著者
大垣 亮 大竹 源人 中根 聡子 小笹 由希子 菅野 陽介 村上 大記 谷川 聡 竹村 雅裕
出版者
一般社団法人 日本アスレティックトレーニング学会
雑誌
日本アスレティックトレーニング学会誌 (ISSN:24326623)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.123-132, 2020-04-30 (Released:2020-06-05)
参考文献数
30

本研究は,男子大学生ラグビー選手を対象に,肉離れの発生率,重症度,外傷負担,発生要因について分析することを目的とした.男子大学生ラグビー選手113名を対象に,2017年から2018年の2年間に発生した肉離れを記録した.肉離れの発生率は,練習時(0.66/1000 player hours)よりも試合時(13.38/1000 player hours)で有意に高かった.重症度は試合時と練習時で差はなかったが,外傷負担は試合時が282.5 (日/1000 player hours)で練習時の約15倍であった.肉離れの38.5%はランニングで発生したが,次いでラックが26.9%でコンタクトプレーでも発生していた.また,肉離れの既往歴を有する選手は発生リスクが4.5倍であった.若年層からの肉離れの予防と再発予防は,チームの競技時間損失の軽減に貢献すると考えられた.
著者
菅野 陽平 坂田 こずえ 中村 公亮 野口 秋雄 福田 のぞみ 鈴木 智宏 近藤 一成
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.113-123, 2017-06-25 (Released:2017-07-07)
参考文献数
15
被引用文献数
7

ツキヨタケは,シイタケやヒラタケ,ムキタケと誤認されやすい毒キノコの一種で,日本でのキノコによる食中毒の主要な原因キノコである.本研究では,ツキヨタケを迅速に判別する分子生物学的手法としてPCR-RFLPを用いた判別法を構築した.Sau96I, Bpu10I, SfcI, DrdI/HincIIの4組の制限酵素を用いたPCR-RFLPにより,有毒のツキヨタケと食用キノコのシイタケ,ムキタケ,ヒラタケを明確に判別することに成功した.また,加熱調理や消化によりDNAの一部が断片化した試料でも判別可能な200 bp程度の領域を対象としたShort PCR-RFLPも構築し,リアルタイムPCRによる確認試験法についても検討した.これらは,ツキヨタケが疑われる食中毒事例の原因究明に有効な検査法として有用と考えられた.
著者
近藤 一成 坂田 こずえ 加藤 怜子 菅野 陽平 武内 伸治 佐藤 正幸
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.60, no.5, pp.144-150, 2019-10-25 (Released:2020-01-17)
参考文献数
17
被引用文献数
1 3

日本国内で食中毒事例が多いクサウラベニタケと考えられてきたきのこは,3種類の近縁種から構成される.これら近縁種を特異的に感度よく検出できるリアルタイムPCR法を開発した.有毒と考えられるクサウラベニタケ近縁3種および食用のウラベニホテイシメジに特異的なプライマーおよびプローブ(FAM,VIC,Texas Red,Cy5標識)を用いて検討した.クサウラベニタケ近縁3種とウラベニホテイシメジITS全領域を有する標準プラスミドを用いた検討から,いずれの検出系も12.5コピーまで検出可能あり,目的以外の標的には反応しなかった.本法を用いて中毒事例から回収した検体を分析したところ,PCR-RFLP法では十分解析できない検体でも確実に種の同定検出が可能であることが分かった.食中毒の防止および中毒発生時の原因種特定に役立つと考えられる.また,北海道内におけるクサウラベニタケ近縁種は,本州のものとは異なりEntoloma eminensまたはEntoloma sp.であることを同時に明らかにした.
著者
高附 磨理 荒木 俊彦 菅野 陽 安本 篤史 森下 英理子 塩田 宏嗣
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.62, no.6, pp.487-491, 2022 (Released:2022-06-24)
参考文献数
13
被引用文献数
1

基礎疾患のない48歳男性.ChAdOx1 nCoV-19ワクチン1回目を接種した10日後より頭痛を自覚.血液検査で,血小板数の低下,Dダイマーの上昇を認め,DICも合併していた.頭部単純CTにて左頭頂部に微小出血,造影CTにて左横静脈洞,左S状静脈洞に静脈洞血栓を認めた.その後施行した頭部MRIにて,左頭頂部に静脈性出血性梗塞,くも膜下出血,全身造影CTにて門脈血栓症,腎梗塞の所見を認めた.新型コロナワクチン接種後の血小板減少症を伴う血栓症(thrombosis with thrombocytopenia syndrome,以下TTSと略記)と診断し,手引きに準じて治療を行い,自宅退院となった.本症例は,ChAdOx1 nCoV-19ワクチンに伴うTTSの国内1例目と考えられる.
著者
菅野 陽平 坂田 こずえ 中村 公亮 野口 秋雄 福田 のぞみ 鈴木 智宏 近藤 一成
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.113-123, 2017
被引用文献数
7

<p>ツキヨタケは,シイタケやヒラタケ,ムキタケと誤認されやすい毒キノコの一種で,日本でのキノコによる食中毒の主要な原因キノコである.本研究では,ツキヨタケを迅速に判別する分子生物学的手法としてPCR-RFLPを用いた判別法を構築した.Sau96I, Bpu10I, SfcI, DrdI/HincIIの4組の制限酵素を用いたPCR-RFLPにより,有毒のツキヨタケと食用キノコのシイタケ,ムキタケ,ヒラタケを明確に判別することに成功した.また,加熱調理や消化によりDNAの一部が断片化した試料でも判別可能な200 bp程度の領域を対象としたShort PCR-RFLPも構築し,リアルタイムPCRによる確認試験法についても検討した.これらは,ツキヨタケが疑われる食中毒事例の原因究明に有効な検査法として有用と考えられた.</p>
著者
近藤 一成 坂田 こずえ 加藤 怜子 菅野 陽平 武内 伸治 佐藤 正幸
出版者
[日本食品衛生学会]
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.60, no.5, pp.144-150, 2019
被引用文献数
3

<p>日本国内で食中毒事例が多いクサウラベニタケと考えられてきたきのこは,3種類の近縁種から構成される.これら近縁種を特異的に感度よく検出できるリアルタイムPCR法を開発した.有毒と考えられるクサウラベニタケ近縁3種および食用のウラベニホテイシメジに特異的なプライマーおよびプローブ(FAM,VIC,Texas Red,Cy5標識)を用いて検討した.クサウラベニタケ近縁3種とウラベニホテイシメジITS全領域を有する標準プラスミドを用いた検討から,いずれの検出系も12.5コピーまで検出可能あり,目的以外の標的には反応しなかった.本法を用いて中毒事例から回収した検体を分析したところ,PCR-RFLP法では十分解析できない検体でも確実に種の同定検出が可能であることが分かった.食中毒の防止および中毒発生時の原因種特定に役立つと考えられる.また,北海道内におけるクサウラベニタケ近縁種は,本州のものとは異なり<i>Entoloma eminens</i>または<i>Entoloma</i> sp.であることを同時に明らかにした.</p>
著者
原 善 菅野 陽太郎 崔 順愛 恒川 茂樹
出版者
学校法人 敬心学園 職業教育研究開発センター
雑誌
敬心・研究ジャーナル (ISSN:24326240)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.115-123, 2020 (Released:2020-07-15)
参考文献数
17

村上春樹が一見意外に見える児童文学からの影響を大きく受けていることを確かめるためには、彼自身の児童文学に対する発言を攫っていくことや、彼が多く為している絵本の翻訳が持つ意味を探ること、等の有効なアプローチがあるが、春樹の文学の大きな特徴の一つとされている直喩について考えることからも、彼における児童文学の影響の大きさを明らかにすることができるはずである。なぜなら直喩とは眼前の喩えられるもの(所喩)に、今ここにないもの(能喩)を重ねていくレトリックであるが、小説作品を中心にした彼の文学の全業績の中から、能喩部分に内外古今の児童文学作品が嵌めこまれている例を拾い上げていくことで、単に彼が多くの児童文学作品を読んできたという読書歴を炙り出すだけでなく、彼が自らの世界(所喩)を構築するにあたっていかに児童文学作品世界(能喩)をその下敷きに入れているかという間テクスト性に思いを及ぼすことができるはずだからである。
著者
菅野 陽子 五十嵐 裕子 丸谷 充子 大久保 秀子/ 船木 美佳 柴田 崇浩 スガノ ヨウコ イガラシ ユウコ マルヤ ミツコ /オオクボ ヒデコ フナキ ミカ シバタ タカヒロ Yoko Sugano Igarashi Yuko /Maruya Mitsuko /Okubo Hideko Funaki Mika /Shibata Takahiro
出版者
浦和大学・浦和大学短期大学部
雑誌
浦和論叢 (ISSN:0915132X)
巻号頁・発行日
no.51, pp.25-50, 2014-08

浦和大学こども学部内にある親子のひろば「ぽっけ」(以下「ぽっけ」と記す)を通じた学生教育への取り組みは2013年4月で7年目を迎えた。すでに「こども理解と観察」の授業や「ぽっけ」への自由参加、インターシップの実施などの継続的な積み上げがある。さらには、Nobody's Perfect(以下NP)講座や「My Own Time-おにいさんとおねえさんと遊べるタイム-」において保育体験を提供することが学生の学びにとって有効であり、親子にとってもともに成長する機会となっていることが先行研究にて明らかになった。 今回はこれらの実績を踏まえて、「ぽっけ」での取り組みの教育的意義の検討を深める。そのために他大学の学内広場の活用を調査し、そのうち2つの大学の学内施設訪問と運営担当教員へのインタビューを行ったが、本研究は主にそれらの報告をもとに、「ぽっけ」の活動を通じて、子どもの成長とともに学生と親の育ちをどのように期待できるかを論じる。 Efforts for student education through'Pokke'('Pokke' henceforth)which is a Drop in–center at the Child Department of Urawa University, reached their 7th year in April, 2013. There has already been continuous buildup such as'Understanding and observing children'classes, free participation in'Pokke' and implementation of internships. Furthermore, previous research showed that it was useful for students to have childcare experience in the Nobody's Perfect(NP henceforth)course and 'My Own Time – a time when children can play with older people', and that parents and children also had an opportunity to learn through these experiences. This time we will deepen our review of the educational significance of our'Pokke' efforts on the basis of these results. For this purpose, we investigated the use of Drop in–center at other universities, visited two of them, and interviewed staff running them. In this paper, we discuss what our students can expect in development of students, parents and children through'Pokke', mainly on the basis of the reports of this study.
著者
丸谷 充子 市川 美恵子 大久保 秀子 伊志嶺 美津子 櫃田 紋子 菅野 陽子 船木 美佳 五十嵐 裕子 柴田 崇浩 マルヤ ミツコ イチカワ ミエコ オオクボ ヒデコ イシミネ ミツコ ヒツダ アヤコ サガノ ヨウコ フナキ ミカ イガラシ ユウコ シバタ タカヒロ Mitsuko Maruya Mieko Ichikawa Hideko Okubo Mitsuko Ishimine Ayako Hitsuda Yoko Sugano Mika Funaki Yuko Igarashi Takahiro Shibata
出版者
浦和大学・浦和大学短期大学部
雑誌
浦和論叢 (ISSN:0915132X)
巻号頁・発行日
no.48, pp.63-82, 2013-02

こどもコミュニティセンターでは、親子のひろば「ぽっけ」の参加者である親子を対象に、学生による保育付きのプログラムを実施してきた。今回、新たに親子それぞれが並行してプログラムに参加する親子並行プログラムを実施した。親プログラムは、名称を「My Own Time~わたしの時間~」とし、参加者である母親にひとときの子どもと離れた自由時間を提供する内容とした。子どもプログラムは名称を「おにいさんおねえさんと遊べるタイム」とし、親から離れて1人で学生と一緒に遊ぶ内容とした。終了後のアンケートでは、親プログラムは気持ちがリフレッシュし、子どもへの気持ちを再確認できる機会となり、子どもはプログラムへの参加が社会的経験となり、親子で共に成長する機会となった等の感想が得られた。アンケートの内容、子どもプログラムの観察と学生への聞き取り、その後の親子の様子から、プログラムの内容について考察し、大学でプログラムを行うことの意義を検討する。At the Child Community Center, the programs for parents with childcare by college students have been held since it was found. This time new programs were conducted as parents and children could join separately in the different programs at the same time. The name of the programs for the parents was "My Own Time", designed for giving them two-hours free time away from their children. Another program for children was called "Playing with Big Brothers and Sisters" which was planned for enabling the children to play with college students in the drop-in"Pokke" as they were separated from their parents. According to the results of the questionnaires, parents gained a relaxation time and found an opportunity to rediscover how they love their children. Consequently, the programs have supported the growth of both parents and children. We will examine the meanings of these programs by analyzing the results of the questionnaires, observing the children' program, listening to the students voices, and investigating continually to the relationship between parents and children.