著者
金子 博和 江畑 智希 横山 幸浩 伊神 剛 山口 淳平 梛野 正人
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.77, no.8, pp.2048-2052, 2016 (Released:2017-02-28)
参考文献数
10

症例は65歳,男性.肝S6の限局性肝内胆管拡張を認め当院紹介.ERCPではB6の限局性胆管狭窄と末梢の胆管拡張を認めたが,CTでは腫瘤像を認めなかった.ENBDをB6に留置し,6回胆汁細胞診を提出したがいずれも悪性所見を認めなかった.PET-CTでも異常集積を認めなかったため,炎症性胆管狭窄と考え経過観察となった.その後,徐々にCA19-9が上昇し,腹部CTで肝S5/6の腫瘤性病変が顕在化してきたため,初回受診時から11カ月後,肝後区域切除を施行した.病理組織学的所見は中分化管状腺癌であった.肝内胆管拡張のフォローアップの重要性を改めて認識した1例を経験したので報告する.
著者
内山 俊郎 山口 雅浩 大山 永昭 武川 直樹 金子 博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.204, pp.23-30, 2001-07-11

マルチスペクトル画像を対象とした新しい類似画像検索方法を提案する。画像検索技術は、画像特徴の表現方法とその表現に基づいた類似度(あるいは距離)定義から成る。特徴表現については、精度と効率性が重要である。ここでは、画像全体の色(正確には、マルチスペクトル信号)の分布に着目する。従来のヒストグラムインターセクション(以下HI)法はマルチスペクトル画像に適用する場合、次元数の増加のために、十分な特徴表現ができないという問題が生じる。特徴表現の精度を向上させるためには、各画像毎で適応的に特徴表現をすることが必要である。しかし、HI法では共通のビンを用いる必要があり、適応的な特徴表現は難しい。本論文では、ベクトル量子化に基づいた各画像毎に適応的な特徴表現方法を導入し、それに基づく検索方法を提案する。実験により有効性を示す。
著者
佐々木 翔 林 孝雄 金子 博行 佐々木 梢 臼井 千惠
出版者
公益社団法人 日本視能訓練士協会
雑誌
日本視能訓練士協会誌 (ISSN:03875172)
巻号頁・発行日
vol.44, pp.51-56, 2015 (Released:2016-03-19)
参考文献数
8

【目的】斜視手術中に測定が可能な新しい回旋偏位測定装置「Cyclophorometer」を開発し、麻痺性斜視に対して術中に回旋偏位を測定した。斜視手術中に回旋偏位の測定を行う意義、および術後の経過について検討したので報告する。【対象・方法】回旋複視を自覚する斜視患者7例(男性3例、女性4例、平均年齢57.6歳)を対象とした。斜視の内訳は片眼上斜筋麻痺3例、片眼上直筋麻痺1例、片眼動眼神経麻痺1例、球後麻酔後の眼球運動障害1例、原因不明1例であった。各症例に対し、斜視手術前、術中、術終了時、術後10日目、術後3か月目に本装置を用いた回旋偏位の測定を実施した。【結果】斜視手術前の眼位は全例が外方回旋(Ex8°~Ex18°)を示し、平均Ex10.9°±3.8°であった。手術は局所麻酔下で術中に残余回旋斜視角を確認しながら行い、7例中3例において術中の回旋偏位測定結果を元に術量を変更した。手術終了時の回旋偏位は平均Ex1.3°±2.0°で、手術後10日目の回旋偏位は平均Ex2.7°±2.4°、手術後3か月後では平均Ex3.1°±2.3°であった。手術前は全例で複視を認めたが、術直後と術後10日目では全例が消失し、術後3か月でも7例中6例が複視消失の状態を維持した。【結論】本装置を用いて斜視手術中に回旋偏位の測定を行うことで、その場で術式の変更や追加の判断をすることが容易となった。本装置の術中利用は、手術回数を最小限にとどめ、術後の良好な眼位を保つために有効であると思われた。
著者
佐々木 庸子 荒木 正大 目澤 優 Zhitao Wang 金子 博寿 小方 頼昌
出版者
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.176-184, 2008 (Released:2008-11-17)
参考文献数
39

低出力レーザーに細胞や組織の修復促進効果があることが知られている。CO2レーザーは, 治療用レーザーと言うよりもむしろ外科用レーザーであるが, 低エネルギー密度で照射することにより, 何らかの生物学的効果が得られると考えられる。骨シアロタンパク質(BSP)は, アパタイト結晶形成能を有し, 石灰化結合組織特異的に発現する非コラーゲン性タンパク質である。本研究では, 低出力のCO2レーザー照射がBSPの転写に与える影響を, 骨芽細胞様細胞であるUMR106細胞を使用して検索した。UMR106細胞をCO2レーザー(3 W, 20sec)で刺激すると, 12時間後にBSP mRNA量の増加が認められた。ラットBSP遺伝子プロモーター配列を挿入したルシフェラーゼコンストラクトを使用したルシフェラーゼアッセイの結果, 同エネルギーのCO2レーザー刺激により, 12時間後にpLUC4(-425∼+60)の転写活性が増加した。CO2レーザー照射による, pLUC4ルシフェラーゼコンストラクトの転写の上昇は, FGF2応答配列とHOX配列に2塩基対の変異を導入すると抑制された。ゲルシフトアッセイの結果, CO2レーザー照射後に経時的に抽出した核内タンパク質と, 逆方向のCCAAT配列との結合に変化は認められなかったが, 3'-FREとHOX配列と核内タンパク質との結合は, 経時的に減少した。以上の結果から, CO2レーザー照射による骨芽細胞でのBSPの転写調節は, ラットBSPプロモーターに存在するFREとHOX配列を介すると考えられた。
著者
秋山 優子 大熊 志保 平石 剛宏 金子 博行 林 孝雄 溝田 淳
出版者
公益社団法人 日本視能訓練士協会
雑誌
日本視能訓練士協会誌 (ISSN:03875172)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.119-122, 2012 (Released:2013-03-15)
参考文献数
10

片眼視力障害者の視力不良性外斜視に対し、手術を施行することはよく行われるが、両眼の失明者に対して手術が施行された症例の報告は、我々が調べ得た限りではみられなかった。今回両眼失明者の外斜視(外転偏位眼)に対して手術を行い、患者の精神的なQOL(quality of life)が向上した1例を経験したので報告する。 症例は61歳男性。ベーチェット病による続発性緑内障にて両眼失明。左眼は失明後に有痛性眼球癆となり、眼球摘出後に義眼を装着している。今回、残存している右眼が徐々に外転位に偏位し始め、他人からの指摘が気になったため、本人の強い希望にて眼位矯正手術を施行した。術後眼位は良好となり、患者本人の精神的な負担がなくなりQOLの向上に繋がった。 結論として失明眼による外転偏位眼に対しても、本人の希望があれば患者のQOL向上のため、今回のような手術を行うことは有用であると思われた。
著者
秋山 優子 大熊 志保 平石 剛宏 金子 博行 林 孝雄 溝田 淳
出版者
JAPANESE ASSOCIATION OF CERTIFIED ORTHOPTISTS
雑誌
日本視能訓練士協会誌 (ISSN:03875172)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.119-122, 2012

片眼視力障害者の視力不良性外斜視に対し、手術を施行することはよく行われるが、両眼の失明者に対して手術が施行された症例の報告は、我々が調べ得た限りではみられなかった。今回両眼失明者の外斜視(外転偏位眼)に対して手術を行い、患者の精神的なQOL(quality of life)が向上した1例を経験したので報告する。<BR> 症例は61歳男性。ベーチェット病による続発性緑内障にて両眼失明。左眼は失明後に有痛性眼球癆となり、眼球摘出後に義眼を装着している。今回、残存している右眼が徐々に外転位に偏位し始め、他人からの指摘が気になったため、本人の強い希望にて眼位矯正手術を施行した。術後眼位は良好となり、患者本人の精神的な負担がなくなりQOLの向上に繋がった。<BR> 結論として失明眼による外転偏位眼に対しても、本人の希望があれば患者のQOL向上のため、今回のような手術を行うことは有用であると思われた。
著者
阿部 賢一 金子 博治 藤原 基文
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
建設マネジメント研究論文集 (ISSN:18848311)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.23-34, 1995

後進国の人々が職を、より良い収入を、より良い生活を求め、国境を超えての移動が増加している。我が国の外国人労働者の大半が不法就労者である。我が国の入国管理制度の内容と外国人労働者の実情を検討した。不法就労者の存在は、劣悪な労働条件、安い賃金・労働災害および疾病の多発など深刻な社会問題を引き起こしている。日本人労働者との差別、基本的人権問題もある。彼らの存在は、我が国の産業構造の転換の障害ともなり、社会底辺層の増大による安心社会の基盤崩壊にもつながる。外国人労働者問題の解決は極めて難しい。欧米の事例はそれを示している。現行の入国管理制度には種々の問題点があるが、現時点では単純外国人労働者の導入を阻止すべきである。一方、外国人実習制度は建設業界においても好評であり、国際協力の観点から、これを充実・促進し、技術移転を進めるべきである。しかし、人手不足の対応のみに利用されないように監視が必要である。