- 著者
-
垣内 優芳
森 明子
松本 恵実
金 明秀
- 出版者
- 一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
- 雑誌
- 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
- 巻号頁・発行日
- vol.27, no.3, pp.318-322, 2018-11-05 (Released:2018-11-30)
- 参考文献数
- 25
【目的】頭頸部複合屈曲位の状態で誤嚥の回避や気道内分泌物の喀出(喀痰)のために咳嗽が生じた場合,頸部屈曲位と比較して咳嗽が効果的に行えるのか不明である.本研究の目的は,頭頸部複合屈曲位と頸部屈曲位において随意的咳嗽力を比較検討することである.【対象と方法】対象は健常成人男性21名であった.測定肢位は,リクライニング座位45°とした.測定条件は,頭頸部複合屈曲位と頸部屈曲位の2条件とし,それぞれにおいて咳嗽時最大呼気流量,胸郭拡張差,最大吸気圧,最大呼気圧の測定を行った.【結果】咳嗽時最大呼気流量,胸郭拡張差,最大呼気圧は,頸部屈曲位よりも複合屈曲位において有意に低い値を示した.また,複合屈曲位において咳嗽時最大呼気流量は最大吸気圧,最大呼気圧と関連を認めた.【結論】リクライニング座位時における頭頸部複合屈曲位は,頸部屈曲位と比較して随意的な咳嗽力において不利に働くことが示唆された.