著者
福田 直樹 伊藤 孝行
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.90, no.9, pp.2324-2335, 2007-09-01
被引用文献数
5

本論文では,10,000〜100,000を超えるような多数の入札がある組合せオークションに対して,勝者決定の近似解法を提案し,その特性を評価する.提案アルゴリズムでは,従来手法のLehmannアルゴリズムにおける入札ソート順位の決定因子に着目し,更に山登り法及びシミュレーテッドアニーリング(SA)による解の洗練を行うことで,安定して高い最適性を持った解を得る.入札数が1000程度の場合に,本提案手法では最適解に対して平均して0.997程度の総落札額が得られる解を見つけられることを示す.更に,従来の最適解探索手法と比較して十分に高速に動作し,10,000を超える入札数をもつオークションに対して数秒(入札数10,000)から数分程度(入札数100,000)の実用的な時間で計算が行えることを示す.本近似解法の限界点の一つとして,本近似解法を用いた組合せオークションが一般には真実申告最良とはならないことを,Monotonicityという条件が成り立たないことから示す.一方で,真実申告最良とはならないものの,本近似解法の一部では,解探索の過程におけるランダム性を排除し順序性を保存することで,近似解に対して特定の好ましい性質を満たすことを示す.
著者
福田 直樹
出版者
静岡大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

本研究は,対象とする市場メカニズムをこれまでに研究を進めてきた組合せオークションメカニズムに絞り,超高速組合せオークションメカニズム起動エンジンの超大規模化とさらなる動作の高速化を実現した.特に,本研究開始時点で開発済みの高速勝者決定近似アルゴリズムを,より一般的な問題形式である複数ユニットオークション(1つの種類の商品が複数個存在する場合)に対応させたプロトタイプアルゴリズムの開発と,クラウドコンピューティングインフラ上での活用が期待される資源割当機構と超高速処理技術を組み合わせることで,商業利用可能な水準に向けた性能と利便性の向上を行った.
著者
鴛海 太一 福田 直樹
雑誌
第79回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, no.1, pp.477-478, 2017-03-16

本研究では,格闘ゲームにおける各操作キャラクターへの特徴付けを保ちながら,その操作に習熟したプレイヤーに対してもゲームバランスが適切になるように調整可能とする機構の試作について述べる.本研究では,Memetic Algorithmを用いたゲームバランス調整機構に基づいて半自動パラメータチューニングを可能とし,習熟したプレイヤーの動作を最適化中に学習により自動習得させることにより,習熟したプレイヤーがプレイした場合にもバランス調整が崩れないようにする機構の実現を目指す.
著者
山口 高平 福田 直樹 小出 誠二
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.22, no.4, pp.4_12-4_18, 2005-10-26 (Released:2008-09-09)

セマンティックWebのバックボーンとして位置づけられるオントロジーは,知識ベース構築のプリミティブとしての意義を継承しつつも,Webの特徴である拡張性や分散性に対応するための新しい特徴を併せ持つ.本稿では,オントロジー記述言語OWLの特徴を要約すると共に,ソフトウェア工学の新しい潮流であるWebサービスを高度化する視点からOWLの記述能力についても言及する.
著者
渡辺 観智 福田 直樹
雑誌
第79回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, no.1, pp.479-480, 2017-03-16

マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ(MOBA)ゲームのような競争要素が含まれるチームバトルゲームにおいて,競争の過熱による副作用の1つとしての,プレイヤーのToxic behaviorに対して,その特徴の分析などが行われてきている.本研究では,ゲーム内におけるプレイヤー間の衝突改善に焦点を当て,プレイヤーの振る舞いの特徴量に基づいてプレイヤーの動作がToxic behaviorであるかどうかを分類し,Toxic Behaviorが検出された際に衝突緩和のための動作を行うための機構の試作について述べる.本機構をゲーム内へ導入することに よって,マルチプレイヤーオンラインチームバトルゲームにおけるToxic Behaviorの発生や影響の緩和を目指す.
著者
安酸 建二 乙政 佐吉 福田 直樹
出版者
神戸大学経済経営学会
雑誌
国民経済雑誌 (ISSN:03873129)
巻号頁・発行日
vol.198, no.1, pp.79-94, 2008-07

財務情報に過度に依存した経営によるさまざまな弊害が,先行研究においてしばしば指摘されてきた。この弊害に対する解決策の一つとして,業績管理システムに非財務指標を組み込むことが重要視されている。本稿では,まず,非財務指標をめぐる論点として,非財務指標が財務業績に対する先行指標になる可能性,および,戦略の実現に向けて経営者・管理者の意思決定や行動に影響を与える可能性の二つを取り上げ,非財務指標研究を業績管理システム研究の流れの上に位置づける。次に,非財務指標の可能性に関連する実証的証拠を検討する。最後に,今後の非財務指標研究の方向性を示す。
著者
福田 直樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.332, pp.77-82, 2013-11-21

本研究では,複数ユニット組合せオークションの近似解法における,財に対する留保価格の考慮について述べ,その留保価格の指定が可能な複数ユニット組合せオークションを,エージェント仲介型の市場メカニズムに基づく電力資源制御フレームワークに適用する場合について考える.中規模なスマートグリッドに適用することを想定した場合に考えられる,プロトタイプ実装についても述べる.本稿では,特に現時点での実装における想定される性能に関する議論,および今後解決すべき課題について述べる.
著者
藤野 敬久 福田 直樹
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.26, 2012

SPARQLを用いた検索では,オントロジーで定義された概念を用いる.しかし,検索対象が持つオントロジーと検索を行う者が持つオントロジーが異なる概念化を行なっている場合には,検索者が持つオントロジーに基づいた検索を行えるようにしたい.このために,本発表では,クエリ変換によりオントロジーの差異を適切に反映する手法を検討する.
著者
石川 貴文 福田 直樹
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.26, 2012

本発表では,自動交渉技術を用いて,個々のサービスに適した複合クラウド環境を動 的に構成し,そこにアプリケーションを配置・構成するためのフレームワークについ て述べる.個々のサービスに適した複合クラウド環境を構築するために,エージェン ト間の自動交渉技術の1つであるエージェント間での多論点交渉メカニズムの非線形 効用空間上での適用と,その動的なアプリケーション配置への拡張について述べる.