著者
金子 一史
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
性格心理学研究 (ISSN:13453629)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.12-22, 1999-09-30 (Released:2017-07-24)
被引用文献数
1

本研究では,一般青年に見られる被害妄想的心性を検討するため,被害妄想的心性を測定する尺度を新たに作成した.被験者は85名の大学生と176名の専門学校生(男子70名,女子190名,不明1名)であった.被害妄想的心性,他者意識,および自己意識からなる質問紙に回答を求めた.被害妄想的心性尺度の因子分析を行った結果,自己関連づけと猜疑心の2因子が抽出された.重回帰分析の結果では,猜疑心は私的自己意識との関連が示されたのに対し,自己関連づけは他者意識および公的自己意識との関連が示された.これらの結果から,被害妄想的心性は自己関連づけと猜疑心の質的に異なる2側面からとらえられることが示された.また,自己関連づけについては,他者に対する関心のあらわれであることが示唆された.
著者
本城 秀次 金子 一史
出版者
名古屋大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

1812名の中学生に対してネット利用状況の質問・日本語版インターネット中毒テスト・Strength and Difficulties Questionnaire(SDQ)を行った。その結果,中学生の半分以上が1週間に1回以上ネットを利用していることが分かり,中学生においてもネット文化が浸透していることが示唆された。また,女子中学生にネット依存傾向が強いことも示された。
著者
金子 一史
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
性格心理学研究 (ISSN:13453629)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.12-22, 1999
被引用文献数
1

本研究では,一般青年に見られる被害妄想的心性を検討するため,被害妄想的心性を測定する尺度を新たに作成した.被験者は85名の大学生と176名の専門学校生(男子70名,女子190名,不明1名)であった.被害妄想的心性,他者意識,および自己意識からなる質問紙に回答を求めた.被害妄想的心性尺度の因子分析を行った結果,自己関連づけと猜疑心の2因子が抽出された.重回帰分析の結果では,猜疑心は私的自己意識との関連が示されたのに対し,自己関連づけは他者意識および公的自己意識との関連が示された.これらの結果から,被害妄想的心性は自己関連づけと猜疑心の質的に異なる2側面からとらえられることが示された.また,自己関連づけについては,他者に対する関心のあらわれであることが示唆された.
著者
金子 一史 本城 秀次 高村 咲子
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.2-13, 2003 (Released:2004-02-27)
参考文献数
38
被引用文献数
1 1

本研究の目的は, 一般青年に見られる被害妄想的観念を自己関係づけとしてとらえて, 対人恐怖心性, 抑うつ, 登校拒否傾向との関連を検討することであった. 被調査者は高校生487名(男子257名, 女子225名, 不明5名)であった. 自己関係づけ尺度, 対人恐怖心性尺度, 抑うつ尺度 (Children’s Depression Inventory: CDI), 登校回避感情尺度, 登校拒否関連性格尺度からなる質問紙に回答を求めた. その結果, 一般高校生において妄想的観念は高頻度で体験されていることが明らかになった. 自己関係づけは, 対人恐怖心性および抑うつ感情と正の相関があった. 考察では, 自己関係づけと対人恐怖心性との概念の異同について検討した.
著者
鈴木 太 本城 秀次 金子 一史 吉川 徹 栗山 貴久子
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010-04-01

自傷は青年期における自殺既遂を最も強く予測する因子の一つであり、近年の研究では、青年期の単極性うつ病において、非自殺性自傷の既往が自殺企図を予測することも示されている。本研究では、心的外傷が自傷を引き起こすという仮説を背景として、非自殺性自傷を伴う女児を対象として、眼球運動による脱感作と再処理法(EMDR)と対人関係療法(IPT-A)の比較が試みられた。研究期間の短さ、登録された症例数の少なさのために、当初の目的であったIPT-AとEMDRの有効性について比較することは困難であったが、EMDRが3例、IPT-Aが13例に対して施行され、外傷後ストレス障害の症状と社会的機能の変化が追跡された。
著者
金子 一史
出版者
名古屋大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

3ヵ月児健診において,産後抑うつと母親から乳児に対する愛着に関する調査を行った.その結果, 抑うつと愛着には,中程度の関連が認められた.高得点者となった母親に対しては、その場で問診を行った.問診の結果支援が必要と判断された場合は、経過をフォローした.また、ケース処遇会議を毎月開催した.通常の乳幼児健診における産後うつ病への介入システムを考案し,愛知県内の自治体にて実際に実施した.これらにより,地域住民の健康増進に貢献することができた.