的に提供できる衛星通信の利用を想定した教育交流手法や国際教育交流について現状の分析と考察を行った。また、遠隔コミュニケーションにおいて作業性や臨場感を向上させる上で重要な役割を果たす音響環境について検討を行った。特に、遠隔会議で問題になる音響エコーに関して音響特性の計測と計算機シミュレーションによる音声了解性能の推定を行った。
著者
福田 央 日吉 智 砂川 英之 田中 健太郎 藤田 仁 山根 雄一 若林 三郎
出版者
公益社団法人日本生物工学会
雑誌
生物工学会誌 : seibutsu-kogaku kaishi (ISSN:09193758)
巻号頁・発行日
vol.79, no.8, pp.299-302, 2001-08-25
被引用文献数
3

清酒もろみの原料利用率の向上を目的とし, セルロース, キシラン, およびペクチン溶解酵素といった, いわゆる植物細胞壁溶解酵素が, 清酒もろみの並行複発酵に及ぼす影響を検討した.セルロース, キシラン, およびペクチン溶解酵素を有する市販酵素剤の添加により, 蒸米の溶解およびアルコール発酵は顕著に促進され, またアルコール収得量も増加し, 原料利用率の向上が得られた.さらに, 麹菌を小麦フスマを基質とした液体振盪培養に供して得られた培養上清液よりアミラーゼ・プロテアーゼを除いた粗酵素液を調製し, もろみ発酵試験に供した.この結果, もろみ発酵・原料利用率ともに顕著に向上し, 酵素剤添加区の最高値に匹敵する結果を得た.調製した粗酵素液は著量のセルロース, キシラン, およびペクチン溶解活性を有することから, これらの植物細胞壁溶解酵素が, 清酒もろみでの蒸米の溶解・糖化に対する促進効果を有することが強く示唆された.
著者
田中 健次 稲葉 緑
出版者
電気通信大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本研究では,生活用製品業界における事故回避のために,企業,市民,行政の三者間における事故情報活用システムのモデルを構築した.企業内での設計・運用間でのトラブル情報の共有化構造に,社会全体での事故情報システムを統合したものである.特に市民ユーザの安全意識を高め事故情報やリコール情報を効果的に活用するために,Web利用を含めた事故情報活用システムのプロトタイプを作成,評価した.
著者
田中 健一
出版者
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
オペレーションズ・リサーチ : 経営の科学 (ISSN:00303674)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.164-169, 2010-03-01

本稿では,都市における施設サービスへのアクセスを時間軸を導入して記述するモデルを構成し,首都圏鉄道網と駅間移動データを用いて各駅の立ち寄り易さを分析する.具体的には,退社後の帰宅途中に一定時間サービスにアクセスし決められた時刻までに帰宅可能な人数をサービス利用可能者数と捉え,サービスの提供場所と開始時刻の双方が利用可能者数に与える影響を分析する.分析結果から,JR山手線の各駅は時空間的な立ち寄り易さが際立って高いことが明らかになる.このモデルを基礎として,時空間領域における配置問題として一般化する方向性を示し,今後の展望について記述する.
著者
今井 勝 島辺 清志 田中 健一 川名 健雄
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物學會紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.345-351, 1994-06-05
被引用文献数
7

食用カンナは温・熱帯地域における生産力の高い作物の一つである. その高生産力の基礎として, 生産構造の個体発生に伴う変化を明らかにするために畦間1m, 株間0.5mとして4月下旬から11月中旬まで筑波大学の実験圃場で食用カンナを栽培した. その間, 個体群各層における光の分布を測定すると共に, 層別刈り取りを行って, 葉面積および植物体地上部の乾物の分布を調べた. 食用カンナの草高は9月中旬に最大値を示した後, 生育後期までほぼ同じ高さを保った. 葉面積指数は同時期までに10を越え, 11.2の最大値を示した後, 植物体の成熟に伴って漸減した. 群落の吸光係数は, 生育の初期に広葉型の1.34であったが, 生育の後期には0.4-0.5とイネ科型の値へと変化した. それは, 食用カンナが生育初期の葉面積指数が小さい時には太陽光を有効に利用するため, 水平葉を展開し, 個体発生に伴って草高と葉面積指数が大きくなると, 次第に直立的な葉を形成するためであった. また, 植物の生育に伴って発生する茎の位置および葉の方位角分布は, 葉群が光を最大限に受容するためのものと考えられた.
著者
近藤 智嗣 田中 健二 大西 仁 近藤 喜美夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1996, no.1, 1996-03-11

放送教育開発センターでは,これまでにも衛星を用いた教育交流実験を実施してきている.これらの実験を通じて経験した問題点には,衛星回線のトラブルに関するものとスタジオ機器等教室システムに起因するものがあった.衛星回線に関する問題点は,HUB局制御のVSATシステムを構築することで利用者には負担がかからないよう改善がなされた.しかし,教室システムに起因する問題点は,利用者自身が教室内のAV機器等を操作しなければならないため,より容易な操作が可能な教室システムを実現しなければ改善はなされない.文部省が平成7年度から開始したスペースコラボレーションシステム(SCS)計画では,操作が容易な教室システムの実現も重要な課題の一つである.
著者
大西 仁 田中 健二 永岡 慶三 松川 正樹 高津 直己 佐々木 正實 鈴木 龍太郎 川村 洋介
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.96, no.578, pp.33-39, 1997-03-15
参考文献数
4
被引用文献数
1

光ファイバーケーブル等の通信基盤が各家庭まで整備され、各家庭と講師が映像、音声、データを双方向で自由にやりとりできる時代を想定し、その時代における在宅学習のモデルとして、双方向教育番組の制作実験を行った。制作は、放送教育開発センターに講師、通信総合研究所、新世代通信網実験協議会、大阪産業大学に学生を配し、ATMネットワークにより接続し、映像、音声、計算機データの交換を可能にすることにより実現された。番組は、「住空間における断面図」をテーマとし、講師と学生が映像、音声による質疑応答、共有CADソフトを用いての演習等のインタラクションが盛り込まれた。