著者
高坂 康雅
出版者
和光大学現代人間学部
雑誌
和光大学現代人間学部紀要 = Bulletin of the Faculty of Human Studies (ISSN:18827292)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.79-89, 2011-03

本研究の目的は、西平(1981)の"恋と愛の二元的一元性"論を参考に、恋の状態と愛の状態とは質的に異なる状態であり、恋愛とは恋と愛を両極とした一次元上の中間の状態であり、両者の特徴をあわせもった状態である捉え、先行文献をもとに青年の恋愛関係を図示するモデルを作成することであった。先行文献をまとめた結果、恋には、"相対性"、"所有性"、"埋没性"という特徴があり、愛には"絶対性"、"開放性"、"飛躍性"という特徴があること、相対性と絶対性、所有性と開放性、埋没性と飛躍性はそれぞれ対応する特徴であることが考えられ、これらをまとめた恋愛様相モデルが構築された。今後は恋愛様相モデルを実証的に検討する必要があると考えられた。
著者
高坂 康雅
出版者
和光大学現代人間学部
雑誌
和光大学現代人間学部紀要 = Bulletin of the Faculty of Human Studies (ISSN:18827292)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.123-136, 2015-03-13

本研究の目的は、少女向けコミック誌および女性向けコミック誌における恋愛行動・性行動の描写数をもとに、それぞれの特徴を比較し、また、前後の文脈をもとにキス場面の内容分析を行い、少女向けコミック誌および女性向けコミック誌における恋愛像、あるいは男性像と女性像の描かれ方を明らかにすることである。それぞれの恋愛行動・性行動の描写数から、少女向けコミック誌は恋愛関係が構築されるまでを描く傾向にあるが、女性向けコミック誌は関係構築以降の口論や別れまで描いている、告白や別れの場面では男性が主導権をもっている、などの特徴が見出された。また、キス場面の内容分析から、恋愛関係・夫婦関係以外でのキスも半数程度描かれており、男性が一方的に女性にキスをする場面が多数みられることも確認された。今後は、読者である子どもや青年が描写されている恋愛行動・性行動をどのように受け止め、感じとっているかを明らかにする必要があることが示唆された。
著者
高坂 康雅
出版者
日本青年心理学会
雑誌
青年心理学研究 (ISSN:09153349)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.147-158, 2011-12-25

Psychological characteristics of young people not desiring a steady romantic relationship (Love-Unnecessary group) were compared with those that desired the steady relationship that they had (Love group), and those that desired a steady relationships that they did not have (Love-Longing group), from the perspectives of ego development, mental health, and individualism. A survey inquiring about psychological stress reactions, identity, sense of fulfillment, individualism, state of the romantic relationship, and the reason for not desiring a steady relationship, was conducted with university students (n =1350). The results indicated that 18.0 % of the participants belonged to the Love-Unnecessary group. Moreover, there was a bigger proportion of girls in the Love group and a bigger proportion of boys in the Love-Longing group, whereas no significant differences were observed in the proportion of boys to girls in the Love-Unnecessary group. Furthermore, the Love group scored high in identity establishment and mental health, whereas the Love-Longing group scored moderately in identity establishment and low in mental health. The Love-Unnecessary group scored low in identity establishment, lacked motivation, and displayed arbitrary thinking.
著者
高坂 康雅
出版者
一般社団法人日本発達心理学会
雑誌
発達心理学研究 (ISSN:09159029)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.182-191, 2010-06-20

本研究の目的は,大学生のアイデンティティの確立の程度及び推測された恋人のアイデンティティの確立の程度と,恋愛関係の影響との関連を検討することである。現在恋人のいる大学生212名を対象に,高坂(2009)の恋愛関係の影響項目40項目,加藤(1983)の同一性地位判別尺度18項目,恋人のアイデンティティの確立の程度を推測できるように修正した同一性地位判別尺度18項目への回答を求めた。その結果,回答者本人のアイデンティティについて達成型やフォークロージャー型に分類された者は「時間的制約」得点が低かった。また推測された恋人のアイデンティティについて達成型やフォークロージャー型に分類された者は「自己拡大」得点や「充足的気分」得点が高く,「他者交流の制限」得点が低かった。これらの結果から,恋人のアイデンティティが達成型やフォークロージャー型であると,恋愛関係をもつことが青年の人格発達に有益にはたらくことが示唆された。
著者
高坂 康雅
出版者
和光大学現代人間学部
雑誌
和光大学現代人間学部紀要 = Bulletin of the Faculty of Human Studies (ISSN:18827292)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.195-204, 2017-03-10

本研究の目的は、ライトノベルの男性登場人物のパーソナリティと女性登場人物のパーソナリティとの組み合わせを検討することであった。大学生59名に対して、ライトノベル10作品から男性登場人物・女性登場人物各1 名を選び作成した人物紹介文を提示し、TIPI-Jを用いて、パーソナリティ評定を求めた。相関分析の結果、ほとんどの作品において、男性登場人物のパーソナリティと女性登場人物のパーソナリティとの間にはあまり関連がみられなかった。また、クラスター分析によって登場人物を4つのタイプに分け、作品ごとにクラスターの組み合わせを検討したところ、男女が同じクラスターである組み合わせは少なく、一方が「安定適応型」である組み合わせがほとんどであった。この結果は、久米(2009)の指摘とも合致していると考えられた。
著者
高坂 康雅
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.338-347, 2010 (Released:2012-03-07)
参考文献数
28
被引用文献数
9

本研究の目的は, 青年の友人関係における“異質な存在にみられることに対する不安”(被異質視不安)と“異質な存在を拒否する傾向”(異質拒否傾向)について, 青年期における変化と, 友人関係満足度との関連を明らかにすることであった。中学生260名, 高校生212名, 大学生196名を対象に, 被異質視不安項目, 異質拒否傾向項目, 友人関係満足度項目について回答を求めた。被異質視不安項目と異質拒否傾向項目をあわせて因子分析を行ったところ, 「被異質視不安」と「異質拒否傾向」に相当する因子が抽出された。友人関係満足度を含めて, 青年期における変化を検討したところ, 異質拒否傾向は変化せず, 被異質視不安は減少し, 友人関係満足度は高校生女子が低いことが明らかとなった。さらに, 異質拒否傾向, 被異質視不安, 友人関係満足度の関連をパス解析にて検討した結果, 女子及び高校生男子において, 異質拒否傾向が友人関係満足度を低め, 大学生男子以外で, 異質拒否傾向が被異質視不安を高め, さらに, 高校生女子と大学生男子において, 被異質視不安が友人関係満足度を低めていることが明らかとなった。
著者
高坂 康雅
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.218-229, 2008-06-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
39
被引用文献数
3 4

本研究の目的は, 青年期における劣等感の発達的変化を, 自己の重要領域との関連から明らかにすることである。中学生・高校生・大学生549名に, 予備調査から選択された劣等感項目50項目への回答と, 自己の重要領域に関する自由記述を求めた。劣等感項目は予備調査と同様の8因子が抽出され, 自己の重要領域に関する記述は10カテゴリーに分類された。自己の重要領域と劣等感得点との関連を検討したところ, 中学生では知的能力を重要領域としており, 学業成績の悪さに劣等感を感じ, 高校生では対人魅力を重要領域としており, 身体的魅力のなさに劣等感を感じていた。そして, 大学生になり, 自己承認を重要領域とするようになると友達づくりの下手さに劣等感を感じるが, 人間的成熟を重要領域とするようになると劣等感はあまり感じられなくなることが明らかとなった。
著者
都筑学 岡田有司 高坂康雅
出版者
日本教育心理学会
雑誌
日本教育心理学会第56回総会
巻号頁・発行日
2014-10-09

小中一貫校・非一貫校における子どもの適応・発達(2)-コンピテンスに着目して-○ 都筑 学(中央大学) 岡田有司(高千穂大学) 高坂康雅(和光大学) 問題と目的 学校教育の現場においては,小学校と中学校の連携や連続性の重要性が指摘されているが,それに関する実証的な研究は十分になされていないのが現状である。本研究では,コンピテンスの発達という観点から,小中一貫校と非一貫校の比較検討を行い,得られた実証データから2つの教育制度で学ぶ児童生徒の特徴を明らかにする。方 法調査対象者・調査時期 研究(1)と同じ。調査内容 児童用コンピテンス尺度(櫻井, 1992)を用いた。4下位尺度の内,16項目を使用した(「学業(項目1,5,9,13;α=.85」,「友人関係(項目2,6,10,14;α=.58であったため,項目10を除いて3項目で得点化した(α=.63))」,「運動(項目3,7,11,15;α=.80」,「自己価値(項目4,8,12,16;α=.77)。結果と考察 コンピテンスの4下位尺度について,学校形態(一貫/非一貫)×学年(4年~9年(中3))の2要因分散分析をおこない,交互作用が有意であった場合は,単純主効果の検定を行った。 学業では,交互作用が有意であり,一貫校・非一貫校ともに学年間での差異が見られた。一貫校では4年は6・8・9年より高く,6年は8・9年より高く,4・5年は7年より高かった。 友人関係では,交互作用が有意であり,5・6・9年において非一貫校は一貫校よりも得点が高かった(Figure 1)。 運動でも,交互作用が有意であり,4・5・6年において,非一貫校は一貫校よりも得点が高かった。7・8・9年では,一貫校と非一貫校との間に差は見られなかった。 自己価値でも,交互作用が有意であり,4・5・6年において,非一貫校は一貫校よりも得点が高かった。7年では,一貫校が非一貫校よりも得点が高かった。8・9年では,一貫校と非一貫校との間に差は見られなかった(Figure 2)。 以上の結果をまとめると,おおよそ次のようなことが示された。小学校の段階では,小中一貫校よりも非一貫校の児童の方が,友人関係(5~6年)・運動(4~6年)・自己価値(4~6年)のコンピテンスが高いことが明らかになった。中学校段階になると,小中一貫校と非一貫校との間に逆転現象が生じ,小中一貫校の7年は非一貫校の中1よりも,自己価値が高くなっていた。ただし,友人関係においては,4~6年に引き続いて,非一貫校の中1の方が一貫校の7年よりも高かった。 小学校段階において,非一貫校と小中一貫校との間にコンピテンスに差が見られるのは,小中一貫校では,小学校と中学校が同一の敷地にあって,4~6年生が,すぐ間近にいる7~9年生と自分を相対評価する機会が多いことによるのかもしれない。また,両者の間のコンピテンスの差が,中学校段階で見られなくなるのは,非一貫校での小学校・中学校間の移行にともなう適応等の問題が関係しているかもしれない。今回は横断的なデータによる分析であるために,因果関係を明らかにするには限界がある。今後は,縦断的なデータによって,上記のような推論を実証的に検証していくことが課題であるといえる。付記:本研究は,科学研究費助成事業(基盤研究(B)課題番号24330858:代表・梅原利夫)の助成を受けたものである。
著者
高坂康雅 都筑学 岡田有司
出版者
日本教育心理学会
雑誌
日本教育心理学会第56回総会
巻号頁・発行日
2014-10-09

問題と目的 近年,全国的に公立小中一貫校の設置が行われている。その目的は,小・中学校間の連携・連続性を高め,「中1ギャップ」を解消し,児童生徒の学校適応感や精神的健康を向上させることにある。しかし,実際に,小中一貫校が非一貫校に比べ児童生徒の学校適応感や精神的健康を促進しているという実証的な検討は行われていない。 そこで,本研究では,学校適応感と精神的健康について,小中一貫校と非一貫校の比較検討を行うことを目的とする。方 法調査対象者 公立小中一貫校に在籍する児童生徒2269名と非一貫校に在籍する児童生徒6528名を調査対象者とした。調査時期 2013年5月~2014年1月に調査を実施した。調査内容 (1)学校適応感:三島(2006)の階層型学校適応感尺度の「統合的適応感覚」3項目を使用した。(2)精神的健康:西田・橋本・徳永(2003)の児童用精神的健康パターン診断検査(MHPC)の6下位尺度(「怒り感情」,「疲労」,「生活の満足度」,「目標・挑戦」,「ひきこもり」,「自信」)各2項目を使用した。結果・考察統合的適応感覚及びMHPC6下位尺度について,学校形態(一貫/非一貫)×学年(4年~9年(中3))の2要因分散分析を行い,交互作用が有意であった場合は,単純主効果の検定を行った。以下では,小中一貫校と非一貫校との間で有意な差がみられた箇所を中心に結果を記述する。 まず,統合的適応感覚では交互作用が有意であり,4年・5年において,非一貫校の方が一貫校よりも得点が高かった(Figure 1)。 MHPCの「目標・挑戦」でも交互作用が有意であり,4年・5年・6年において,非一貫校の方が一貫校よりも得点が高かった。また,「自信」でも交互作用が有意で,4年・5年・6年において,非一貫校の方が一貫校よりも得点が高かった(Figure 2)。 「疲労」,「ひきこもり」,「生活の満足度」では,学校形態の効果が有意であり,「疲労」と「ひきこもり」では一貫校の方が高く,「生活の満足度」では,非一貫校の方が高かった。 これらの結果から,全体的には,小中一貫校よりも非一貫校の方が学校適応感も精神的健康も高いことが明らかとなった。特に,小学校時点では,学校適応感や「目標・挑戦」,「自信」は非一貫校の方が高かったが,換言すれば,非一貫校の場合,中学生になると,適応感や「生活の満足度」,「自信」は一貫校と同程度まで低減する。このような低減が一貫校ではみられないという点では,「中1ギャップ」の解消に一定の効果がある可能性もあるが,一方で,一貫校における小学校時点での学校適応感や精神的健康の低さがなぜ生じているかは今後検討する必要がある。付記:本研究は,科学研究費助成事業(基盤研究(B)課題番号24330858:代表・梅原利夫)の助成を受けたものである。
著者
岡田有司 高坂康雅 都筑学
出版者
日本教育心理学会
雑誌
日本教育心理学会第56回総会
巻号頁・発行日
2014-10-09

問題と目的 小中非一貫校では小学5~6年生になれば上級生になるが,一貫校ではこうした扱いはなされず人間関係も同様の関係が継続する。こうした環境の違いは子どもの独立心や他者との関係の在り方に差異を生じさせている可能性がある。そこで,本研究では独立性・協調性に注目し小中一貫校と非一貫校の違いについて明らかにする。方 法調査対象者・調査時期 研究(1)と同じ。調査内容 (1)独立性・協調性:相互独立的・相互協調的自己観尺度(高田,1999)を用いた。4下位尺度の内,12項目を使用した(「相互独立性:個の認識・主張(項目1・5)」「相互独立性:独断性(項目3・7・9・11)」「相互協調性:他者への親和・順応(項目2・6・10)」「相互協調性:評価懸念(項目4・8・12)」)。結果と考察 先行研究と同様の4つの因子から捉えられるかを確認したが,同様の因子は得られなかった。そこで,探索的に項目ごとに学校形態(一貫/非一貫)×学年(4年~9年(中3))の2要因分散分析を行い,交互作用が有意であった場合は,単純主効果の検定を行った。以下では,小中一貫校,非一貫校の間で差がみられた箇所を中心に結果を記述する。 独立性に関する項目では,項目1では交互作用が有意であり,4・6年において非一貫校の得点が高かった(Figure1)。項目5でも交互作用が有意傾向であり,4・5・6年で非一貫校の得点が高かった。項目7では学校形態の主効果がみられ,一貫校の得点が高くなっていた。項目11では交互作用が有意傾向だったが,その後の分析では有意差は検出されなかった。協調性に関する項目では,項目2で交互作用が認められ,4・5・6年で非一貫校の得点が高かった(Figure2)。項目6でも交互作用が示され,4・5年で非一貫校の得点が高くなっていた。項目10においても交互作用が有意であり,4年では非一貫校の得点が高くなっていたが,6・7年では一貫校の得点が高くなっていた。項目4では学校形態の主効果が有意で,非一貫校の得点が高いことが示された。項目8では交互作用が示され,4年では一貫校の得点が高くなっていた。 以上の結果から,非一貫校の小学校高学年は一貫校の者に比べ,自分を理解し意見を持つという意味での独立性や,周囲と親和的な関係を築くという意味での協調性が高いことが示唆された。付記:本研究は,科学研究費助成事業(基盤研究(B)課題番号24330858:代表・梅原利夫)の助成を受けたものである。
著者
高坂 康雅
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.1-12, 2009-03-30 (Released:2012-02-22)
参考文献数
34
被引用文献数
2 1 2

本研究の目的は, 青年が容姿・容貌に対する劣性を認知したときに生じる感情と反応行動との関連を明らかにすることである。中学生, 高校生, 大学生545名を対象に, 劣性の認知を尋ねる項目, 劣性を認知したときに生じる感情に関する項目, 反応行動に関する項目について回答を求めた。分析の結果, 反応行動は, 他者回避, 直接的努力, 他者攻撃, 気晴らし, 放置, 賞賛・承認希求, 代理補償の7種類に分けられた。また, 直接的努力は憧憬感情と, 他者攻撃と賞賛・承認希求は敵意感情と, 気晴らしは不満感情と, 放置と代理補償は悲哀感情と自己肯定感情とそれぞれ関連しており, 他者回避は中学生・高校生では不満感情と関連し, 大学生では悲哀感情と関連していた。これらの結果から, 容姿・容貌に対する劣性を認知したときに生じる感情と反応行動との間には, 特定の結びつきがあることが確認された。
著者
高坂 康雅
出版者
和光大学現代人間学部
雑誌
和光大学現代人間学部紀要 = Bulletin of the Faculty of Human Studies (ISSN:18827292)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.215-228, 2014-03-05

松井(1990, 2000)や飛田(1991)は、青年期の恋愛行動の分類を行い、恋愛行動の進展プロセスについて明らかにしているが、どの程度の交際期間でそれらが進展するのかについては明らかにしていない。そこで、本研究では、交際期間に伴う大学生の恋愛行動の進展を明らかにすることを目的とした。全3 回の縦断調査において、同一の恋人と交際していた大学生126 名(男子38 名、女子88 名)を対象に、各調査時点における恋愛行動の経験の有無を尋ねた。その結果、松井(1990, 2000)の第4 段階に位置づけられるような行動も、交際8 ヶ月程度までには多くの大学生が経験しており、その後、親密さを示す行動や親密になる過程で生じる葛藤行動が徐々に増えるが、結婚に関わる行動は、ほとんど経験されないことが明らかになった。
著者
高坂 康雅
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.88-99, 2011-03-30 (Released:2011-09-07)
参考文献数
31
被引用文献数
3 1

本研究の目的は, 共同体感覚を測定するための尺度を作成し, 信頼性と妥当性を検討すること, 及び自己愛傾向との関連を明らかにすることであった。大学生329名, 中学生149名を対象に, 共同体感覚尺度, 学校適応感尺度または大学生活不安尺度, 劣等感項目, 心理的ストレス反応尺度, 自己愛傾向尺度への回答を求めた。共同体感覚に関する項目の因子分析の結果, 「所属感・信頼感」, 「自己受容」, 「貢献感」の3因子が抽出され, またそれらを総合した「共同体感覚尺度」を構成した。内的一貫性及び安定性の観点から, 共同体感覚尺度の信頼性が確認された。学校適応, 劣等感, 心理的ストレス反応との関連から, 共同体感覚尺度の中学生及び大学生で実施する際の妥当性が確認された。さらに, 共同体感覚と自己愛傾向は全体的に正の相関があるが, 臨床像と関連する「注目—主張」成分とは関連があまりみられないことが明らかとなった。
著者
高坂 康雅
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.338-347, 2010

本研究の目的は, 青年の友人関係における"異質な存在にみられることに対する不安"(被異質視不安)と"異質な存在を拒否する傾向"(異質拒否傾向)について, 青年期における変化と, 友人関係満足度との関連を明らかにすることであった。中学生260名, 高校生212名, 大学生196名を対象に, 被異質視不安項目, 異質拒否傾向項目, 友人関係満足度項目について回答を求めた。被異質視不安項目と異質拒否傾向項目をあわせて因子分析を行ったところ, 「被異質視不安」と「異質拒否傾向」に相当する因子が抽出された。友人関係満足度を含めて, 青年期における変化を検討したところ, 異質拒否傾向は変化せず, 被異質視不安は減少し, 友人関係満足度は高校生女子が低いことが明らかとなった。さらに, 異質拒否傾向, 被異質視不安, 友人関係満足度の関連をパス解析にて検討した結果, 女子及び高校生男子において, 異質拒否傾向が友人関係満足度を低め, 大学生男子以外で, 異質拒否傾向が被異質視不安を高め, さらに, 高校生女子と大学生男子において, 被異質視不安が友人関係満足度を低めていることが明らかとなった。
著者
高坂 康雅
出版者
和光大学現代人間学部
雑誌
和光大学現代人間学部紀要 = Bulletin of the Faculty of Human Studies (ISSN:18827292)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.79-89, 2011-03

本研究の目的は、西平(1981)の“恋と愛の二元的一元性”論を参考に、恋の状態と愛の状態とは質的に異なる状態であり、恋愛とは恋と愛を両極とした一次元上の中間の状態であり、両者の特徴をあわせもった状態である捉え、先行文献をもとに青年の恋愛関係を図示するモデルを作成することであった。先行文献をまとめた結果、恋には、“相対性”、“所有性”、“埋没性”という特徴があり、愛には“絶対性”、“開放性”、“飛躍性”という特徴があること、相対性と絶対性、所有性と開放性、埋没性と飛躍性はそれぞれ対応する特徴であることが考えられ、これらをまとめた恋愛様相モデルが構築された。今後は恋愛様相モデルを実証的に検討する必要があると考えられた。