著者
野口 将人 志村 哲 坪井 邦明 松島 俊明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.88, no.5, pp.954-962, 2005-05-01
被引用文献数
1

音楽情報処理システムは, 対象を西洋音楽に限れば, 五線譜に基づく自動読取りやその他の入力方式・装置が数多く開発・製品化されており, 特にデスクトップミュージックと呼ばれるソフトウェアの普及により, 作曲・演奏, 楽譜の作成・印刷などが効率的に行えるようになった.しかし, 日本の伝統音楽をはじめ諸民族の音楽の多くは, 五線譜とは表現方法の異なる各楽器特有の記譜法が用いられており, それらに対応できるシステムが必要である.ところが, これまでこの研究・開発例は少ない.このような状況を改善するために, 尺八楽譜の情報処理システムに関する研究を行った.本システムは, 手書きによる入力編集機能, 伝統音楽に特有な様々な流派の異なる楽譜間の相互変換機能, 演奏方法の表示を伴った発音機能等, 尺八楽譜情報の処理に有用な様々な機能を備えたマルチメディアシステムとなっている.また, 本研究においては, 計算機処理を可能とするために, 尺八楽譜のデータ表現方式を新たに考案した.本システムにより尺八楽譜作成の効率が向上するばかりでなく, 西洋楽器との合奏用楽譜作成支援ツールや, 初心者の尺八の独習用ツールとしての有効性も期待できる.
著者
野口 将人 田島 ゆう子 松島 俊明 坪井 邦明 志村 哲
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.100, pp.53-58, 2002-10-25
被引用文献数
1

本研究は、日本独特の楽器である尺八の楽譜(尺八譜)をコンピュータで処理するための研究であり、現在Windows上で動作する対話式の楽譜入力システムを開発している.昨年度、筆者らは本システムを「尺八くん2001」として発表を行い、さらに試用希望者への配布を行った.その結果得られた意見を元に、システムの評価と改善を行った.また、標準MIDIファイルの歌詞部に譜字名を記録する手付け補助、ユーザーが指定した演奏時間に合わせて楽譜がスクロールする自動譜めくりなどの新機能を追加し、更に高機能なシステムとなったので報告する.The authors have been developing Shakuhachi tablature information processing system. Last year, we released the system as "Shakuhachi-Kun 2001", and distributed it to whom interested in our system. We evaluated the received comments, and improved the system based on them. In addition, we added several functions to the system, such as addition Fuji name in the lyric part of SMF, automatic page turning of score during playing, and so on. As a result, we have been abele to provide the higher quality system for Shakuhachi tablature production and publication.
著者
野口 将彦
出版者
メディカル・サイエンス・インターナショナル
雑誌
Hospitalist (ISSN:21880409)
巻号頁・発行日
vol.6, no.4, pp.843-850, 2018-12-01

心不全の背景疾患はさまざまである。しかし,壁運動異常を伴う心不全患者を診た場合,原因として虚血性心疾患の可能性を常に考えなければならない。虚血性心疾患は何らかの冠動脈病変を起因とし,急性・慢性的に心筋虚血を起こす疾患であり,心不全の重要な原因疾患の1つである。 本稿では実際に当院で経験した症例を提示しながら,虚血性心筋症とは何か,心不全と診断した場合,常に虚血性心疾患をスクリーニングする必要があるのか,虚血性心疾患を合併していた場合,常に血行再建が必要か,その方法はどうしたらいいのか,などについて考えてみたい。急性冠症候群に伴う心不全については,別稿*1を参照されたい。
著者
野口 将人 田島 ゆう子 松島 俊明 坪井 邦明 志村 哲
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.82, pp.15-20, 2001-08-04
被引用文献数
3

筆者らは尺八譜の情報処理システムの研究を行ってきた.今までに様々な機能拡張や仕様変更を行ってきたため、動作が不完全な機能、他の機能との整合性が取れなくなった機能、使用不能となった機能等の不都合も生じてきた.尺八譜のための標準データ形式 COMSO の譜字コードが新たに改定されたこと、都山流、琴古流、竹保流の3つの主な流派に対応可能となったことに伴い、今回、システム全体にわたって機能の再調整と強化を行った.特に譜字の入力・編集機能、印刷機能、標準MIDIファイルでのデータ互換機能の強化を行い、新しい「尺八くん」として一応の完成を見たので報告する.The authors have been developing Shakuhachi tablature information processing system. During the development, a lot of functions have been added and some specification changes have been mede to the system. As the result, some functions have been incomplete, unavailable, or inconsistent with the other functions. In order to solve these problems, we have modified and upgraded the system based on new COMSO, and we obtain the perspective that the system will be applicable for Shakuhachi tablature production and publication.