著者
藤岡 穣 古谷 優子 森實 久美子 鈴木 雅子 三田 覚之 山口 隆介
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

日本の仏教美術に関する研究は、従来、絵画や彫刻といったジャンル別の研究が主流であった。本研究は、それに対して、異なるジャンル間の相互の影響関係、ジャンルによる表現の異同の様相などを明らかにしながら、ジャンルの枠を超えた総合的な研究を目指すものである。こうした研究は、短期間のうちに容易に達成されるものではなく、本研究ではまさにその端緒に着いたばかりであるが、今後も引き続きジャンルごとの研究成果の共有化をはかり、より総合的な研究を目指していきたい。
著者
大江 夏子 田原 誠 山下 裕樹 丸谷 優 蔵之内 利和
出版者
日本育種学会
雑誌
育種学研究 (ISSN:13447629)
巻号頁・発行日
vol.6, no.4, pp.169-177, 2004-12-01
参考文献数
25
被引用文献数
6 3

蒸切干し用に開発されるサツマイモ新品種の不正使用や海外流出に対抗する手段を確立するため,加工品である蒸切干し製品から,その原料となった品種を,DNAの多型を基に高精度に判定する技術を開発することとした.転移因子であるレトロトランスポゾンは,植物のゲノムに多数の複製配列が散在している.サツマイモのレトロトランスポゾンRtsp-1のゲノム挿入部位を,葉から抽出したDNAを用い,蒸切干し用新品種候補を含む12品種についてS-SAP(Sequence-Specific Amplification Polymorphism)法により分析した結果,多数の複製配列の挿入と挿入部位の品種間の多型が検出された。品種間で違いが見られたRtsp-1挿入部位の塩基配列を調べ,挿入を受けた宿主側の配列とRtsp-1の末端反復配列間のPCRによって,それぞれの品種について様々な挿入部位における挿入の有無を調べた.その結果,最少5ヵ所の挿入部位のPCRにより,上記12品種の区別が可能であった.蒸切干しイモのDNAは,イオン交換樹脂カラムを用いて抽出することができたが,加工による断片化が進んでいた.断片化した蒸切干しイモのDNAを鋳型にしたPCRにおいても,明瞭な結果が得られ,原料品種の識別が可能であった.染色体の特定部位におけるレトロトランスポゾン挿入の品種間多型をPCRにより判定し品種識別を行う方法は,DNAが断片化した加工品の分析に適する,再現性が高く操作が容易,マーカー数の確保が容易などの利点があり,高次倍数性の作物や加工品などにおける優れた品種識別マーカーとなる.
著者
深谷 優子
出版者
東北大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究では,日本の文化・社会に特有の省略や直接表現を避けた言語表現の代表として俳句を取りあげ,俳句理解に関連する個人特性測定のための尺度として,読書経験・読書態度尺度を開発した。また,ピアレビュー(共同推敲)の教授技法を用いたところ,主に俳句理解の質的側面が支援可能であること,またその前提として,自分で予想したり考えたりするなどの思索専念傾向の態度を保障するような環境づくりが重要であることが明らかとなり,俳句理解の支援のための実践的な方策の示唆を得た。