著者
原 尚志 熊谷 りさ 佐々木 絢奈 法井 美空 鈴木 太朗
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.6-11, 2018-03-09 (Released:2018-04-03)
参考文献数
10

福島第一原子力発電所事故による放射能汚染は,既に予想よりも大分小さいことが明らかになっているが,事故から6年半経過した現在でも十分に知られてはいない。福島高校スーパーサイエンス部は,2014年に福島県内外で高校生個人線量調査を実施し,福島県内高校生の個人線量は自然放射線量とほぼ同等であることを報告した。今回は2016年の調査結果と,外れ値の分析について報告する。
著者
武井 明 鈴木 太郎 土井 朋代 土井 準 富岡 健 廣田 亜佳音 泉 将吾 目良 和彦
出版者
一般社団法人 日本児童青年精神医学会
雑誌
児童青年精神医学とその近接領域 (ISSN:02890968)
巻号頁・発行日
vol.58, no.5, pp.742-756, 2017-11-01 (Released:2019-08-21)
参考文献数
27

高機能の自閉症スペクトラム障害(ASD)患者が成人後に示す就労状況については十分検討されていない。そこで,今回われわれは,児童青年期から経過観察できた高機能のASD患者が示す成人後の就労状況を明らかにするための調査を行った。対象は18歳以下で当科を初診した高機能のASD患者のうちで,成人後も通院を継続している56例(男性21例,女性35例)である。調査時の平均年齢は24.1歳で,経過観察期間は平均9.3年であった。DSM-IV-TRによる診断では自閉性障害8例(14.3%),アスペルガー障害19例(33.9%),特定不能の広汎性発達障害が29例(51.8%)であった。最終学歴は高校卒業以上が39例(69.6%)を占めていた。併存症状は初診時に56例全てに認められ,最も多かったのは不登校で48例(85.7%)であった。一方,成人後の併存症状は32例(57.1%)に認められ,最も多かったのはひきこもりで15例(26.8%)であった。成人後の就労状況では,就労している者が15例(26.8%)(正規雇用は5.4%),就労支援事業所などに通所している者が17例(30.4%),無職者が24例(42.8%)であった。また,就労している者では併存症状を有している者が有意に少なかった。以上の結果から,成人後まで通院を継続しているASD患者では,知能が高くても正規雇用され自立した生活を送ることのできる者はきわめて少ないことが明らかになった。また,併存症状の有無が転帰に影響を与える可能性が示唆された。したがって,通院を継続している高機能のASD患者に対しては,青年期以降も切れ間のない継続した支援が成人期まで必要であると考えられた。
著者
横川 宗雄 吉村 裕之 金田 丞亮 鈴木 太郎 高相 豊太郎 吉田 貞利 門馬 良吉 酒井 章 寺畑 嘉朔 田崎 喜昭
出版者
千葉大学
雑誌
千葉医学会雑誌 (ISSN:00093459)
巻号頁・発行日
vol.38, no.6, pp.516-522, 1963-03-28

The first case ; Male, 26 years old, employee. Shimizu city, Shizuoka prefecture. Chief complaints : stomachache, nausea, anorexia and slight fever since a few years ago. The general condition was rather good. The results of examinations of both urine and blood were almost normal. No helminth ova were found, but occult blood was positive in the fecal examination. Gastrectomy was carried out under the diagnosis of gastric ulcer. A cherry-sized and localized tumor was found at Pylorus of the stomach. Eosinophilic abscess surrounded with eosinophilic granulation in submucosa of the stomach, and two or three transverse sections of the parasite in the center of this abscess were observed histophathologically. The worm sections were examined morphologically. From the morphological characters of the cuticular spines, intestine and the other organs of this parasite, it was identified as the larva of 4-5 mm in length of Gnathostoma spinigerum Owen, 1836. The second case ; Male, 31 years old, employee. Kanazawa city, Ishikawa prefecture. The occult blood of gastric juice and feees were strong positive, but the results of examinetions of urine and pepipheral blood were normal and no helminth ova were found in feces. Gastrectomy was carried out under the diagnosis of gastric ulcer, like as the first case. A grapesized tumor was found in the ventral site of the greater curvature of the stomach. Histopathological finding was eosinophilic granulation with two transverse sections of the worm. Morphological observations of the cuticule, oesophagus, lateral lines, intestine on the transverse sections of the worm were carried out, and the worm was identified as the immature worm of 30〜35 mm in length of Ascaris lumbricoides.
著者
吉村 幸雄 井藤 英喜 吉村 英悟 鎌田 智英実 奥村 亮太 秦野 佑紀 鈴木 太朗 堀江 寿美 高谷 浩司 大見 英明
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.51-64, 2018-01-25 (Released:2018-03-05)
参考文献数
21
被引用文献数
1

目的:移動販売車利用者の栄養素摂取量および食品摂取量を,店舗利用者のそれらと比較した.さらに,移動販売車利用者の中で買い物回数の違いおよび買い物手段が移動販売車以外にもある場合と無い場合の栄養素摂取量および食品摂取量についても比較した.これらの検討から,移動販売車利用者の栄養摂取状況の問題点を明らかにする.方法:買い物に移動販売車または店舗を利用した65歳以上の女性高齢者257名を対象に24時間思い出し法による食事調査および食料品アクセスに関するアンケート調査を実施した.栄養素摂取量および食品摂取量の比較は,年齢を共変量とした共分散分析により行った.結果:移動販売車利用者の栄養素および食品摂取量は,店舗利用者と比較して,エネルギー摂取量が168 kcal有意に低く,また3大栄養素および種々のビタミン,ミネラル類が有意に低値であった.食品摂取量では,移動販売車利用者は緑黄色野菜,その他の野菜,肉類等が有意に低値であった.次に移動販売車利用者について解析を行った.移動販売車のみを買い物手段とする者は,移動販売車以外に買い物手段を持つ者より,エネルギー,3大栄養素およびその他の栄養素が有意に低値であった.さらに,移動販売車のみの利用者で買い物回数と栄養素摂取量および食品摂取量を比較したところ,1週間の買い物回数が1回の者は,2回の者よりもエネルギー,たんぱく質等の摂取量が有意に少なかった.結論:移動販売車利用者では,3大栄養素や種々のミネラル,ビタミン摂取量が低値であり,食品としては野菜,肉類,乳類等の摂取量が少なかった.これらの事実は,移動販売車利用者では,食事量そのものが不足気味であることを示唆している.その一因として,移動販売車以外の他の買い物手段がないことや買い物回数が週に1回であることが考えられ,これらの改善が望まれる.
著者
松木 秀明 中村 勤 河村 研一 鈴木 太郎
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.55, no.11, pp.1409-1420, 2006
参考文献数
24
被引用文献数
4

【目的】布団につくダニアレルゲン対策として作製された防ダニふとんのアレルゲン低減効果を調査するため,ヤケヒョウヒダニアレルゲン(Der p.1)およびコナヒョウヒダニのアレルゲン(Der f.1)測定および血中の特異的IgE抗体の測定を行った.【方法】防ダニふとんは超高密度織物(まどろみ)を側生地に用いた布団およびフェノール系高分子薬剤処理を施こした超高密度織物を側生地に用いた布団(まどろみ+アレルバスター)を用いた.被験者を一般的な羊毛布団,まどろみ布団,まどろみ+アレルバスター布団試用群の3群に分類し,11カ月使用させた.【結果】ダニ抗原量(Der p.1+f.1)では11カ月の防ダニふとん使用でまどろみふとん試用群は,羊毛布団試用群の1/3.8,まどろみ+アレルバスター布団試用群では1/42.0のアレルゲン量であった.またヤケヒョウヒダニ,コナヒョウヒダニおよびハウスダスト1対する特異的IgE抗体の陽性率は46.7%から6.7%に低減した.【結論】以上の結果から,防ダニふとんは羊毛布団に比べ,ダニアレルゲンの低減効果があることが示唆された.
著者
松木 秀明 中村 勤 河村 研一 鈴木 太郎
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.55, no.11, pp.1409-1420, 2006-11-30 (Released:2017-02-10)
参考文献数
24

【目的】布団につくダニアレルゲン対策として作製された防ダニふとんのアレルゲン低減効果を調査するため,ヤケヒョウヒダニアレルゲン(Der p.1)およびコナヒョウヒダニのアレルゲン(Der f.1)測定および血中の特異的IgE抗体の測定を行った.【方法】防ダニふとんは超高密度織物(まどろみ)を側生地に用いた布団およびフェノール系高分子薬剤処理を施こした超高密度織物を側生地に用いた布団(まどろみ+アレルバスター)を用いた.被験者を一般的な羊毛布団,まどろみ布団,まどろみ+アレルバスター布団試用群の3群に分類し,11カ月使用させた.【結果】ダニ抗原量(Der p.1+f.1)では11カ月の防ダニふとん使用でまどろみふとん試用群は,羊毛布団試用群の1/3.8,まどろみ+アレルバスター布団試用群では1/42.0のアレルゲン量であった.またヤケヒョウヒダニ,コナヒョウヒダニおよびハウスダスト1対する特異的IgE抗体の陽性率は46.7%から6.7%に低減した.【結論】以上の結果から,防ダニふとんは羊毛布団に比べ,ダニアレルゲンの低減効果があることが示唆された.
著者
鈴木 太郎 北村 光教 天野 嘉春 橋詰 匠
出版者
公益社団法人 計測自動制御学会
雑誌
計測自動制御学会論文集 (ISSN:04534654)
巻号頁・発行日
vol.48, no.7, pp.399-405, 2012 (Released:2012-08-16)
参考文献数
15

This paper describes a GNSS (Global Navigation Satellite System) precise point positioning (PPP) technique that can be applied to mobile robots in urban environments. The multipath signals, which from invisible satellites in urban area, cause serious effect on the GNSS positioning. Our proposed technique mitigates GNSS multipath signals by means of an omnidirectional infrared (IR) camera that can eliminate the need for invisible satellites by using IR images. With an IR camera, the sky appears distinctively dark. This facilitates the detection of the borderline between the sky and the surrounding buildings, which are captured in white, because of the difference in the atmospheric transmittance rates between visible light and IR rays. Positioning evaluation was carried out only with visible satellites that have less multipath errors. The evaluation results confirm the effectiveness of the proposed technique and the feasibility of its highly accurate positioning.
著者
鈴木 太 本城 秀次 金子 一史 吉川 徹 栗山 貴久子
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010-04-01

自傷は青年期における自殺既遂を最も強く予測する因子の一つであり、近年の研究では、青年期の単極性うつ病において、非自殺性自傷の既往が自殺企図を予測することも示されている。本研究では、心的外傷が自傷を引き起こすという仮説を背景として、非自殺性自傷を伴う女児を対象として、眼球運動による脱感作と再処理法(EMDR)と対人関係療法(IPT-A)の比較が試みられた。研究期間の短さ、登録された症例数の少なさのために、当初の目的であったIPT-AとEMDRの有効性について比較することは困難であったが、EMDRが3例、IPT-Aが13例に対して施行され、外傷後ストレス障害の症状と社会的機能の変化が追跡された。