著者
伊藤 智也 藤本 忠博 千葉 則茂
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.86-95, 2004 (Released:2008-07-30)
参考文献数
21
被引用文献数
3 3

本論文では,柱状節理の形成過程のシミュレーションに基づく,岩場形状のモデリング手法を提案する.節理形状は岩場景観の視覚的特徴を与える重要な要因の一つであるが,これまで節理形状の形成に基づく岩場景観の生成技術に関する研究例は極めて少ない.本提案手法は,(1)初期溶岩形状に対する熱伝導シミュレーションによる温度分布の生成,(2)温度分布から収縮中心線の生成,(3)収縮中心線を母線としたボロノイ領域分割,および(4)風化シミュレーションのステップからなる.また,計算の効率化のために,(1)には低解像度のボクセル空間を,(2)-(4)には高解像度のボクセル空間を用いている.本手法では,さまざまな境界条件に応じた柱状節理形状が容易に生成可能である.
著者
中川 大介 藤本 忠博 村岡 一信 千葉 則茂
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.40-50, 2003 (Released:2008-07-30)
参考文献数
23

本論文では,建築等の完成イメージ図などに用いられるパース図を取り上げ,3次元幾何モデルから水彩パース図風画像を自動生成する手法について提案する.本手法は,水彩パース図の特徴である,輪郭が描画される,建物については彩色のはみ出しが無い,樹木などの建物以外の対象は簡略化されて描かれることが多い,淡い色彩が用いられることが多い,などの点を考慮したアルゴリズムの構成となっている.
著者
小田 泰行 藤本 忠博 村岡 一信 千葉 則茂
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.51-60, 2003 (Released:2008-07-30)
参考文献数
17

本論文では,粒子ベースの溶岩流のビジュアルシミュレーション法を提案する.本手法では,粘性流体と熱移動のシミュレーションを基本として,溶岩流の特徴である,流れが扇状に広がる,温度によって粘性率が変化し冷却によって固化する,温度によって色が変化し溶岩流表面にクラストと呼ばれる黒く固化した部分が生じる,クラストが崩壊し明るい溶岩流が流出する,などの現象の表現を可能としている.
著者
藤本 忠博 大野 義夫 村岡 一信 千葉 則茂
出版者
The Society for Art and Science
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.1, no.3, pp.134-146, 2002 (Released:2008-07-30)
参考文献数
20
被引用文献数
1 1

In this paper, we propose a framework of “fractal deformation” using displacement vectors based on “extended Iterated Shuffle Transformation (ext-IST)”. An ext-unit-IST is a one-to-one and onto mapping that is extended from a unit-IST, which we have proposed, and is basically defined on a code space. When the mapping is applied on a geometric space, a fractal-like repeated structure, which is referred to as “local resemblance in space/scale directions”, is constructed on the relationship between points on the domain and those on the range. By applying the mapping to displacement vectors given on a geometric shape, the shape can be deformed in the fractal-like repeated manner. This fractal deformation is easy to control by changing the displacement vectors intuitively. In addition, a continuous transition between a continuous deformation and a fractal deformation can be realized. We demonstrate how the fractal deformation technique produces attractive results by showing various examples.
著者
尹 新 藤本 忠博 村岡 一信 千葉 則茂
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.1, no.3, pp.108-110, 2002 (Released:2008-07-30)
参考文献数
7
被引用文献数
8 6

素材の経年変化はよく見られる自然現象であるため,金属の腐食や石の風化などの表現法の開発が活発に行われてきている.本論文では,木材の経年変化のビジュアルシミュレーション法について提案する.本文では,まず分枝を考慮した木材モデルの表現手法について述べ,次に木材の色および形状の経年変化を表現する手法について述べる.さらに,これらに基づくいくつかのシミュレーション例により手法の有効性を示し,最後に今後の課題について言及する.

1 0 0 0 OA 大学と哲学

著者
藤本 忠
出版者
北海道大学哲学会
雑誌
哲学 (ISSN:02872560)
巻号頁・発行日
vol.53, pp.61-79, 2019-01-04

The university has strong relationship with philosophy from the perspective of “Theory of science" ("Die Lehre von der Wissenschaft"). In this paper I investigate the history of Faculty of Philosophy considering the situation and reform which the Japanese universities are faced with. At that time, I take much notice of the history of (early) modern German university. Considering the expertise of I. Kant concerning the organization about university, we can understand the relationship between universities and political power at the time of Germany. In addition, we can see the influence of the ideal of the establishment of the Berlin University (Humboldt-Universität zu Berlin) on the Japanese universities and educations on philosophy or liberal arts.
著者
阿部 寿人 松山 克胤 藤本 忠博 千葉 則茂
雑誌
情報処理学会研究報告グラフィクスとCAD(CG)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.121(2004-CG-117), pp.67-72, 2004-11-26

Sosorbaram等は,DLA(Diffusion Limited Aggregation)モデルを拡張した電界を考慮した放電パターンの生成モデルを提案している.本論文では,この放電パターンの生成モデルにより生成された稲妻のパターンに適合する雷鳴を自動的に生成する手法を提案する.雷鳴は稲妻発生時の大気の急激な温度変化で起こる衝撃波である.本手法では,この雷鳴を,生成された稲妻パターンに沿って,それぞれの階段状先駆に,N波を基本として構成したサウンドテクスチャを音源として配置し,受聴点に到達する波形を合成することにより,近似的に生成している.
著者
阿部 寿人 松山 克胤 藤本 忠博 千葉 則茂
出版者
社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. CG,グラフィクスとCAD研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.117, pp.67-72, 2004-11-26
参考文献数
22
被引用文献数
2

Sosorbaram等は,DLA(Diffusion Limited Aggregation)モデルを拡張した電界を考慮した放電パターンの生成モデルを提案している.本論文では,この放電パターンの生成モデルにより生成された稲妻のパターンに適合する雷鳴を自動的に生成する手法を提案する.雷鳴は稲妻発生時の大気の急激な温度変化で起こる衝撃波である.本手法では,この雷鳴を,生成された稲妻パターンに沿って,それぞれの階段状先駆に,N波を基本として構成したサウンドテクスチャを音源として配置し,受聴点に到達する波形を合成することにより,近似的に生成している.
著者
許琪 藤本 忠博 村岡 一信 千葉 則茂
雑誌
情報処理学会研究報告グラフィクスとCAD(CG)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.15(2002-CG-110), pp.25-30, 2003-02-14

これまでのCGにおける陶芸の研究には,粘土のシミュレーション,練り込みの表現法,貫入(ひび割れ)の生成法,および釉薬の発色の表現法などがある.本研究では,釉薬の中においても,色彩のみならず,非常に興味深い結晶パターンを呈する結晶釉の表現法を試み,亜鉛結晶釉のビジュアルシミュレーション法を構築するための拡張DLAモデルを提案する.
著者
藤本 忠
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2003

カントの『純粋理性批判』における「超越論的論理学」を批判の論理学として把握するとともに、カント以前の論理思想、及び、18世紀のドイツ学校哲学の論理学、学校哲学の形而上学を射程に入れつつ、文献学的な解明を行なってきた。本年度は、ライプニッツ、マイヤー、ヘーゲルといったカントと関係のあるドイツ近世思想全般へ研究を広げ、また、現代の意味論や論理学、科学論との関係を探ることを研究の目的とした。ライプニッツはカント哲学に通じる論理学の内包的視点を構築しており、認識論的な概念枠組みを多く用意したことが理解できた。但し、ライプニッツにおいては、概念の結合法的要素が多分に含まれており、概念の外延的視点も無視できない。また、カントと比べて、統覚や意識といったタームが、より広い存在論的脈絡の中で使われており、カントとの単純な比較ができない場合もある。マイヤーは、カントの論理思想に直接影響を与えており、カントは、マイヤーが用意した体系論に従って、とりわけ『理性論綱要』に従って、『純粋理性批判』を作り上げていったことが、研究の成果として明確に理解できる。特に、カントが『純粋理性批判』の中で論じた「分析論」と「弁証論」との区別が、すでにマイヤーの『理性論綱要』の中に見られる。ヘーゲルの論理思想はカントやライプニッツなど、ドイツ近世の論理思想における論理と概念の内包思想を極限まで推し進めた論理思想であると推察できる。したがって、ヘーゲルの論理学を正しく評価するには、ライプニッツのモナドにおける意識や表象の階層理論やカントのカテゴリー論における意味論的な理解が必要不可欠である。以上、カントを中心とした近世ドイツの論理思想(ライプニッツ〜ヘーゲルの論理思想)にながれる思想的軸を考察し得た。
著者
藤本 忠明 京 正晴 宮内 由起夫 真山 滋志
出版者
Japanese Society for Plant Cell and Molecular Biology
雑誌
植物組織培養 (ISSN:02895773)
巻号頁・発行日
vol.7, no.3, pp.177-180, 1990 (Released:2010-04-30)
参考文献数
14
被引用文献数
1 2

マリーゴールド (Tagetes patula L.) で確立された組織培養系カルスのヘキサン抽出物中に高い殺線虫活性が検出された. 異なるホルモン条件下で誘導, 継代されたカルス系統間で, その殺線虫活性は大きく異なった. 最も高い活性は0.1ppmのNAAを含むMS寒天培地上で誘導, 継代された緑色カルスにおいて見られた. その殺線虫活性およびα-ターチオフェン含量は試験管内栽培された植物体の根においてみられるものに匹敵した. いくつかの異なる系統のカルスのヘキサン抽出物を, HPLC分析した結果, 殺線虫活性はおもにα-ターチオフェン含量に相関するものの, α-ターチオフェン以外の殺線虫物質の存在をも示唆した.
著者
中川 大介 山口 恵介 藤本 忠博 村岡 一信 千葉 則茂
出版者
一般社団法人 画像電子学会
雑誌
画像電子学会誌 (ISSN:02859831)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.350-361, 2001-07-25
被引用文献数
2 4

近年, コンピュータグラフィックスにおいて非写実的なレンダリング法の研究が盛んに行われている. 本論文では, 挿し絵やテクニカルイラストレーションなどに用いられているペン画を取り上げ, 与えられた濃淡画像からペン画調画像を生成する手法について提案する. ペン画の基本的な技法には, 線で表す線描法と, 点の集まりで表す点描法がある. 線や点のサイズが表示デバイスの解像度に依存していると, 低解像度のデバイス(モニタなど)では線や点が連結して模様が認識されるアーティファクトの発生がさけられない. 本手法では線描の画像生成に1/fノイズによる揺らぎを与えた平滑化直線と呼ぶ濃度分布を持つ直線を用い, 点描の画像生成に平滑化点と呼ぶ濃度分布を持つ点を用いることでアーティファクトの発生を低減させることできる.
著者
千葉 則茂 藤本 忠博
出版者
岩手大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

全方位投影型プロジェクションマッピングを支援するための以下のようなアルゴリズム開発を行った.(1)ポリゴン表面上に一様な6角形セル配置を求めるための点群の一様な分布を生成する運動シミュレーションアルゴリズム(2) 6角形セル空間で動作する典型的な2次元アニメーションアルゴリズムとして,波紋と魚群の遊泳シミュレーションアルゴリズム(3)実物体表面に一致する映像投映のためのカメラを使用しないプロジェクタの位置・姿勢推定と映像変形アルゴリズム