著者
徳井 厚子
出版者
放送大学
雑誌
メディア教育研究 (ISSN:13441264)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.115-127, 2002

小論では、日米学生の討論場面をビデオ録画したものを参加者と共に振り返るプロセスリコールの実践例を紹介し、その有効性を述べたものである。プロセスリコールは、録画したビデオを視聴しながら、討論に参加した被験者がコミュニケーションスタイルや心理状態を振り返りながら、それらを討論に参加した学生が他の参加者と意見を共有する方法である。当実践の有効性として、以下の3点が挙げられた。1)異文化摩擦の場面を参加者自身が分析することにより、自ら意識的に摩擦の過程を解明し、解決する能力を養うことができる。2)振り返りの過程を他者と共有することにより、多様な立場から摩擦の要因を考えることが可能である。3)映像を利用することにより、より具体的、視覚的に討論場面が喚起され、非言語的側面も含め、相互作用の過程のより詳細でかつ客観的な観察が可能であり、場面をモニターする能力が向上する。また、プロセスリコール後のアンケートでは、異文化接触における対面相互作用の過程をより客観的に分析し、摩擦の原因、解決方法について考察するものが多くみられた。
著者
齋藤 ひろみ 市瀬 智紀 河野 俊之 徳井 厚子 浜田 麻里 上田 崇仁
出版者
東京学芸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

教員養成課程に在籍する学生及び現職教員へのアンケート調査、外国人児童生徒教育歴の長い教員へのインタビュー、プロジェクトメンバーの所属大学における教育実践を通して、学校の多文化化に対応するための教員の日本語教育等に関する資質・能力として、「教育実践力」「教師として成長する力」「社会的実践力」という3層からなる資質・能力モデルを提案し、そのモデルに基づき、教育課程の試案を策定した。
著者
徳井 厚子
出版者
信州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

複言語サポーターへのインタビュー調査の分析結果について論文発表及び学会報告を行った。複言語サポーターは文脈に応じて言語を使っていた。例えば相談場面で感情的な面や個人的な内容を聞く場合、具体的な説明の場合、緊急時の状況説明の場合、母語で行っていた。また、複数の言語の融合や言語スタイルの調整を行っていた。複言語サポーターは相談者と一定の距離を保ちつつ支援を行っていた。関係の相対化や、関係性の変化の重要性も挙げられた。また、複言語・複文化能力の観点から考察した結果、文脈に応じての自己の位置づけや複数の言語使用を変化させ、異文化間調整を行い、ネットワーキングを行うコンピテンシーの重要性が示唆された。
著者
松尾 知明 乾 美紀 澤田 稔 柴山 真琴 津村 公博 徳井 厚子 野崎 志帆 馬渕 仁 見世 千賀子 森茂 岳雄
出版者
国立教育政策研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究では、外国人児童生徒教育の現状及び最善の実践を把握するとともに、これらの取り組みを諸外国の多文化教育の視点から批判的に比較検討することを通して、日本版の多文化教育モデルの構築をめざすことを目的とする。(1)多文化教育の理念と枠組み(4論文)、(2) 多文化教育と学校(4論文)、(3) 多文化教育と地域(3論文)を提示するとともに、まとめとして、多文化共生の実現に向けたプロセスを日本社会の構築→脱構築→再構築として整理した。
著者
西垣 知佳子 中條 清美 砂岡 和子 隅田 英一郎 内山 将夫 徳井 厚子
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

グローバル化の進展に伴い,世界の外国語教育は多様化の方向に進んでいる。本研究では多言語教育のための語彙学習教材の開発を行った。研究成果として,1)ペーパー版の英語語彙学習教材を開発し,試用効果を小・中学校で検証した,2)英語教材をもとに中国語,韓国語,日本語学習のためのペーパー版語彙学習教材を作成した,3)ペーパー版教材の成果を踏まえ,iOSを使ってモバイル英語語彙学習教材を開発し,Apple Storeにて公開した。
著者
濱田 麻里 市瀬 智紀 上田 崇仁 金田 智子 河野 俊之 齋藤 ひろみ 徳井 厚子 川口 直巳 橋本 ゆかり
出版者
京都教育大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

本研究は,多言語・多文化化する学校に対応できる教員(以下,多文化教員と呼ぶ)を養成する学部教員と現職教員を対象とする教師教育システムを開発するためのアクション・リサーチである。研究では,海外との比較調査,受講者へのアンケート調査等による実践したプログラムの分析を行った。最終成果として,開発されたプログラムの一部を『実践例集』として公開した。