著者
西川 和夫
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.10, no.4, pp.35-40, 1986-12-20 (Released:2017-10-20)

多くの漢字がいくつかの要素文字から形成されている事実に注目して,課題文字に含まれる要素文字の熟知性が漢字の書字再生学習に与える効果を検証した.小学校5年生を対象に12画の未習漢字12文字について,機械的に手本文字を書写する条件,筆順に従って口唱し書写する条件,課題文字を熟知性の高い既習文字単位に分解して口唱し,書写する条件で書写再生させた.実験Iでは,各条件とも4試行ブロック連続試行した場合の学習効果を比較した.熟知情報を利用する単位口唱群の正確な再生文字数は他の2群より有意に多いことが確かめられた.実験IIでは,同じ課題文字について,第2試行ブロックと第3試行ブロックの間に1週間の延滞期間を挿入した.単位口唱群では他の2群とは異なり,延滞期間挿入による保持の低下が見られなかった.また事前の書字力の低い学習者にとっても,熟知性の高い単位口唱条件はより学習の容易な方法であることが確認された.
著者
才田 祐人 高島 一昭 山根 剛 西川 和男 西尾 達也 Hiroaki OKANO 山根 義久
出版者
動物臨床医学会
雑誌
動物臨床医学 (ISSN:13446991)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.125-130, 2011-12-31 (Released:2012-12-18)
参考文献数
10

プラズマクラスターイオン®(PCI)は,種々の細菌およびウイルスに対して有効性が認められている。しかしながら,臭気および動物飼育環境中の細菌に対する有効性に関しては不明であるため,実験ボックス内においてアンモニア付着臭に対するPCIの効果を検証し,さらにビーグル犬を用いて動物飼育環境におけるPCIのアンモニアおよび細菌に対する有効性を検討した。その結果,実験ボックス内においてPCI 25,000個/cm3ではPCI発生後から45分で発生前と比較して有意にアンモニア濃度の抑制を示した(p<0.01)。また,動物飼育環境におけるアンモニア濃度は,PCI発生後2週で発生前の50%以下に軽減され,その後も時間経過とともに減少がみられた。さらに,浮遊菌のコロニー数は,PCI発生後に軽減し,停止後には増加するという変化を示した。以上より,PCIは動物飼育環境中を衛生的に保つ上で有用であることが示唆された。
著者
西川 和廣
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.1994, no.501, pp.1-10, 1994-10-21 (Released:2010-08-24)
参考文献数
5
被引用文献数
7 8
著者
西川 和孝 Kazutaka Nishikawa
出版者
淑徳大学人文学部紀要委員会
雑誌
研究論集 (ISSN:21895791)
巻号頁・発行日
no.2, pp.43-54, 2017

本稿では、従来、等閑視されてきた中国のアヘン輸出の歴史的意義の解明を目指し、その基礎的作業として中国のアヘン生産と輸出の拠点として重要な役割を果たした雲南に焦点を当て、清朝末期における東南アジアに繋がるアヘン交易の実態に迫る。そこで、雲南におけるアヘンの輸出ルートである、東南アジアに直結する①紅河沿いルート②思茅ルート③騰越ルートと、外省を経由する④広西省龍州ルート⑤広東省北海ルートについて各々の経路と輸出量の検討分析を行い、以下の点を指摘する。即ち、まず、仏領インドシナとのアヘン取引の解禁に伴い、輸出ルートは、外省経由から紅河沿いルートに収斂されていったこと。次に人口が密集するトンキン・アンナンを中心に、低価格を武器にインド産アヘンとの市場競争を有利に進め、急速に普及したこと。そして、最後に、こうしたアヘンの輸出量増加は、雲南の輸入をも下支えすることとなり、結果的に世界経済との結びつきを深化させていった点である。
著者
西川 和夫
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌
巻号頁・発行日
vol.10, no.4, pp.35-40, 1986

多くの漢字がいくつかの要素文字から形成されている事実に注目して,課題文字に含まれる要素文字の熟知性が漢字の書字再生学習に与える効果を検証した.小学校5年生を対象に12画の未習漢字12文字について,機械的に手本文字を書写する条件,筆順に従って口唱し書写する条件,課題文字を熟知性の高い既習文字単位に分解して口唱し,書写する条件で書写再生させた.実験Iでは,各条件とも4試行ブロック連続試行した場合の学習効果を比較した.熟知情報を利用する単位口唱群の正確な再生文字数は他の2群より有意に多いことが確かめられた.実験IIでは,同じ課題文字について,第2試行ブロックと第3試行ブロックの間に1週間の延滞期間を挿入した.単位口唱群では他の2群とは異なり,延滞期間挿入による保持の低下が見られなかった.また事前の書字力の低い学習者にとっても,熟知性の高い単位口唱条件はより学習の容易な方法であることが確認された.
著者
山本 和義 西川 和宏 平尾 素宏 福田 泰也 中山 環 永妻 佑季子 谷川 清 前田 栄 原口 直紹 三宅 正和 濱 直樹 宮本 敦史 大宮 英泰 池田 正孝 高見 康二 中森 正二 関本 貢嗣
出版者
日本外科代謝栄養学会
雑誌
外科と代謝・栄養 (ISSN:03895564)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.35-41, 2015 (Released:2015-05-08)
参考文献数
22
被引用文献数
1 2

胃癌患者は高齢者や低栄養症例も多いため,術前からサルコペニアの有病率が高いことが予想される.2012年7月~2014年2月の期間で当科にて行った65歳以上の胃癌手術症例69例中38例(55.1%)にサルコペニアを認めた.サルコペニア群で有意に摂取エネルギー量が少なく(25.6 vs. 29.9kcal/(IBW)kg, p=0.0060),摂取タンパク質量が少なかった(0.95 vs. 1.12g/(IBW)kg, p=0.0041).Clavien-Dindo分類Grade Ⅲ a 以上の重篤な合併症発生率はサルコペニア群で有意に高かった(23.7 vs. 6.5%, p=0.043).サルコペニア有りは重篤な合併症発生に関する独立した危険因子であった(OR 5.86, 95%CI 1.06? 51.65, p=0.042).サルコペニア合併高齢胃癌手術症例に対し,適切な栄養介入が重篤な合併症を回避するうえで有用であると考える.
著者
渡邉 浩一郎 白尾 国昭 波多野 豊 大津 智 森永 亮太郎 平島 詳典 久松 靖史 西川 和男 河野 桜
出版者
大分大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

2012年10月1日UMINへ「上皮成長因子受容体(EGFR)阻害薬の耐性獲得に対して制御性T細胞が及ぼす影響」(受付番号:R000010551)として登録を行った。皮膚及び血液検体の免疫組織学的検索の解析から、EGFR阻害薬投与後の皮疹の出現に伴い、制御性T細胞マーカーであるFOXP3およびCTLA-4陽性細胞の真皮への浸潤が経時的に増加していることを確認した。皮膚のmRNAレベルでも制御性T細胞のマーカーであるCTLA-4の発現が亢進していることが証明された。同時に測定した炎症性サイトカインや炎症抑制サイトカインは個体差が大きく一定した傾向をみることができなかった。