- 著者
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鈴木 加余子
松永 佳世子
上田 宏
- 出版者
- Meeting of Osaka Dermatological Association
- 雑誌
- 皮膚 (ISSN:00181390)
- 巻号頁・発行日
- vol.41, no.2, pp.130-135, 1999 (Released:2010-08-25)
- 参考文献数
- 14
- 被引用文献数
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アトピー性皮膚炎 (AD) 患者皮膚への洗濯用合成洗剤の刺激性を検討するために, AD患者10例を対象に, 主な界面活性剤成分であるアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム (LAS) の衣類残留濃度を測定した。その結果をふまえて, 別のAD患者20例にLASをパッチテストした結果, LAS1000ppmにわずかな紅斑を認めたのは1例であり, 洗濯施行後の衣類に残留している濃度でのLASのAD患者皮膚への刺激性は低いと推測した。一方, 最初の残留濃度測定試験で1300ppmであった患者がすすぎ方法を変更したところ, その濃度が53ppmに低下したことから, 洗濯施行時のすすぎ方法は洗剤の残留濃度を低くする点において重要と考えた。