著者
成田 正直 眞岡 孝至 蛯谷 幸司 西野 輔翼
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.79, no.1, pp.48-54, 2013 (Released:2013-01-24)
参考文献数
24
被引用文献数
4 5

ホタテガイの赤燈色貝柱における成分分析および色素の同定を行い,その抗酸化作用を調べた。赤燈色貝柱の一般成分,遊離アミノ酸は通常貝柱と有意差がみられなかった。MS および NMR スペクトルの結果から,赤燈色貝柱の主な色素はペクテノロンと同定した。ペクテノロンは,アスタキサンチンよりはやや弱いが,β-カロチンより強い抗酸化作用を示し,有用なカロテノイドと考えられた。
著者
大澤 絢子 加藤 友佳里 嶋谷 真理 野寺 和花 服部 菜里 眞岡 孝至 新藤 一敏
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.62, no.8, pp.499-505, 2011-08-15 (Released:2015-03-11)
参考文献数
23

The coconut crab (Birgus Latro), the largest terrestrial arthropod in the world, contains carotenoid pigments mainly in the shell, although no previous studies have identified them. We isolated the pigments in this study, by EtOAc extraction, silica gel column chromatography, and GPC column chromatography.We identified them as astaxanthin [optical isomeric ratio: (3R, 3’R), 9%; (3R, 3’S; meso), 41%; (3S, 3’S),50%] and diacyl astaxanthins [fatty acid ratio: stearic acid (18:0), 46%; palmitic acid (16:0), 26%; and oleic acid (18:1n-9), 18%] by 1H-NMR, LRESI-MS, chiral phase HPLC and GC analyses. This is the first detailed analysis of the carotenoids contained in coconut crab. We also examined the antioxidative activity of isolated astaxanthin and diacyl astaxanthins in the singlet oxygen suppression model. These compounds showed equal antioxidative activities with an IC50 value of 4 μM.
著者
成田 正直 眞岡 孝至 蛯谷 幸司 西野 輔翼
出版者
日本水産學會
巻号頁・発行日
vol.79, no.1, pp.48-54, 2013 (Released:2013-08-06)

ホタテガイの赤燈色貝柱における成分分析および色素の同定を行い,その抗酸化作用を調べた。赤燈色貝柱の一般成分,遊離アミノ酸は通常貝柱と有意差がみられなかった。MSおよびNMRスペクトルの結果から,赤燈色貝柱の主な色素はペクテノロンと同定した。ペクテノロンは,アスタキサンチンよりはやや弱いが,β-カロチンより強い抗酸化作用を示し,有用なカロテノイドと考えられた。
著者
秋山 真一 滝井 健二 眞岡 孝至 中川 雅雄 北野 尚男 熊井 英水
出版者
水産増殖談話会
雑誌
水産増殖 (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.47-52, 2001-03-20
参考文献数
26
被引用文献数
1

18種の酵母乾燥粉末に対するマダイ稚魚(平均体重:6.4-10g)の嗜好性を魚粉のそれと比較した。E.lindneri,R.rubraおよびG.ressiiにそれぞれ魚粉の1.31,1.20および1.14倍の高い摂餌活性が認められたが,他の酵母には同等か低い活性しか得られなかった。嗜好性ではE.lindneriが優れていたが,嗜好性と粗タンパク質含量がともに高いR.rubraが酵母タンパク(YP)には最適であると判断した。そこで,飼料魚粉の0,25および50%をYPに代替した飼料をマダイ稚魚(5g)に給与したところ,YPの配合率が増加するに伴って,日間摂餌率は上昇した,逆に増重率,飼料効率およびタンパク効率は低下したが,劣悪ではなかった。以上の結果から,YPはマダイの嗜好性に優れ,マダイ用実用飼料のタンパク源の一部として利用できることが示唆された。
著者
滝井 健二 石丸 克也 吉田 幸功 井上 修一 日高 久美 眞岡 孝至 谷本 文男 伏木 省三
出版者
近畿大学
雑誌
近畿大学水産研究所報告 (ISSN:09117628)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.11-18, 2006-03-25

飼料への自己消化酵母Hansenula anomala(Ha)の添加が,アユの飼育成績やレンサ球菌症の自然発症率に及ぼす効果について調べた。チリ魚粉をタンパク質源とした飼料に,Haを18,9および3%配合した飼料(Ha-18,-9および-3)を,体重35.7gのアユに1日4回,1週間に6日飽食給与して12週間飼育したところ,Ha-9およびHa-3区の成長および飼育成績は,対照のHa無配合飼料区(Ha-0)やHa-18区より優れていた。また,終了時におけるレンサ球菌症の発症率は,Ha配合区がHa-0区より僅かに低かった。ついで,レンサ球菌症の発症を抑えるための,Ha-3飼料の効果的な給餌法を検討するため,平均体重33.0gのアユにHa-0およびHa-3をそれぞれ連続給与する区,Ha-3とHa-0を毎日交互に給与する(Ha-3, 0)区などを設けて10週間飼育したところ,増重率はHa-3給与によって向上し,発症率はHa-3, 0区で28.6%で低く,Ha-0区の45%,Ha-3区の50%の順に増加した。以上の結果から,飼料のHa添加は成長促進だけでなく,レンサ球菌の感染防御にも効果のあることが示唆された。
著者
秋山 真一 滝井 健二 眞岡 孝至 中川 雅雄 北野 尚男 熊井 英水
出版者
日本水産増殖学会
雑誌
水産増殖 (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.47-52, 2001

18種の酵母乾燥粉末に対するマダイ稚魚(平均体重:6.4-10g)の嗜好性を魚粉のそれと比較した。<I>E.lindneri, R.yubya</I>および<I>G.ressii</I>にそれぞれ魚粉の1.31, 1.20および1.14倍の高い摂餌活性が認められたが,他の酵母には同等か低い活性しか得られなかった。嗜好性では<I>E.lindneyi</I>が優れていたが,嗜好性と粗タンパク質含量がともに高い<I>R.rubra</I>が酵母タンパク(YP)には最適であると判断した。そこで,飼料魚粉の0,25および50%をYPに代替した飼料をマダイ稚魚(5g)に給与したところ,YPの配合率が増加するに伴って,日間摂餌率は上昇した,逆に増重率,飼料効率およびタンパク効率は低下したが,劣悪ではなかった。以上の結果から,YPはマダイの嗜好性に優れ,マダイ用実用飼料のタンパク源の一部として利用できることが示唆された。
著者
成田 正直 眞岡 孝至 桒原 康裕 蛯谷 幸司
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
pp.17-00040, (Released:2017-11-02)
参考文献数
35
被引用文献数
2

オホーツク海に生息するアカボヤ筋肉の一般成分,カロテノイド組成を調べた。夏季から秋季にかけて水分,灰分は緩やかに減少,タンパク質,脂質,グリコーゲンは緩やかに増加した。アカボヤの主要なカロテノイドはβ-carotene, alloxanthin, astaxanthin, mytiloxanthin, pectenolone, halocynthiaxanthinおよびこれらの脂肪酸エステルであった。アカボヤは有用なカロテノイドを含んでいることから,機能性食品としての利用が期待された。
著者
眞岡 孝至 秋元 直茂 藤原 靖弘 橋本 圭二
出版者
天然有機化合物討論会
雑誌
天然有機化合物討論会講演要旨集
巻号頁・発行日
no.45, pp.611-616, 2003-09-01

The ripe fruits of paprika (Capsicum annuum L.) is a good source of carotenoids and is used widely as a vegetable and food colorant. The red carotenoids are mainly capsanthin and capsorbin, possessing 3-hydroxy-6-oxo-κ-end group. In the course of the carotenoids studies of paprika, two new carotenoids 1 and 2 were isolated as minor components. The MeOH extract of ripe fruits of paprika (4kg) was saponified with 5% KOH/MeOH, and unsaponifiable matter was chromotographed on silica gel using an increasing percentage of acetone in hexane. The fraction eluted with acetone-hexane (1:9) was subjected to a series of HPLC on ODS with CHCl_3-acetonitrile (1:9) and on silica gel with acetone-hexane (2:8) to yield 1 (2mg) and 2 (0.5mg). The molecular formula of 1 was determined to be C_<40>H_<56>O_2 by HR FAB MS. The positive ion FAB MS/MS spectrum of the molecular ion (M^+) of 1 is shown in Fig 1a. Characteristic product ions of M-111 and M-139 which attributed to cleavage between C-5' and C-6' and between C-6' and C-7', respectively suggested the presence of 6-oxo-κ-end group in 1. The structure of 1 was determined to be 3-hydroxy-β,κ-caroten-6'-one by ^1H- and ^<13>C-NMR, COSY, TOCSY, NOESY, HSQC and HMBC data and named 3'-deoxycapsanthin. The structure of 2 was determined to be 3,4-didehydro-β,κ-caroten-6'-one by HR FAB MS, FAB MS/MS, UV-Vis and ^1H-NMR data. From the CD spectral data and biosynthetic consideration 3R, 5'R and 5'R chiralities were proposed for 1 and 2, respectively. They are the first example of carotenoids possessing 6-oxo-κ-end group.