著者
須永 剛司 永井 由美子
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究特集号 (ISSN:09196803)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.4-12, 2014-03-31 (Released:2017-11-27)

「デザイン思考」という枠組みが提示され、今さまざまな学問が横断的な知として「デザイン」を教育プログラムとして設置しはじめている。しかし、デザインを「思考」の組み立てとしてのみ捉えることはその営みの本質を取り逃がすことになる。デザインすること、つまり「デザインニング」には思考とともにそれを駆動する表現行為がある。いまデザインの共同体に求められているのは、未知の物事を描き、創造し、具体に仕立て上げる力と、それを駆動している本物のデザインの知の成り立ちを明らかにすることだ。そんな思いから著者らはデザインの実践家たちが「デザインの知」を描き出す試みを実施した。本稿では、デザイナーたちが自らのデザイン実践を省察し、デザインをいかに「行い」、デザインすべき課題をいかに「知る」のかを語りその意味を探る試みを報告する。またそこから見出されたデザインの思考と行為を形づくっている3つ原理、「じゃない感」「結果と問いのカップリング」「3種類のコミュニケーション・モード」を、実践するデザイナーの「デザイン知」として考察する。
著者
設楽 宗孝
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究特集号 (ISSN:09196803)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.21-25, 2002
参考文献数
18

日常生活で我々が行動するとき、通常、目標があり、それを達成しようというモチベーション(動機付け)によって行動を計画しそれを実行に移す。この際、我々は絶えず現在の状態と到達目標とを比較し、目標に近づくほど期待が高まる。したがって、この期待に対応する神経活動が脳内にあることが予想される。この点を研究するために、我々はモチベーションの大きさをコントロールして報酬期待の大きさを調べることのできる「多試行報酬スケジュール課題」を開発した。この課題ではサルは数回の試行を正解して初めて報酬のジュースがもらえる。報酬に到達するのにあとどのくらいの試行回数が必要かを示す視覚的キューを提示していると、サルは報酬に近づくほど誤答率が少なくなり、これは報酬への期待が高まっていることを反映していると考えられる。さて、脳内には、情動やモチベーションの上で重要な刺激に反応して行動を起こすときに働いているといわれているループ回路があるが、このループに属する前帯状皮質から単一ニューロン活動を記録して解析した。その結果、報酬を得るまでにいくつかのステップが必要なスケジュールを遂行する際に、スケジュールの進行、或いは、報酬への期待の大きさを表現している神経細胞があるということがわかってきた。