著者
厚海 徹 力丸 米雄 鈴木 順造
出版者
社団法人日本東洋医学会
雑誌
日本東洋醫學雜誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.73-76, 2008-01-20
参考文献数
9
被引用文献数
1 3

掌蹠膿疱症に対して排膿散及湯を投与したが治癒せず,麻黄附子細辛湯を合方することにより次第に治癒に向かった一例を経験した。症例は64歳女性。2000年5月頃から両側掌蹠に約2mm大の多発性の膿疱が生じ,陳旧化すると皮膚が剥けて一時治るという状態がほぼ2週間周期でみられた。皮膚所見より,掌蹠膿疱症と診断し,排膿散及湯の投与により,新たな膿疱が生じる間隔は延長したが,治癒しなかった。しかし,麻黄附子細辛湯を合方したところ4週間後にはほぼ膿疱は消失した。本疾患に対する附子剤奏効例の報告は稀であり,興味深い症例と思われ報告した。
著者
鈴木 順一
出版者
甲南女子大学
雑誌
甲南女子大学研究紀要 看護学・リハビリテーション学編 (ISSN:18825788)
巻号頁・発行日
no.5, pp.13-24, 2010

現在、我が国における糖尿病患者は増加の一途をたどっている。糖尿病に合併する糖尿病性足病変は、下肢切断の原因となり、対象者の日常生活活動や生活の質において深刻な問題を残す病変である。近年、糖尿病性足病変に対する医学的な取り組みとしてはフットケアが積極的に導入されている。フットケアは病変を認める患肢の評価・処置および足と靴に関する患者教育で構成されるが、制度やマンパワーの問題で患肢への関わりほど靴は着目されていないのが実情といえる。本稿では糖尿病性足病変と靴との関連性を概説し、靴を選ぶに際しての指導上のポイントと、適合性を評価するための具体的な手法を紹介した。
著者
今田 啓介 酒井 洋介 大塚 智宏 鈴木 順 樋口 淳一 飛鷹 洋一 天野 英晴
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告計算機アーキテクチャ(ARC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.75, pp.163-168, 2008-07-29

NEC により開発が進んでいる ExpEther は,PCI Express と Ethernet を統合するネットワークインタフェースである.本稿では,ExpEther を対象とする RDMA 通信機構を実装したネットワークインタフェースコントローラを利用するためのソフトウェア環境が RDMA 通信機構の性能に与える影響についての評価を述べる.実験用システムにおいて,RDMA 通信に必要な通信用バッファの Physical Buffer List (PBL) の取得に要する時間を測定した結果,1MByte の領域に対して 8.35μsec で済み,同じ領域に対するピンダウン処理の時間の半分程度であり,十分実用的であることがわかった.また PCI Express NIC に対するメモリアクセスをユーザレペルで行った場合のメモリアクセスレイテンシは 0.58μsec であり,カーネルを経由した場合と比べて 54.3% 削減できることを確認した.ExpEther by NEC is a network interface for a bridge between PCI Express and Ethernet for network connected virtual computer environment. In this paper, evaluation of the software environment which supports access to ExpEther network interface card (NIC) is described. On our experimental system, it takes 8.35μsec to get Physical Buffer List (PBL) for RDMA data transfer using 1MByte buffer. It is almost a half of time for pin-down the same memory area, and practical. The user-level memory access latency was 0.58μsec, and the overhead of using the kernel corresponding to 54.3% of execution time is removed.
著者
小林 伸行 黒田 潔 鈴木 順行 大島 優香
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.56, no.8, pp.515-524, 2013-11-01 (Released:2013-11-01)
参考文献数
4
被引用文献数
1 1

有機低分子化合物の新規性調査では,化学構造検索が可能なデータベースを利用することが多い。これらデータベースが複数存在する中で,調査担当者はすべてのデータベースを利用することなく,目的に応じてデータベースを選択している。今回,STN InternationalのREGISTRY,MARPAT,およびDWPIのDCRの3データベースの化学構造検索結果を比較検討した。これにより,各データベースの特徴を再確認し,今後の調査におけるデータベース選択の指針とするために評価を行ったので報告する。
著者
鈴木 順和 大塚 稔
出版者
宮崎女子短期大学
雑誌
宮崎女子短期大学紀要 (ISSN:02898748)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.75-86, 2000-03

This survey was conducted to investigate students' independent study habits and activities after school. The questionnaire, which consisted of 18 items, was completed by 217 (68.2%) of 318 students in 1994. The results were as follows : 1) Most students studied less than one hour a day at home, and used most of that time to do their Special subject assignments. There were few students who studied at other schools (language school, etc.) and most students spent a lot of time doing part time jobs after school. 2) There were few students who read books for more than one hour a day and a lot of students who seldom read books ; especially Western books. They, however, often watched TV ; the time spent watching TV was more than three times the time spent reading books. Students were interested in employment or hobbies, but scarcely interested in lessons other than English subjects. 3) Many students were satisfied with school life, but one third of the first year students were not satisfied. The main reasons for being satisfied with school life were friends and interesting/beneficial subjects, and the main reasons for being unsatisfied were a lack of beneficial/interesting subjects or good teachers. These results suggest that there are few students who study independently and most students have not acquired independent study habits. The results also suggest that the quality of education and teachers are important for students to be satisfied with school.
著者
鈴木 順 馬場 輝幸 飛鷹 洋一 樋口 淳一 加美 伸治 内田 智士 高橋 雅彦 菅原 智義 吉川 隆士
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告システムソフトウェアと オペレーティング・システム(OS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.7, pp.1-8, 2010-01-20
参考文献数
21
被引用文献数
1

クラウドコンピューティングでは、サービスの実施状況にあわせた性能スケールアップが求められる。しかし、計算システムの性能を大きく左右するメモリは各コンピュータに個別に搭載されている以上の拡張は困難である。本稿では、PCI Express (PCIe) にフラッシュメモリコントローラを直結した PCIe 型 Solid State Disk (SSD) を我々の開発した PCIe over Ethernet 技術、ExpEther でネットワーク接続し、これを仮想メモリに割当てる事でシステムメモリの拡張を実現した。SSD へはイーサネット越しに Direct Memory Access (DMA) による高速低遅延データ接続が行え、これをスワップデバイスとして用いることで、ソフトウェアとハードウェアとも市販のままで簡便にメモリ拡張が可能となる。これを用いて実機により、データベースのベンチマークで 2 GB のローカルメモリに対して 10 GB の DB サイズを取っても十分なシステム動作が得られる事を確認した。For cloud computing, computer infrastructures need to provide computing resources adaptively, in accord with the resource utilization. Resources include, however, local memories that cannot exceed the amount loaded to each computer. We present a method for adaptively attaching a PCI-Express-based solid state disk (SSD) to a computer and expand its local memory using virtual memory system. We use PCI Express (PCIe) over Ethernet technology "ExpEther", to interconnect a computer and an SSD via a standard Ethernet. The data transfer between the local memory of the computer and the SSD is performed with direct memory access (DMA). Assigning an SSD to a computer as a swap device allows the local memory of a computer to be expanded without any change to current software or hardware. With our proposed method, we are able to achieve a database benchmark output maintaining its performance even when 10-GB database size is loaded to a 2-GB local memory system.
著者
鈴木 順 局 博一 菅野 茂
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獣医学雑誌 (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.53, no.5, pp.779-787, 1991-10-15
被引用文献数
1

代表的な抗不整脈薬, procainamide (PA)(class Ia), lidocaine (LC)(class Ib), propranolol (PN)(class II)およびverapamil (VP)(class IV)を成熟ラットに投与したときの心電図変化の特徴についての検討を行った. 同時に心筋細胞膜電位についても1-5 Hzの刺激頻度で測定を行った. いずれの薬物においても高用量においては洞房ブロックあるいは房室ブロックが見られ, またverapamilを除く3種の薬物ではQRS持続時間の延長とQRS波形状の変化が観察された. これらの薬物の心電図への影響を人やイヌに対するものと比較すると, ラットでの特徴は(1)LCとPNでQT間隔の延長が明瞭に認められ, それは用量依存性であったこと, (2)VP0.6mg/kg以下の投与量でRR間隔の短縮がみられたことであった. LCとPNとも胸部単極誘導心電図では右心室側のQT間隔を延長したこと, および心筋細胞膜電位の実験ではO相の脱分極速度(Vmax)が減少しながら, 活動電位持続時間にこれらの薬物がほとんど影響を及ばさなかったことから, これら2つの薬物のQT間隔延長には右心室側の局所的な電気的興奮時間の遅延が関与しているものと考えられた. 一方, VPによるRR間隔の短縮はPNの前処置により消失したことから, ラットにおけるこの反応は主にVPの末梢血管拡張作用による交感神経反射が関与しているものと考えられた.
著者
松縄 学 川上 恵一郎 久武 純一 鈴木 順子 中牧 剛 日野 研一郎 友安 茂
出版者
一般社団法人 日本血液学会
雑誌
臨床血液 (ISSN:04851439)
巻号頁・発行日
vol.44, no.10, pp.1010-1014, 2003 (Released:2009-07-28)
参考文献数
14
被引用文献数
2

症例は21歳,男性。原因不明の急性肝炎で入院した。安静で徐々に肝障害は改善したが,入院約2カ月後より再度肝機能の悪化,高熱がみられ,汎血球減少が進行した。血清のTNFα, IFNγ, IL-6, M-CSFが高値で,骨髄に血球貪食像を伴い,血球貪食症候群類似の病態を示した。プレドニゾロン,γグロブリン,G-CSFの投与後,解熱し,肝障害も徐々に軽快したが,汎血球減少は改善しなかった。その後の骨髄検査で血球貪食細胞が残存していたが著明な低形成を示し,肝炎後再生不良性貧血と診断した。ATG, シクロスポリン,G-CSFによる免疫抑制療法を行い,造血能の回復がみられた。骨髄中のリンパ球のCD4/CD8比は改善し,TNFαやINFγなどのサイトカインも減少した。血球貪食症候群様の病態に伴う活性化T細胞およびINFγ, TNFαの増加が肝炎後再生不良性貧血の発症に関与したと考えられた。