10 0 0 0 OA 低臭納豆の開発

著者
竹村 浩
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.99, no.11, pp.794-799, 2004-11-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
14

納豆の臭気成分として短鎖分岐脂肪酸が関与しているのではないかと考え, 関係酵素の遺伝子学研究の結果から, 臭気の少ない数株の組換え株が得られた。しかし, 現時点では組換え菌株の製晶化は禁止されている。そこで短鎖分岐脂肪酸生産酵素を生産しない株を, NTG変異株の中から分離し, 低臭納豆製造の企業化に成功した例を解説していただいた。
著者
竹村 浩 塩谷 順彦 小森 美加 陶 易王
出版者
Osaka Urban Living and Health Association
雑誌
生活衛生 (ISSN:05824176)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.11-18, 2009-01-30 (Released:2009-02-09)
参考文献数
12
被引用文献数
1

To evaluate the effects of natto fermented by Bacillus subtilis MC1 on defecation, fecal properties and fecal microflora, a crossover study was conducted in 44 healthy volunteers (female, 34.9±8.8 years old; mean±SD). The subjects were divided into two groups and given 40g natto (B.subtilis MC1 spores 2×1010cfu) and boiled soybeans (40g/day) for 14 days each. No effect of natto was found on the frequency of defecation, the volume of feces or fecal characteristics. The number of Bacillus bacteria was significantly increased after the natto administration period in comparison with the boiled soybean administration period (p<0.05), indicating that live B.subtilis MC1 spores reached the large intestine. On the other hand, the number of other bacteria showed no change in the natto administration period in comparison with the boiled soybean administration period.
著者
岡田 知己 土屋 浩二 竹村 浩之 脇田 満 藍 智彦 三澤 成毅 田部 陽子 三井田 孝
出版者
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
雑誌
医学検査 (ISSN:09158669)
巻号頁・発行日
vol.72, no.2, pp.243-247, 2023-04-25 (Released:2023-04-25)
参考文献数
24

等温核酸増幅法であるNicking Enzyme Amplification Reaction(NEAR)法を測定原理とする迅速SARS-CoV-2検査「ID NOW新型コロナウイルス2019」(ID NOW)の性能と臨床的有用性を検証した。2021年2月1日~8月25日の間に順天堂大学医学部附属順天堂医院(東京)を受診した救急外来患者および緊急手術患者673例を対象とした。同一症例から同日に採取した鼻咽頭ぬぐい液検体を用いてID NOWとreal time reverse transcription-PCR(PCR)法による核酸増幅検査を行い,PCR法を対照法として評価した。PCR法では陽性36,陰性637,ID NOWでは陽性35,陰性638であった。PCR法による陽性36例中,ID NOW陽性は31例であり,PCR法による陰性637例中,ID NOW陰性は633例で,完全一致率は98.7%であった。PCR法を対照法としたID NOWの陽性一致率は86.1%,特異度は99.4%であった。偽陽性を4例認められたが原因は特定できなかった。陽性結果に対する繰り返し検査,整備された検査環境,および臨床検査部門によって許可されたものによる検査によって偽陽性を最小化することができる。ID NOWは,これらの対策を遵守して検査することでポイント・オブ・ケア・テストとして最適な性能を提供できる。
著者
杉山 貢 山下 俊紀 松田 好雄 小林 衛 竹村 浩 土屋 周二
出版者
The Japan Society of Coloproctology
雑誌
日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.369-372,406, 1974 (Released:2009-06-05)
参考文献数
34
被引用文献数
6 1

平時比較的稀な会陰部の刺杭創(杙創)について,2例の自験例を中心に文献的考察を加えて述べる。症例1は8歳女児で校庭の植木の支柱による刺杭創であり,幸い直腸穿孔のみでことなきを得た.症例2は27歳男子で鉄製の椅子の脚による刺杭創で,膀胱・直腸瘻を形成した.刺杭創による腸管損傷について,本邦の報告例について検討すると,1927年に布目が報告して以来症例を加えると27例となり,好発年齢はほぼ外傷年齢である10代と20代に多く,性差は23:3と圧倒的に男性に多かつた.原因物体に関しては,竹による刺杭創が10例と目立った.損傷部位は直腸100%と膀胱88%と高率であり,手術時には特にこの両者への損傷の検索を怠ってはいけない.刺杭創に遭遇した場合には,受傷状況,程度をすばやく把握し,できる限り早期に対処し,むやみに保存療法により時を費すことはあってはならないと思う.
著者
松木 美貴 竹村 浩之 上野 剛 脇田 満 久野 豊 堀井 隆 田部 陽子 大坂 顯通
出版者
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
雑誌
医学検査 (ISSN:09158669)
巻号頁・発行日
vol.63, no.5, pp.586-589, 2014-09-25 (Released:2014-11-10)
参考文献数
7
被引用文献数
1

尿中ケトン体測定は,日常検査法としてニトロプルシドナトリウム反応を使用した試験紙が用いられているが,本反応では薬剤による偽陽性が多く報告されている.特に抗リウマチ薬であるブシラミンなどスルフヒドリル基(SH基)を有する薬剤と反応し,偽陽性を示すことが問題となる.「ウロペーパーα III‘栄研’改良ケトン体試験紙」(改良KET試験紙:栄研化学)は,SH基を含む薬剤による偽陽性反応の回避を目的として開発された尿試験紙である.本検討では,従来の「ウロペーパーα III‘栄研’ケトン体試験紙」(KET試験紙:栄研化学)との比較を行い,改良KET試験紙の臨床的有用性について検討した.改良KET試験紙とKET試験紙による尿中ケトン体検出結果の完全一致率は89.4%(261/292)で,不一致を示した検体31件(10.6%)中25件は,改良KET試験紙が陰性,KET試験紙が陽性を示した.この乖離検体の尿中ケトン体を酵素法で測定した結果,全検体が陰性であり,ブシラミン服用中の関節リウマチ患者の尿検体であった.改良KET試験紙は,従来法のKET試験紙で認められたブシラミンによる偽陽性反応を回避し,より正確なケトン体検出が可能であると考えられた.
著者
川本 勝 福島 恒男 久保 章 石黒 直樹 竹村 浩 土屋 周二
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.79, no.2, pp.193-198, 1982-02-05 (Released:2007-12-26)
参考文献数
18
被引用文献数
2

潰瘍性大腸炎症例31例の便中細菌および短鎖脂肪酸を検索した.本症例の便中総細菌数は健常人とくらべ減少していた.なかでも嫌気性菌数が減少し,好気性菌数の増加がみられた.短鎖脂肪酸濃度は健常人にくらべ減少し,便中細菌数と比例した.短鎖脂肪酸分画において揮発性短鎖脂肪酸濃度が低く非揮発性の乳酸濃度が高かつた.病変部位が拡がる程また緩解期より活動期で揮発性短鎖脂肪酸濃度は減少し,乳酸濃度は増加した.乳酸濃度に対する揮発性短鎖脂肪酸濃度比と排便回数との間に負の相関がみられた.便中細菌および短鎖脂肪酸が潰瘍性大腸炎の病態と深い関係があることが示唆された.
著者
竹村浩吉 著
出版者
三省堂
巻号頁・発行日
1944
著者
望月 能成 石原 伸一 山崎 安信 渡部 克也 森脇 義弘 坂本 和裕 南出 純二 須田 嵩 竹村 浩
出版者
The Japan Society of Coloproctology
雑誌
日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.98-102, 1998-02
被引用文献数
9 6

症例は67歳,男性,肛門部腫瘤と肛門出血を主訴に当院を受診された.肛門管癌と診断し,1995年9月11日経肛門的腫瘍摘出術を施行,術中所見で腫瘍の肛門側に白色に肥厚しだ粘膜が認あられ一部同時に切除した.病理組織学的所見では,腫瘍は高分化腺癌,mp,ly0,V0,ew(―)であった.同時に切除した肥厚した粘膜には腫瘍と連続してPaget細胞の上皮内進展を認めた.肛門周囲Paget病変を伴う肛門管癌と診断し1995年9月25日仙骨腹式直腸切断術を施行した.切除標本ではPaget病変は肉眼的皮膚病変を越え肛門管上皮内にほぼ全周性に認められ,一部肛門縁を越え肛門周囲皮膚に浸潤していた.術後経過は良好で,現在外来経過観察中である.Paget病変を伴う直腸肛門癌は非常に稀であり本邦報告18例を含め検討した.