著者
鳥羽 聡史 石井 寛 山形 英司 泥谷 純子 門田 淳一
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.62, no.8, pp.980-985, 2013-08-30 (Released:2017-02-10)

胸痛をともなう難治性喘息に対して非侵襲的陽圧換気(noninvasive positive pressure ventilation; NPPV)を使用し,改善を認めた2例を経験した.2例はいずれも女性で,治療ステップ4でも喘息コントロールに乏しく,胸痛によるQOL低下もきたしていた.外来で30分程度のNPPVを試行したところ症状の改善を認めたため,間欠的な在宅NPPVを導入した.NPPVは3〜5カ月間使用したが,いずれの症例も喘息コントロールの改善とともに胸痛も消失したため,NPPVを離脱した.呼吸機能については,肺活量や一秒量の変化は認めなかったものの,末梢気道狭窄の指標となるV^^・50やV^^・25が改善した.胸痛をともなう難治性喘息では,非薬物療法であるNPPVが末梢気道の気流制限を改善することで,QOL向上の一助になる可能性が示唆された.
著者
森本 弘一 島原 宏文 谷 純子 辻 靖子
出版者
奈良教育大学
雑誌
奈良教育大学紀要. 人文・社会科学 (ISSN:05472393)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.91-102, 1997-11-10

Recently, there is a problem that insurance companies reject applications of genetic disease carriers in the USA. It is said that the educational content in a primary school should contain genetic content as there is a genetic teaching material in the USA. It is "You, Me, & Others' In the future, we predict that these situations will happen in Japan. So, we have developed genetic teaching material as worksheets for elementary schools. In order to examine the potency, of developed worksheets, we taught the students in an elementary school attached to Nara University of Education using these worksheets. The titles of the worksheets used in this practice are "Similarity and Difference between us" and "Continuity of Life". The response of children was good. From this result, we confirm that these worksheets are useful for elementary school eduation. We hope that many elementary schools will use the genetic teaching material which we developed.
著者
岩堀 修一 菅谷 純子 小塩 海平 坂本 知昭
出版者
東京農業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

マンゴー果実をエチレン吸着袋で貯蔵すると、貯蔵期間が延長され、袋内の果実は呼吸、エチレン発生ともに抑えられた。果実を20Cと13Cで貯蔵すると、ACC合成酵素、ACC酸化酵素ともにまず遺伝子の発現が上昇し、ついで、酵素活性が増加、その後にエチレン発生が増加した。8C貯蔵で低温障害が認められ、完熟果より緑熟果のほうが早く出現した。緑熟果ではACC合成酵素、ACC酸化酵素ともに遺伝子の発現が著しく高くなった。
著者
近藤 悟 平井 伸博 菅谷 純子
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

リンゴ樹を供試し、光量条件が花芽形成に及ぼす影響を検討した。リンゴの花芽形成に関連する遺伝子として、幼若性に関連するMdTFL1および花形成に関連するMdFT1の発現について検討した。MdTFL1の発現は光量制限下で高くなった。この結果は、リンゴの花芽形成に及ぼす光量制限の影響はMdTFL1との関わりが強いことを示唆する。ブドウ樹を供試し、夜間における青色光あるいは赤色光LEDの照射が果実のアブシシン酸(ABA)代謝およびアントシアニン合成に及ぼす影響を検討した。夜間の赤色LED照射は内生ABA濃度に影響するが、必ずしもアントシアニン濃度とは一致しないこと、青色LED照射は内生ABAに及ぼす影響は大きくないものの、mybA1などアントシアニン合成に関連する遺伝子に影響することが示唆された。
著者
細谷 純子
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.77-82, 1956
被引用文献数
1 8

チヤドクガEuproctis pseudoconspersaの飼育中に観察された, 2, 3の興味ある性質について報ずる.1)本種は自然界では年2回の発生であるが, 恒温下(22〜25℃)では越冬に入らせしめず, 世代を繰返させる事が出来た.2)卵は直径0.6〜0.7mm.卵期間は20〜22日であつた.3)幼虫は6〜7(時に8, 9, 10)齢を経過し, 幼虫期間は平均46.0日であつた.4)前蛹期間は約2日, 蛹期間は18〜23日であつた.営繭, 羽化時期とも, 雄の方が2〜3日早かつた.5)成虫の寿命は5〜7日で, 交尾は羽化後約24時間以内, 産卵は早いもので2日目に行われた.産卵数は1卵塊120粒前後であつた.6)1齢幼虫にはそれ自身毒針毛を生じない.2齢では腹部第1, 2環節亜背線部に, 終齢の前齢には更に第8腹環節亜背線部に, 終齢では第1〜8腹環節の亜背線, 気門上線部に毒針毛叢生部が生じる.毒針毛長は, 0.03〜0.207mmで, 齢期が進むにつれ長さを増す傾向がみられた.7)終齢幼虫の毒針毛は, 繭の内側に環帯となつて附着して(特に雌で顕著), 成虫は羽化に際して尾端房毛に附着させて脱出する.8)幼虫には顕著な群集性がみられる.集団的に飼育された場合, その1群中の個体数にやゝ比例的に幼虫期間と脱皮回数が短縮された.この場合, 最終齢幼虫の頭幅は雌雄によつては差がみられたが, 1群中の個体数によつては影響を受けない様に思われた.
著者
菅谷 純子 弦間 洋 瀬古澤 由彦
出版者
筑波大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2002

本年度は、果実発育および成熟時の内生ABA量とその代謝産物であるファゼイン酸(PA)およびジヒドロファゼイン酸(DPA)の定量を行い、ABA生合成遺伝子である9-cis-epoxycarotenoid dioxygenase(NCED)遺伝子、PpNCED1とPpNCED2について、その果実と樹体における発現特性について詳細に検討し、果実発育、成熟時のABAの機能について解析した。その結果、前年度も確認された内生ABA量の果実成熟時における増加とそれに続く減少は、ABAの代謝、すなわちABA→PA→DPAという速やかな変化により制御され、それによりABAの一過的な上昇が認められることが強く示唆された。また、PAは果実発育の初期に多く、その後減少することが示された。さらに、定量PCRによりNCED遺伝子の発現解析を行った結果、ABAの上昇はPpNCED1遺伝子の発現上昇を伴って起こることが示された。その上昇は、エチレン生合成酵素遺伝子の前に認められ、果実の成熟開始の初期にPpNCED1遺伝子が関わる可能性が示された。また、PpNCED1遺伝子の樹体における発現量を比較したところ、PpNCED2は茎で発現量が高いのに対して、PpNCED1遺伝子は茎頂や葉での発現に比較して成熟果実における発現が著しく高いことが明らかになった。ABAの生合成は乾燥ストレスにより誘導されることが知られているため、葉に乾燥ストレスを与えた際のPpNCED1遺伝子の発現量を調べた結果、約50倍の著しい発現上昇が認められ、本遺伝子が乾燥ストレス誘導性の遺伝子であることが明らかになった。また、プロモーター領域をクローニングした結果、複数の重要なシス因子の存在が示された。これらの研究により、果実におけるABAの生合成の制御様式について遺伝子レベルの制御機構が存在することが示され、成熟シグナルとの関与が示唆されたと考えられた。
著者
三輪 匡男 菅谷 純子
出版者
静岡県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

高脂肪食摂食等による栄養状態や糖尿病等の病態時に薬物代謝能が変化し、薬物(代謝物)による酸化ストレスの原因となり薬物副作用が惹起されることを提唱してきた。高カロリー食摂餌で亢進する血清TGレベル、肝TGおよび総コレステロール含量、門脈血グルコースレベル、転写因子SREBP1cやFatty acid synthase mRNAレベルが酵素合成イヌリン摂取により抑制され、肝臓に運搬される糖レベルの低下が抗肥満効果に結びついたと推察された。さらに高脂肪・高糖質食摂餌ラット肝臓における核内CAR、PPARαの発現亢進がUGT1A1、UGT1A6の発現を誘導し、薬物動態に影響をおよぼすことを見いだした。