著者
藤田 晋吾
出版者
筑波大学哲学・思想学系
雑誌
哲学・思想論集 (ISSN:02867648)
巻号頁・発行日
no.27, pp.233-248, 2002-03-25

はじめに たんなるアナロジーの域を出ないが、マルクスの『資本論』に対するスラッファの『商品による商品の生産』の関係は、ホワイトヘッド=ラッセルの『数学原理』に対するウィトゲンシュタインの『論理哲学論婚』になぞらえることができる。 ...
著者
藤田 晋吾
出版者
流通経済大学
雑誌
流通經濟大學論集 (ISSN:03850854)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.1-17, 2008-07
著者
高橋 正記 服部 芳明 橘田 紘洋 藤田 晋輔 古川 惠子
出版者
鹿児島大学
雑誌
鹿兒島大學農學部學術報告 (ISSN:04530845)
巻号頁・発行日
vol.45, pp.89-96, 1995-03-31
被引用文献数
2

教員や児童・生徒の疲労自覚症状の訴え率は校舎構造や建築材料によって違いがあるかどうかを検討した.本論文では, 教員および児童・生徒の疲労自覚症状を調査し, 校舎構造別の訴え率を比較した.なお, 学校校舎は校舎構造によって木造校舎, 内装木質校舎, 典型的なRC造校舎の3種類に分類した.内装木質校舎とはRC造校舎でも教室の腰壁と床面が木質材料である校舎とし, それ以外のRC造校舎を典型的なRC造校舎と定義した.調査対象は九州地方おける小学校と中学校の教員および児童・生徒である.調査表は日本産業衛生学会・産業疲労研究会が提案した調査表を用いた.この調査表は30の疲労項目から成り, 10項目ごとにI群「ねむけとだるさ」, II群「注意集中の困難」, III群「局在した身体違和感」に分けられる.これらの疲労自覚症状について, 校舎構造別の訴え率を比較した結果, 以下のことがわかった.1.教員および児童・生徒の疲労自覚症状の訴え率はI群が最も高く, III群が最も低かった.訴え率の大小関係は「I>II>III」であった.児童・生徒の自覚疲労はねむけの症状が多かった.2.教員も児童・生徒もともに寝不足になるほど, 訴え率が高くなっていた.また, 小学5年生よりも中学2年生のほうが訴え率が高かった.3.木造校舎と典型的なRC造校舎の訴え率を比較した場合, 教員も児童・生徒もともに木造校舎の訴え率のほうが低かった.特に一般的症状と精神的症状に有意差が認められた(I群とII群, p<0.01).4.内装木質校舎と典型的なRC造校舎の訴え率を比較すると, 児童・生徒の場合, 内装木質校舎のほうが訴え率が低かった.しかし, 教員の場合は内装木質校舎のほうが典型的なRC造校舎よりも訴え率が高く, 児童・生徒の場合とは反対の傾向を示した.5.児童・生徒の場合は, 昨夜の睡眠時間に対する満足度が寝不足であったときに, 典型的なRC造校舎より木造校舎のほうが訴えが少なく, 有意差が認められた.教員の場合は, 昨夜の睡眠時間に対する満足度が「十分」であったときに校舎構造別の訴え率に有意差が認められた.すなわち, 典型的なRC造校舎より木造校舎のほうが訴えが少なく, また内装木質校舎より典型的なRC造校舎のほうが訴えが少なかった.
著者
藤田晋吾著
出版者
多賀出版
巻号頁・発行日
1991
著者
今井 知正 中村 秀吉 (1985) 丹治 信春 野家 啓一 村田 純一 大庭 健 藤田 晋吾 土屋 俊 長岡 亮介
出版者
千葉大学
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1985

われわれの研究課題は「現代科学哲学における実在論と反実在論」であったが, われわれは三年間の研究を通じ, 個別的な論点はともかく, この研究課題についての次のような全体的な概観を得ることができた.レーニンの『唯物論と経験批判論』を今世紀の実在論のひとつの出発点として取り上げることができる. 彼は「宇宙は人間が存在する前から存在していた」「人間は脳なしで思考することはできない」という二命題を不可疑とみて, 観念論に対する唯物論を擁護した. しかし, フレーゲとウィトゲンシュタインに端を発する論理的実証主義の言語論的展開は言語を哲学の中心に据えることによって, 〈物質-精神〉の枠組をたんなるひとつの哲学問題としての地位にまで引き下げたのである. 超越的実在を語ることも超越的観念を語ることもわれわれに理解可能な言語を越えることであるから, 従来の実在論と観念論の対立は無意味となった. だが, 論理実証主義の言語論的展開もまた不徹底をまぬかれなかった. そしてタメットが二値原理を基準にして実在論と反実在論を定式化したときにはじめて〈物質-精神〉の枠組自体が撤去され, それに代わって古典論理と直観主義論理の対立が実在論論争の全面に現われてきた. 彼は, われわれの言語の論理を二値原理の貫徹する古典論理であるとすることに疑問を提起し, 二値原理を保持する実在論は幻影ではないかと主張した. 要するに, 〈物質-精神〉の枠組が〈世界-言語〉の枠組に取って替わられたとき, 実在論は劣勢に回ったのである. ダメットの提起した論点はなお検討に値する点を多く含んでいるが, 一言でいってわれわれは, 実在論と反実在論の対立の根本問題が指示の理論における言語の役割と言語理解の問題にあると結論することができる. そしてこれはまたわれわれの研究の次の課題でもあるのである.
著者
服部 芳明 寺床 勝也 藤田 晋輔
出版者
鹿児島大學農學部
雑誌
鹿児島大学農学部学術報告 (ISSN:04530845)
巻号頁・発行日
no.50, pp.63-74, 2000-03

環境保全型農林水産業への転換が今日的意味において求められている。木材に関連する業者の環境配慮に関する動向をとらえるため, アンケート調査を行った。森林認証, 木材認証・ラベリングが木材および木材製品の環境保全型への転換において鍵となると思われたため, 本報では, これを中心にまとめた。アンケート調査は, 次の4業種を対象とした。(1)鹿児島県内の林家349名を対象に1998年12月に実施した。回答は92名から得た。回収率は26.4%であった。(2)鹿児島県下の製材業者と木材業者1,001者を対象に1999年2月に実施した。回答は209者から得た。回は20.9%であった。(3)鹿児島県内の工務店562社を対象に1999年3月に実施した。回答は114社から得た。回収率は20.3%であった。(4)鹿児島市内にある336事務所の建築設計士を対象にした。回答は35事務所から得た。回収率は10.4%であった。結果を要約すると以下の通りである。森林認証制度を知りたい(「詳しく知りたい」と「どちらかと言うと知りたい」の和)と答えたものは林家では88%にも達した。FSC(森林管理協議会)による森林認証制度に対する関心度をみると, 関心を持つものは, 林家では58%であった。さらに, FSCによる森林認証制度を「積極的に活用したい」と答えたものが10%, 「活用を検討したい」が53%に達した。このように林家の森林認証制度に対する関心はきわめて高かった。この関心の高さは, 製材業者と木材業者, 工務店, 建築設計士のいずれにおいても認められ, いずれの業種も50%以上が関心を示していた。木材認証・ラベリング制度に対する関心はさらに高く, 関心を持つとするものは, 林家では74%, 製材業者と木材業者では56%, 工務店では62%に及んだ。「日本においても木材認証・ラベリング制度への検討が必要か」という質問では, 林家では75%, 製材業者と木材業者では58%, 工務店では75%, 建築設計士では82%もの多数の者が, 検討が必要であると答えた。また, 「将来, 日本が「森林認証制度」を策定する際に, その認証基準として, 林家では, 「日本独自の基準を盛り込むことが大切だ」という回答が68%と多数派であったが, 一方, 建築設計士では「日本独自の基準を盛り込むこと」は37%, 「国際的な基準と調和とていることが大切だ」とする回答は57%で, 後者の割合が多かった。このことから, 生産者側と使用者側とは関心の持ち方が異なることが知れた。「将来, 認証された木材, 木材製品が諸外国から輸入されることになった時, 国産材が認証されていないと市場から閉め出されることがあると思いますか」という設問に対しては, 林家では41%が, 製材業者と木材業者では35%が, 工務店では42%が, 建築設計士では48%が「はい」と答えた。このように, 認証された木材は, その市場影響力が大きいと見られている。工務店に対して「木材認証・ラベリングのように, 建材に表示する環境ラベリングが必要か」と問うた結果, 75.2%が必要と答えた。木材に環境ラベリングが必要であるというよりはむしろ, 木材も含めた建材製品一般に対して環境ラベリングが必要であると考えているように受け止められた。