著者
田中 ゆかり 上倉 牧子 秋山 智美 須藤 央
出版者
社会言語科学会
雑誌
社会言語科学 (ISSN:13443909)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.5-17, 2007-09-30
被引用文献数
1

日本でもっとも多言語化が進行している東京圏のデパート37店舗を対象に,言語景観調査を2005年に実施した.ランドスケープの観点から店内案内のパンフレットと店内の全館案内掲示,サウンドスケープの観点から閉店時の店内放送の多言語化の実態について報告する.その上で,東京圏のデパートにおける多言語化の進行過程と,デパートという商業形態における言語の経済価値について述べる.実態調査結果からは次の点が明らかとなった.(1)「23区内多言語使用」対「東京近郊単言語使用」という地域差が観察された(2)23区内には次のような地域特徴が観察された.「新宿地域の東アジア系言語重視」「銀座・有楽町・日本橋・東京の西欧言語の取り入れ」(3)東京近郊における「大宮・立川・吉祥寺の多言語化の萌芽」(4)旗艦店に多言語化が著しい(5)パンフレットの多言語化がもっとも進んでいる.ついで店内放送が多言語化している.店内掲示はほとんど多言語化していなかった.(6)多言語化の進行過程として次のパターンが指摘できる.「日本語単言語⇒日本語・英語(2言語)⇒日本語・英語・中国語・韓国/朝鮮語(4言語)⇒日本語・英語・中国語・韓国/朝鮮語+α(5言語以上)」上記結果の背景としては,東京23区における日本語以外の言語を使用する居住者ならびに観光などによる一時滞在者数の多さと,東アジア系ニューカマーの新宿地区における増加が指摘できる.顧客が使用する言語に対応した実質言語としての英語・中国語・韓国/朝鮮語の採用と,デパートのイメージ戦略に対応したアクセサリー的言語(イメージ言語)としての西欧言語(フランス語・イタリア語)の取り入れの両側面が指摘できる.
著者
秋山 智久 Tomohisa AKIYAMA
雑誌
學苑 = GAKUEN (ISSN:13480103)
巻号頁・発行日
vol.832, pp.66-77, 2010-02-01

What relationship is there between social welfare and the religion? How has religious social welfare been understood? Where is religious social welfare placed in the context of modern Japanese social welfare handled by administrative systems, governed by the law, and supported by fiscal resources from the state? With these questions in mind, the author explores how social welfare has been practiced in the world under the three major religions. The author argues that social welfare originates from various religious traditions and that religion has been essential in motivating practitioners of social welfare. The author also points out that in Japan, the value of religion for social welfare is apt to be underestimated.
著者
田中 ゆかり 上倉 牧子 秋山 智美 須藤 央
出版者
社会言語科学会
雑誌
社会言語科学 (ISSN:13443909)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.5-17, 2007-09-30 (Released:2017-04-30)
被引用文献数
3

日本でもっとも多言語化が進行している東京圏のデパート37店舗を対象に,言語景観調査を2005年に実施した.ランドスケープの観点から店内案内のパンフレットと店内の全館案内掲示,サウンドスケープの観点から閉店時の店内放送の多言語化の実態について報告する.その上で,東京圏のデパートにおける多言語化の進行過程と,デパートという商業形態における言語の経済価値について述べる.実態調査結果からは次の点が明らかとなった.(1)「23区内多言語使用」対「東京近郊単言語使用」という地域差が観察された(2)23区内には次のような地域特徴が観察された.「新宿地域の東アジア系言語重視」「銀座・有楽町・日本橋・東京の西欧言語の取り入れ」(3)東京近郊における「大宮・立川・吉祥寺の多言語化の萌芽」(4)旗艦店に多言語化が著しい(5)パンフレットの多言語化がもっとも進んでいる.ついで店内放送が多言語化している.店内掲示はほとんど多言語化していなかった.(6)多言語化の進行過程として次のパターンが指摘できる.「日本語単言語⇒日本語・英語(2言語)⇒日本語・英語・中国語・韓国/朝鮮語(4言語)⇒日本語・英語・中国語・韓国/朝鮮語+α(5言語以上)」上記結果の背景としては,東京23区における日本語以外の言語を使用する居住者ならびに観光などによる一時滞在者数の多さと,東アジア系ニューカマーの新宿地区における増加が指摘できる.顧客が使用する言語に対応した実質言語としての英語・中国語・韓国/朝鮮語の採用と,デパートのイメージ戦略に対応したアクセサリー的言語(イメージ言語)としての西欧言語(フランス語・イタリア語)の取り入れの両側面が指摘できる.
著者
片上 隆史 藤原 悟 秋山 智明 清水 祐里 原 重雄 川本 未知
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
pp.cn-001645, (Released:2021-10-16)
参考文献数
8

症例は53歳女性.来院3ヶ月前に頭痛,倦怠感を発症してから歩行障害,異常行動,幻覚等が階段状に出現した.入院時は傾眠傾向で,頭部MRIで両側脳室周囲白質に造影効果を伴う広範なFLAIR高信号病変を認めた.月単位の経過から腫瘍との鑑別を目的に定位脳生検を行うと,血管周囲性に炎症細胞浸潤がみられ,免疫治療への反応性は良好であった.その後髄液中の抗glial fibrillary acidic protein(GFAP)抗体が陽性と判明し,自己免疫性GFAPアストロサイトパチーと診断した.本疾患の報告はまだ少なく,緩徐な経過をとった点や脳生検による病理学的な評価を行った点は希少であるため報告する.
著者
秋山 智久
出版者
昭和女子大学
雑誌
學苑 (ISSN:13480103)
巻号頁・発行日
vol.832, pp.66-77, 2010-02-01

What relationship is there between social welfare and the religion? How has religious social welfare been understood? Where is religious social welfare placed in the context of modern Japanese social welfare handled by administrative systems, governed by the law, and supported by fiscal resources from the state? With these questions in mind, the author explores how social welfare has been practiced in the world under the three major religions. The author argues that social welfare originates from various religious traditions and that religion has been essential in motivating practitioners of social welfare. The author also points out that in Japan, the value of religion for social welfare is apt to be underestimated.
著者
秋山 智
出版者
広島国際大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本研究は、若年性神経難病患者の生活の質(QOL)の向上を目的としている。その指標として、個人の生活の質評価法-直接的重み付け法(SEIQoL-DW)を原則として年に一回ずつ50名に実施し、前年と比較して値の変動が大きいケースの原因を検討した。下降したケースと上昇したケースの主な原因を分析すると、共に"家族関係"の状況が値の変動に大きく影響していた。また、仕事や患者会等の"社会との接点"といった状況もQOLを上下させる重要なものであった。