著者
金田 智子
出版者
公益社団法人 日本語教育学会
雑誌
日本語教育 (ISSN:03894037)
巻号頁・発行日
vol.148, pp.13-27, 2011 (Released:2017-02-17)
参考文献数
16

「生活のための日本語」を身に付けることは,就労や結婚を目的に来日した人,つまり生活自体が滞在目的である人にとって,日本社会で十全な生活を営んでいくために必要不可欠である。この前提に立てば,生活のための日本語能力を測定するテストは,ライフステージに応じた日本語学習の指針となり,動機付けをもたらすものとして,また,日本語能力を適切に説明するものとして機能する必要がある。しかし,現行の公的テストは,留学やビジネスなどを目的とした学習者を対象としたものであり,生活のための日本語能力を測定しうるものではない。オランダの市民統合テストは大規模テストでありながら,パフォーマンス評価によって運用能力を測定し,ポートフォリオ評価によって,実生活でのオランダ語使用を評価の対象とすると同時に,社会の中でオランダ語を用いることの促進をねらっている。市民統合テストの方法やシステムから,生活を目的とする外国人の日本語能力を測定することの可能性と課題を考える。
著者
庵 功雄 イ ヨンスク 松下 達彦 森 篤嗣 川村 よし子 山本 和英 志村 ゆかり 早川 杏子 志賀 玲子 建石 始 中石 ゆうこ 宇佐美 洋 金田 智子 柳田 直美 三上 喜貴 湯川 高志 岩田 一成 松田 真希子
出版者
一橋大学
巻号頁・発行日
2013-04-01 (Released:2013-05-15)

平成27年度は、専属のプログラマーを9月末まで雇用し、横浜市との協働事業である公的文書書き換え支援システム、および、公的文書例文検索システムの開発を続けた。その過程で、「やさしい日本語」への書き換えの内容をチェックする「やさ日チェッカー」やその他、本事業に関連する言語ツールを開発した。JSL(日本語を母語としない)児童・生徒に対する言語教育(本研究において「バイパスとしての「やさしい日本語」」と称する活動)に関しては、教材開発の基盤となる文法シラバスについて、初級および中上級にわたり、包括的な新しいシラバスを作成し、論文として公刊した。それを踏まえ、横浜市教育委員会との協働のもと、横浜市内の中学校に日本語指導補助員として人員を派遣し、教材の試用を行い、本研究課題において作成する予定の教材のうち、第一段階(ステップ1)に当たる教材の試行版を完成した。漢字語研究については、中国語を母語とする大学院博士課程(日本語教育専攻)の学生3名を作業者として、日本語と中国語の漢語の語義の重なりとずれに関するデータベース作成に着手した。これは、本研究課題の射程をこれまでの非漢字圏話者だけでなく漢字圏話者にも拡張するための基礎研究である。ろう児に対する日本語教育に関しては、ろう児が聴児と同様、ごく早い時期から深層格を理解していることを実験的に明らかにし、ろう児に対する格助詞教育の基盤を確認した。本研究課題を含む、「やさしい日本語」研究のこれまでの成果をまとめた英文の論文を公刊し、海外の社会言語学への発信の基本的な情報提供に益することとした。
著者
濱田 麻里 市瀬 智紀 上田 崇仁 金田 智子 河野 俊之 齋藤 ひろみ 徳井 厚子 川口 直巳 橋本 ゆかり
出版者
京都教育大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01 (Released:2010-08-23)

本研究は,多言語・多文化化する学校に対応できる教員(以下,多文化教員と呼ぶ)を養成する学部教員と現職教員を対象とする教師教育システムを開発するためのアクション・リサーチである。研究では,海外との比較調査,受講者へのアンケート調査等による実践したプログラムの分析を行った。最終成果として,開発されたプログラムの一部を『実践例集』として公開した。