著者
鈴木 克典 湯川 高志
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.414-422, 2013-01-15

企業が技術戦略を策定する際,技術動向を調査・視覚化してその方針決定に役立てる.このような調査に有益なツールの1つとして特許マップがあり,多くの場合,この作成には特許文書に付与されている国際特許分類(IPC)コードが利用される.この特許マップに学術論文の情報を追加することができれば,より有益なツールになると考えられるが,現在学術論文はIPCに基づいた分類が成されておらず特定分野の網羅的な調査には大きな負担がともなう.本稿では,学術論文に自動的にIPC分類コードを付与するシステムの精度向上を目指し,分類手法を構成する3つの要素について高度化とパラメータの最適化を図った.本稿が最適化した3つの要素とは,文書からのキーワード抽出,クエリ拡張,類似特許検索における適合度計算である.これらの要素について,いくつかの方法とパラメータを変化させて実験的に評価し,その最適値を見出した.結果,再現率をほとんど低下させることなく,MAP値を0.199から0.494に改善することができた.A patent map is a technical information map which was made by analyzed patents. It would become more useful if it includes information not only on patents but also research papers. To achieve this, automatic classification of research papers into the International Patent Classification System (IPC) is required, and some systems has been developed. In the present paper, the elemental functions which is consisted in an automatic technical paper classification system are improved and optimized for obtaining higher classification accuracy. The new method that focuses on keyword extraction is proposed and search query is expanded by concept base. In addition, patent document has a specific structure consisting sections represented in different granularity keywords. A method that weighing the score of similarity calculated between each structural element is proposed. Using the methods described above, the optimum value of precision is got by varying parameters. As a result, the MAP value was up to 0.494 from 0.199 in empirical assessment.
著者
齋藤 準樹 湯川 高志
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告デジタルドキュメント(DD) (ISSN:21862583)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.2, pp.1-8, 2011-03-21

本稿では,ソーシャルブックマークに含まれるタグの共起関係から階層的な類語辞書を作成し,それを用いてユーザの興味語を抽出する手法および興味語の類似性によりユーザ推薦を行う手法を提案する.また提案した手法について,Twitter を対象として興味抽出および推薦の精度と意外性に関する評価実験を実施し,有用性の確認を行った結果についても述べる.In the present paper, as a means of extracting user interest for the purpose of user recommendation, the authors propose a method for constructing the hierarchy of words based on SBM tags and to emphasize characteristic word by using this relation. Additionally, the user recommendation system based on this interest extraction is proposed. As a result of a survey on Twitter, the authors discovered that the tags in SBM and their hierarchy have a rich vocabulary for extracting the interests of Twitter users. Moreover, experimental results have indicated that the user recommendation system attains approximately 0.41-0.48 precision if the friend relations in SNS are also utilized as a user preference data.
著者
齋藤 準樹 湯川 高志
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告情報基礎とアクセス技術(IFAT) (ISSN:21862583)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.2, pp.1-8, 2011-03-21

本稿では,ソーシャルブックマークに含まれるタグの共起関係から階層的な類語辞書を作成し,それを用いてユーザの興味語を抽出する手法および興味語の類似性によりユーザ推薦を行う手法を提案する.また提案した手法について,Twitter を対象として興味抽出および推薦の精度と意外性に関する評価実験を実施し,有用性の確認を行った結果についても述べる.In the present paper, as a means of extracting user interest for the purpose of user recommendation, the authors propose a method for constructing the hierarchy of words based on SBM tags and to emphasize characteristic word by using this relation. Additionally, the user recommendation system based on this interest extraction is proposed. As a result of a survey on Twitter, the authors discovered that the tags in SBM and their hierarchy have a rich vocabulary for extracting the interests of Twitter users. Moreover, experimental results have indicated that the user recommendation system attains approximately 0.41-0.48 precision if the friend relations in SNS are also utilized as a user preference data.
著者
松田 真希子 高橋 智恵 湯川 高志 三上 喜貴
出版者
Japanese Society for Engineering Education
雑誌
工学教育 (ISSN:13412167)
巻号頁・発行日
vol.57, no.5, pp.5_56-5_60, 2009 (Released:2009-10-05)
参考文献数
7

In this paper, we analyzed the features of the adoption strategy in creating Japanese technological terms, by comparing with those of other Asian countries. In addition, we investigated how those technological terms are used differently in each engineering field. As a result, in adopting technological terms, phonetic adoption is found more often in Japan (especially in the new research fields like IT) . In contrast, semantic adoption is found more often in China and Vietnam. It is also found that architecture field shares many terms with civil engineering, and electrical field shares many terms with communication. Those findings are quite useful to the engineering education for foreign students.
著者
酒井 優介 藤ノ木 太郎 安藤 雅洋 湯川 高志
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第33回 (2019)
巻号頁・発行日
pp.4M3J904, 2019 (Released:2019-06-01)

これまで日本語の文書から明示的な感情を検出することは 自然言語処理の分野で精力的に研究されてきた.しかし日本人は感情の表出を抑制する傾向にあり,怒りを表現する際にはそれが特に顕著である.そのため,日本語の文書から怒りを検出するには明示的な怒りだけではなく感情が抑制された暗示的表 現による怒りも含めた検出が求められる.そこで,暗示的表現 による怒りの自動検出技術の確立を目指し,本稿では暗示的表 現による怒りが含まれる文書の特徴に基きディープニューラルネットを用いて怒り文書を検出する手法を提案し評価した.結果,3つの提案方式のうち1つが,従来方式より10ポイント程度良い正解率が得られた.しかし全く検出されない怒りがあったことから暗示的怒り検出手法が確立できたとは言い難い.感情の出現順序や頻度に着目した検出手法では精度が0.18と低い性能となった.各文の感情分類として正解を付与し,文書全体の怒りを判別する部分のみを評価したところ精度は0.49となったことから,暗示的怒りの検出のために,文書中に現れる感情の順序,頻度も活用すべきであることが示唆された.
著者
酒井 優介 藤ノ木 太郎 安藤 雅洋 湯川 高志
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, pp.4M3J904, 2019

<p>これまで日本語の文書から明示的な感情を検出することは 自然言語処理の分野で精力的に研究されてきた.しかし日本人は感情の表出を抑制する傾向にあり,怒りを表現する際にはそれが特に顕著である.そのため,日本語の文書から怒りを検出するには明示的な怒りだけではなく感情が抑制された暗示的表 現による怒りも含めた検出が求められる.そこで,暗示的表現 による怒りの自動検出技術の確立を目指し,本稿では暗示的表 現による怒りが含まれる文書の特徴に基きディープニューラルネットを用いて怒り文書を検出する手法を提案し評価した.結果,3つの提案方式のうち1つが,従来方式より10ポイント程度良い正解率が得られた.しかし全く検出されない怒りがあったことから暗示的怒り検出手法が確立できたとは言い難い.感情の出現順序や頻度に着目した検出手法では精度が0.18と低い性能となった.各文の感情分類として正解を付与し,文書全体の怒りを判別する部分のみを評価したところ精度は0.49となったことから,暗示的怒りの検出のために,文書中に現れる感情の順序,頻度も活用すべきであることが示唆された.</p>
著者
庵 功雄 イ ヨンスク 松下 達彦 森 篤嗣 川村 よし子 山本 和英 志村 ゆかり 早川 杏子 志賀 玲子 建石 始 中石 ゆうこ 宇佐美 洋 金田 智子 柳田 直美 三上 喜貴 湯川 高志 岩田 一成 松田 真希子 岡 典栄
出版者
一橋大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究の成果は次の3点に要約される。第1点は公的文書の〈やさしい日本語〉への書き換えに関わる諸課題の解決、第2点は外国にルーツを持つ生徒に対する日本語教育に関する実証的な取り組みであり、第3点は各種メディアを通じた〈やさしい日本語〉の理念の普及活動である。第1点に関しては、横浜市との協働のもと、行政専門用語562語についての「定訳」を作成し、書き換えに際し有用な各種ツールとともにインターネット上で公開した。第2点に関しては、新しい文法シラバスを公刊する一方、JSL生徒向け総合日本語教科書の試行版を完成した。第3点に関しては、書籍、講演等を通して〈やさしい日本語〉に関する理念の普及に努めた。
著者
湯川 高志 川野 光太郎 福村 好美
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.61-64, 2008
参考文献数
4

e-Learningにおいて受講者のモチベーションを維持させるためには,受講者相互のつながりが必要であると考えられる.これに関し,実際のeラーニング受講者を対象としてアンケート調査を行い,受講者が互いの学習状況やリアルタイムで多人数のコミュニケーションを望んでいることを明らかにした.これらを受講中に常時伝達し合うことができれば,受講者同士のつながりを醸成し,モチベーションを維持させることが期待できる.そこで,受講者が互いの学習状況をリアルタイムに把握できるフラクタル表現による学習進度表示機能と,会話に関する情報を速覧できるチャット機能とを提案した.さらに,それぞれの機能を設計・実装し,実際のe-Learning環境に組み込んで使用感やモチベーション維持の度合いの評価した.
著者
齋藤 準樹 湯川 高志
雑誌
研究報告情報基礎とアクセス技術(IFAT)
巻号頁・発行日
vol.2011-IFAT-102, no.2, pp.1-8, 2011-03-21

本稿では,ソーシャルブックマークに含まれるタグの共起関係から階層的な類語辞書を作成し,それを用いてユーザの興味語を抽出する手法および興味語の類似性によりユーザ推薦を行う手法を提案する.また提案した手法について,Twitter を対象として興味抽出および推薦の精度と意外性に関する評価実験を実施し,有用性の確認を行った結果についても述べる.
著者
藤本 和則 湯川 高志
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.50, pp.51-52, 1995-03-15

質問を受けたとき、人間は適切な抽象度で回答する。例えば、「ワンワンとほえる動物は?」と聞かれたとき、「コリー」や「肉食動物」ではなく「犬」と答える。このように人間は、複数の抽象度の答から"適切な抽象度"の答を選び出して回答する。本稿では、意味的な階層をもつ確率モデル(以下、階層的確率モデルと呼ぶ)に基づく分類問題において、人間のように適切な抽象度の答を選び出して回答する方法を提案する。