著者
東出 卓朗 浅井 謙輔 後藤 順哉 藤田 岳彦
出版者
一般社団法人 日本応用数理学会
雑誌
日本応用数理学会論文誌 (ISSN:24240982)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.194-225, 2020 (Released:2020-09-25)
参考文献数
22

概要. ペアトレーディングは異なる2 銘柄から生成される価格差が平均回帰性を有する場合に機能する投資戦略として知られている.我々は平均回帰性を有した複数の価格差に対して,初到達時間を用いた新たな分散投資の定式化を提示するとともに,効率的フロンティアの観点から定式化が妥当であることを確認した.また単独でペアトレーディングを講じるより本稿で得られるポートフォリオで投資した方が実務的な観点から好ましい示唆を得た.
著者
藤田 岳 上原 奈津美 山下 俊彦 西川 敦 河合 俊和 鈴木 寿 横井 純 柿木 章伸 丹生 健一
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会会報 (ISSN:24365793)
巻号頁・発行日
vol.126, no.3, pp.181-184, 2023-03-20 (Released:2023-04-01)
参考文献数
12

頭頸部外科領域にロボット手術が保険適応となり, 耳鼻咽喉科医にとってもロボット手術は身近な存在となってきた. しかし泌尿器・消化器領域で発展してきた手術ロボットを, そのまま耳や鼻の手術に応用することはまだ難しい. 私達は経外耳道的内視鏡下耳科手術 (Trans-canal Endoscopic Ear Surgery : TEES) を支援するロボットの研究・開発を複数の大学の工学部と共同で行っている. 手術ロボットの研究を通して, 自分たちの手術の特徴や問題点を改めて見直す機会が得られている. 本稿では, これまでの耳科手術用ロボットや内視鏡保持ロボットについて概略を述べ, 現在研究中の TEES 支援ロボットのコンセプトと試作機について述べる. また, 将来ロボット自身が自律的に手術を行うことを目標とした, ロボットの自律レベル向上に向けた研究についても紹介する.
著者
藤田 岳彦
出版者
日本評論社
雑誌
一橋論叢 (ISSN:00182818)
巻号頁・発行日
vol.116, no.5, pp.966-973, 1996-11

論文タイプ||研究ノート
著者
三浦 良造 藤田 岳彦
出版者
一般社団法人 日本応用数理学会
雑誌
日本応用数理学会年会予稿集 日本応用数理学会年会予稿集
巻号頁・発行日
pp.121, 2002-09-18 (Released:2003-03-18)

従来のバリアオプション(ワンタッチオプション)では、原資産があるバーにぶつかればすぐに「契約消滅驍烽A人工的金融操作で空売りをし、オプションライターが支払いを免れるような不正がある程度可能である。そこで、ストッピングタイムτを一つ固定し、τ以前を「安全領域」(そこでは、デリバティブは契約消失なし)、τ以降満期までを「警告領域」(契約消滅の可能性あり)とする。必ずしもストッピングタイムではないτより大きい値をとる確率変数σ=σ(τ)をとってきて、σ以降満期までを「ノックアウト領域Aデリバティブがそこにいれば、契約消滅とする。この新しい枠組みを用いればバリアオプションの設計は以前より Flexibleになると考えられる。このような枠組みにあるオプションを]戸っ子オプションA講演ではこの範疇にあるいろいろなオプションの例とその価格付けを紹介する。
著者
藤吉 康志 藤田 岳人 武田 喬男 小尻 利治 寶 馨 池田 繁樹
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.43, no.6, pp.391-408, 1996-06-30
参考文献数
20
被引用文献数
4

濃尾平野を対象地域として, 複雑山岳地形の風下での降雪分布を決定する要因について, 2台のドップラーレーダを用いて調べた。レーダは, 観測範囲が関ケ原を含む山間部と濃尾平野をカバーするように配置し, 1992年12月から1993年5月まで観測を行った。降雪が生じた9回のうち, 平野部で降雪が見られ, かつ風速・風向が数時間もの間ほとんど変化していない4例について, 平均的なレーダエコー及び水平風の3次元分布を作成し, 異なった風向・風速によってエコー及び気流分布がどのように変化するかを詳細に調べた。伊吹山地の風下の弱風域の範囲は, 風上の風向が北寄りになるほど風下に広がっていた。一方, 風向が西寄りになるほど関ケ原の出口付近での風向変化が下層及び上層共に顕著であり, かつ, 鈴鹿山脈の風上側と風下側での下層にみられる風速変化, 及び鈴鹿山脈の北側での風向変化が顕著であった。エコー域はわずかな風向変化で大きく異なり, 高度1。5〜2 kmの平均風向にほぼ平行に延びていた。エコー域の幅は, 風向に直角な方向の若狭湾の幅と極めて良く一致していた。山のすぐ風下の強エコー域の存在と, 山から離れた地点にエコー強度のピークを持つ幅の狭いバンド状のエコー域の存在が, 風向によらないエコー分布の共通の特徴であった。山岳風下域に存在する多降雪域の範囲を求める指標として, 伊吹山地上空の風速と落下速度 1 ms^<-1>を用いることは, 良い近似であることが確認された。しかし, 山頂上空には強風域が存在し, 降雪粒子の到達距離をより正確に見積るためには, この山頂上空の強風域の広がりを考慮する必要があることも分かった。複雑山岳地形の風下では, 風上の地形によって風向・風速が場所によって微妙に変化し, その結果上昇流が発生し過冷却雲が形成される。山から離れた地点に存在したバンド状降雪域は, この過冷却雲が山頂から流されてきた氷晶によって「種まき」された結果であることが示唆された。また, このバンド状降雪域は, 山脈風下の弱風 (後流) 域, 及び, 山脈と山脈の間の谷筋の強風 (噴流) 域の何れにも存在していた。
著者
香山 智佳子 後藤 友佳子 長谷川 信吾 藤田 岳 丹生 健一
出版者
Japan Otological Society
雑誌
Otology Japan (ISSN:09172025)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.39-44, 2008-03-21 (Released:2011-06-17)
参考文献数
20
被引用文献数
1

Gentian violet (Pyoktanin) is known to have a potent antibacterial activity against Gram-positive bacteria including methicillin-resistantStaphylococcus aureus (MRSA).From November 2000 to August 2006, we have treated 91 patients for intractable ear infected with MRSA by topical treatment with gentian violet. There were 99 infected ears: 44 chronic otitis media, 11 otitis media with effusion treated with tympanostomy tube, 10 repetitive suppurative otitis media, 10 otitis externa, 8 postoperative discharging mastoid cavity for cholesteatoma, 6 cholesteatoma, 4 eosinophilic otitis media, 3 acute otitis media, 3 myringitis. The pathogens detected in those ears during the treatment period were as follows: MRSA in 92 ears, MRSA andP. aeruginosa7 ears. Topical treatment with gentian violet was performed 7.5 times on average. In the 92 ears (92.9%), topical treatment was performed 5.4 times on average. Noteworthily, 23 ears required only one treatment and 16 ears required twice, and this fact was suggesting that frequent treatments were not necessary to control the pathogens sensitive to gentian violet. This high cure rate (92/99) of the ear infected with MRSA also suggested that this treatment was especially effective for the treatment of MRSA infected ears.
著者
すぎ本 重雄 藤田 岳久 阪口 哲男 武者小路 澄子 田畑 孝一
出版者
図書館情報大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1996

Netscape等のWWWブラウザが広く利用され、ディジタル図書館プロジェクトの多くもこれらを利用している。しかしながら、現在のWWWが提供する多言語環境は十分ではないため、非英語情報の流通は十分ではない。一方、図書館は多様な言語の情報を所蔵するため、最も基本的なサービスであるOPACでさえも多言語環境を必要とするため、現在のWWWをそのまま利用することは困難である。そのため、本研究では、多言語文書を読む機能を中心課題として以下の研究を進めた。1.多言語文書の検索と閲読(ブラウジング)のためのソフトウェアツールセットの開発2.利用者の環境に合わせて多言語文書の利用環境を構築するツールの開発本研究ではは多言語文書ブラウザ(MHTMLサーバおよびそのクライアント)を開発し、それを用いたゲートウェイサービスを行ない、サーバを数ヶ所のサイト(海外)に移植してきた。さらに、ゲートウェイサービス用に開発したソフトウェアを多言語文書の提供に利用できるよう拡張し、日仏英3ヶ国語で書いた日本昔話(10編)からなる多言語電子テキストコレクションの提供に適用した。このほか、本学のOPACデータをSGML化して作成した目録データベースの検索ユーザインタフェースにMHTMLを利用した海外利用者向けのOPACやMHTMLを利用した遠隔地からの日本語入力ソフトウェアの試作を行なった。研究成果については、国際会議、学術雑誌等に発表した。開発したソフトウエアは我々のWWWサイトを通じて公開し、自由にダウンロード・移植できるようにしている。また、昔話のコレクションに関して、コレクションの拡大のための協力者を募集した結果、何人かの応募があり、かつ応募者は国内だけではなく世界的に広がっている。