著者
吉岡 哲志 竹内 健二 斎藤 正治 内藤 健晴 藤井 直子 片田 和廣
出版者
日本耳科学会
雑誌
Otology Japan (ISSN:09172025)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.111-117, 2003-05-31
参考文献数
20
被引用文献数
2

We demonstrated high-resolution multiplanner reformation (MPR) and 3-dimentional CT (3D-CT) imaging of Eustachian tube (ET) using a 1-mm, 8-row multislice CT scanner.<BR>CT scans were performed in 5 normal adult volunteers during quiet breathing and the Valsalva maneuver.<BR>Bony portion of ET was clearly detected on MPR, however cartilaginous portion of the ET was still elusive during quiet breathing scan.<BR>MPR and 3D-CT images during Valsalva maneuver improved visualization of cartilaginous portion of the ET and surrounding soft tissues including cartilage, muscle and fat.<BR>Imaging of the ET obtained by multislice CT during the Valsalva maneuver can propose further investigation for various middle ear disorders.
著者
岩田 重信 竹内 健司 岩田 義弘 戸田 均 大山 俊廣
出版者
The Japan Society of Logopedics and Phoniatrics
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.14-21, 1995-01-20
被引用文献数
10 1

われわれは声の強さの調節に関し, 声門下圧を経声門的に抽出し, PS-77発声機能検査装置とPI-100自動解析プログラムにより, 声の強さ, 高さ, 呼気流率, 声門下圧, 声門抵抗, 声門下パワー, 喉頭効率を求めた.対象は正常者9例 (男性4例, 女性5例) で, 楽な発声と胸声とファルセットにて, crescendo発声を行わせた.楽な発声条件では, 声門下圧, 声門抵抗, 喉頭効率の値は性差を認めず, 声門下パワーは女性に比し, 男性に高い値を示した.crescendo発声では, 胸声区は声の強さの増加に比し, 呼気流率はほとんど変化を認めないが, 声門下圧, 声門抵抗, 喉頭効率は直線的な比例関係を示し, ファルセットでは, 胸声の同じ強さで比較すると, 呼気流率, 声門下圧, 声門下パワーは増大しているが, 喉頭効率は著しく低下していた.
著者
牧野 悟 川出 和秀 竹内 健二 土井 岳人 西尾 伸也 山盛 淳子 勝守 寛
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.1987, no.25(1986-NL-060), pp.1-8, 1987-03-27

数年来エスペラントを仲介言語とする多種言語間の機械翻訳の可能性を検討してきたが,その一環として,LISPで書かれた,日本文からエスペラント文への翻訳プログラムについて報告する.これはN進木拡張LINGOLによって日本語を解析し,その結果から対応するエスペラント文を生成する機械翻訳システムである.エスペラントの文法構造は完全に規則的であり,語彙論的にあいまいさが少ないことなど,その特長を生かして比較的簡単で効率のよいエスペラント文の生成システムができることを説明する.コンピュータから出力したままの,後処理のしてない訳文例をいくつか示し,単純なシステムの割には良質の訳文が得られることを述べる.
著者
宮村 達男 宮村 逹男 (1990) 原田 志津子 竹内 健司 田中 幸江 湯浅 田鶴子 斎藤 泉 KUO George HOUGHTON Mike RUTTER William J.
出版者
国立予防衛生研究所
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1988

非A非B型肝炎の起因因子はそれまでの種々の状況証拠からウイルスであることが想定されていたが、通常のウイルス分離方法や、抗原抗体検出系に基づく方法でその因子を同定することができなかった。共同研究が開始された1982年から、感染したチンパンジ-の肝組織または、血漿からRNAを抽出し、そのcDNAをライブラリ-化して、非A非B型肝炎ウイルス遺伝子の断片を得ることを試みた。1988年に、カイロンのグル-プが、λ gtllを用いたイムノスクリ-ニングによりその発現産物が非A非B型肝炎患者の血清と特異的に反応するcDNA断片を得ることに成功した(Choo et al.Science 244,359ー362;文献1)。日本で全く独立にそれまでに収集、解析されていた輸血後非A非B肝炎の患者の血清中に病型に対応してこの抗体の産生が認められた。更にこの患者に実際に輸血された血液の供血者にもこの抗体が検出された(文献2及び4)。この抗体は日本の非B型の肝がん患者の実に60〜70%にも検出される(文献3)。カイロングル-プはgene walkingによりこのcDNAが長さ約9.5キロベ-スの一本鎖RNAをそのゲノムとしてもつ全く新しいRNAウイルスであることをつきとめ、これをC型肝炎ウイルス(HCV)と名付けた(Choo et al.1989,Science 244,359ー362;Choo et al.1991,Proc.Natl.Acad.Sci.in press)。一方予研側は、このカイロンとの共同研究から塩基配列の情報を得て、日本人の供血者からHCVのcDNA断片を直接PCR法によって増幅、クロ-ン化した(文献6、7、9、12)。つまり日本とアメリカとで、各々ヒトと実験的に感染させたチンパンジ-の血液からHCVcDNAを得ることができた。この2つのHCVのcDNAの塩基配列とアミノ酸の配列を比較、更に類似していることが以前から提唱されているフラビウイルスのそれと比較した。フラビウイルスとの類似性もさることながら、ウシ下痢症ウイルスなどペスティウイルスとの一部の相同性もみつかり、これら3種のウイルスが互いに類似しながら全く別のウイルスであることが明らかとなった。この間、カイロングル-プは、HCVの非構造遺伝子NS4の領域を酵母で発現させ、その発現産物を利用した特異抗体検出ELISAを作出した。この検査法の有用性を世界で最初に示したのがこの協同研究による日本での患者及び、供血者での血液検査であった。その結果1989年の11月、日本が世界に先駆けて、このHCV抗体アッセイを輸血のスクリ-ニングに用いることとなった。このHCV抗体アッセイ系はその後世界中で輸血用血液のスクリ-ニングに用いられるようになっているが、C型肝炎の診断には必ずしも適さない点があった。我々の初期の検討により抗体が陽転するまでに数カ月を要することが示されていたからである。日本でのクロ-ン化されたHCVの遺伝子構造を詳細に調べた。まず、ウイルスの構造蛋白をコ-ドする構造遺伝子をサルCOS細胞でSRαプロモ-タ-の統御下で組換え、更にバキュロウイルスを用いて昆虫細胞でヌクレオキャプシド(コア)蛋白を発現させることに成功した(文献14、15、16)。これらの蛋白に対する抗体が患者血清中に特異的に検出されることにより同定することができた。これにより遺伝子の機能を同定されたのみならず、この蛋白を用いたELISAが、C型肝炎の早期診断やより感度の高い輸血血液のスクリ-ニングにも応用可能であることが示された。現在世界各国の協同研究者とその有用性を検討している。このコア蛋白にひきつづきエンベロ-プ蛋白の発現実験にも成功した(論文準備中、Matsuura et al)。分子量約35キロダルトンの糖蛋白である。この蛋白及びその下流にあるNS1の領域の発現産物を用いて今後、ワクチンやγーグロブリン製剤の実用化を検討してゆきたい。
著者
竹内 健司 遠藤 守信
出版者
信州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究は、カーボンナノチューブ(CNT)の構造、CNTの均一分散技術および細孔共連続構造ポリマーであるポリマーモノリス技術を最適に融合することにより、軽量高強度樹脂複合材の技術基盤の構築を目的としている。目標を達成するために複合材に適したCNTの検討に加えてポリマーモノリス材の調製および構造解析について検討した。調製したポリマーモノリス/CNT複合材は、ポリマーソリッド材のような脆性破壊が起こらず、CNT未添加のポリマーモノリス材よりも高い初期応力、圧縮破断強度、柔軟性を有し、圧縮後も構造の割れや破断が見られないことを示した。
著者
楊箸 俊恵 楊箸 隆哉 寺澤 茜 小牧 静江 堀川 豊 洞 久美子 竹内 健太郎 翠川 洋子 相澤 孝夫
出版者
JAPAN SOCIETY OF NINGEN DOCK
雑誌
健康医学 (ISSN:09140328)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.25-29, 2001

疾病予防・健康増進を目的とした通信システムを構築し,希望で入会し1年間フォローした93名の検査値・運動量の変化を調べた。総コレステロール値,中性脂肪値,糖負荷試験に異常のあった者は各検査値の改善と運動量の増加が認められた。また各検査値が正常だった者は元来運動量が多いが,入会後もそれを維持できていた。医療従事者と年間何回か通信するこの継続個別指導システムは,健康改善に有効であることが確認された。
著者
竹内 健悟
出版者
弘前大学
雑誌
弘前大学大学院地域社会研究科年報 (ISSN:13498282)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.21-36, 2005
被引用文献数
2

岩木川下流部のヨシ原は、絶滅危惧種であるオオセッカをはじめとする野生鳥類の繁殖地であり、また地域の人によって古くからヨシ産業が行われてきた場所でもある。そのため、ヨシ原では毎年採取作業や火入れが行われている。このような攪乱は野生鳥類の繁殖を脅かすものとして危惧されているが、このヨシ原はオオセッカの繁殖地として約30年間持続してきた。そこで、この偶然成立していたといえる共存を計画的なものに転換することを目的に、オオセッカの繁殖とヨシ産業の実態、並びに両者の関わりを調査し、ヨシ原管理のあり方を検討した。調査は2002年から行い、オオセッカは多い年で300羽ほどの生息が推定された。オオセッカは、繁殖初期には非火入れ区に分布し、ヨシが生長するにつれて火入れ区にも拡がっていくこと、当初利用した非火入れ区は多くの個体によって利用され続ける傾向があることなどがわかった。また、先行研究と同じような植生の選択も確認され、植生・地形的要因と人為的要因によるオオセッカの繁殖への影響が明らかになった。中里町の岩木川沿いの地域では、武田堤防保護組合によるヨシ産業が行われている。ヨシ産業の場と形態は、岩木川河口部の治水・干拓事業によって大きな変化を遂げ、ヨシ採取の方法も集落総出の作業から業者委託へと転換していったこと、ヨシ原は今なおタイトな規範を有するコモンズとして受け継がれていることがわかった。以上から、今後ヨシ原管理をするにあたっては、自然科学的知見と社会システムの実態をふまえた保全と利用の調整、柔軟な管理を行える「順応的管理」が望ましいと考えられ、そのためのゾーニングモデルを作成した。