著者
下村 賢人 高島 健太郎 西本 一志
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. GN, グループウェアとネットワークサービス (ISSN:21888744)
巻号頁・発行日
vol.2020-GN-110, no.9, pp.1-7, 2020-03-09

既存の観念にとらわれない発想を行う目的で,飲酒の機会を活用しようとする事例が見られる.これまでにも飲酒に関する○○についての研究は行われているが,飲酒時に創出されるアイデアの活用に関してはほとんど検討されてこなかった.本研究では,飲酒者が創出したアイデアを非飲酒者が参照することによって,より良いアイデアを創出できるという仮説を立て,その検証を実施した.実験の結果,非飲酒者のアイデアを参照したときと比較して,飲酒者のアイデアを参照した場合,より多くのアイデアを創出し,実現可能性はやや低いものの独自性が有意に高いアイデアを創出できるようになることを確認した. : There have been some attempts where opportunities of drinking alcoholic beverages are utilized to create novel ideas. However, measures to utilize and to brush up ideas created while drinking alcoholic beverages have not been sufficiently investigated. We hypothesized that it becomes able to create better ideas by referring to ideas created by people who have drunk some alcoholic beverages (i.e., drinkers). Based on this idea, we propose a novel divergent thinking method named “Designated-driver method,” in which non-drinkers create ideas referring to drinkers' ideas. We conducted experiments to evaluate usefulness of this method. As a result, comparing to cases where ideas created by non-drinkers are referred to, it was confirmed that it became able to create more ideas by referring to ideas created by drinkers, and that originality of the created ideas became significantly higher, although their feasibility is slightly lower.
著者
下村 賢人 高島 健太郎 西本 一志
出版者
情報処理学会
雑誌
インタラクション2020論文集
巻号頁・発行日
vol.2P-73, pp.741-745, 2020-03-02

日常生活において,飲酒の際に思いついたアイデアを,翌朝の素面時に発展させることで,より良いアイデアの創出ができることがある.本研究では,飲酒者の出すアイデアを非飲酒者が活用することで,より良いアイデアを生み出せるのではないかと考え,それを検証するものである.近年,既存の概念にとらわれない発想を行う目的で,飲酒の機会を活用しようとする事例が見られる.しかし,飲酒時に創出されるアイデアをどのように活用すべきかについては,十分に検証されていない.そこで本研究では,一人飲みの前後で発散的思考に関する課題を行う実験を実施し,そこで創出されたアイデアの分析を行った.そのうえで,その結果の特徴からいくつかのアイデアを抽出し,非飲酒者に提示してアイデアを生成してもらい,生成されたアイデアの分析を行った.その結果,非飲酒者のアイデアを活用したときと比較して,飲酒者のアイデアを活用したときに実現可能性がやや低下するが,独自性を向上させる可能性があることが示唆された.
著者
高島 健太郎 西垣 朋哉 渡邉 汐音 竹下 智之
出版者
公益社団法人 日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.72, no.1, pp.12-23, 2021-04-15 (Released:2021-05-15)
参考文献数
38

企業にとって,従業員の組織コミットメントを高め人材を定着させることは重要な課題である.一方,従業員の側では,自律的なキャリア開発への意識の高まりから,様々な種類のスキル開発あるいは副業などの第二の仕事を本業と並行して行いたいという気運が高まっており,企業は対応を迫られている.本研究では,このような所属企業の業績への貢献を志向しない従業員個人による自発的なキャリア開発活動を「本業外のキャリア開発活動」と定義し,その意欲と組織コミットメントとの相関を分析した.20代,30代の若手従業員を対象とした2つの質問紙調査を行い,本業外のキャリア開発活動への意欲の背景要因として「自己研鑽」「社外の仕事への従事」「社会貢献」の3つの因子を抽出した.相関分析を行ったところ「社会貢献」因子にのみ組織コミットメントとの弱い相関があること,それ以外の因子には相関がないことが示された.さらに,組織コミットメントは,従業員のこれらの活動への意欲より,むしろ企業がこれらの活動に対して示す肯定的態度と関係があることが示唆された.得られた知見は,今後増えると思われる従業員の本業外のキャリア開発活動に対して,企業が方針策定を行うにあたり有用であると考える.
著者
富田 雄希 高島 健太郎 西本 一志
出版者
情報処理学会
雑誌
インタラクション2019論文集
巻号頁・発行日
vol.1B-37, pp.328-331, 2019-02-27

地域活性化の施策として,多くのご当地アイドルが各地で活動している.ご当地アイドルが円滑な活動を続けるためには,新規ファンの獲得が必要不可欠である.しかし,既存ファンコミュニティによる熱狂的応援や独特のルールなどが,潜在ファンの参入障壁を形成してしまう.本研究ではこの障壁を軽減するため,役割体験学習を活用した古参ファンの体験を追体験するノベルゲームを構築し,その効果を他者理解と愛着の増加の観点で検討する.モデルケースとして,石川県西金沢の商店街を拠点に活動する西金沢少女団の既存ファンコミュニティから実体験を収集し,その実体験を織り込んだノベルゲームBNO-Storyを潜在ファンに楽しんでもらう.このゲームにより,古参ファンがなぜ熱狂的応援をするのかを理解できるか,アイドルへの愛着が増加するかを評価する.
著者
下村 賢人 高島 健太郎 西本 一志
雑誌
研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:21888744)
巻号頁・発行日
vol.2020-GN-110, no.9, pp.1-7, 2020-03-09

既存の観念にとらわれない発想を行う目的で,飲酒の機会を活用しようとする事例が見られる.これまでにも飲酒に関する○○についての研究は行われているが,飲酒時に創出されるアイデアの活用に関してはほとんど検討されてこなかった.本研究では,飲酒者が創出したアイデアを非飲酒者が参照することによって,より良いアイデアを創出できるという仮説を立て,その検証を実施した.実験の結果,非飲酒者のアイデアを参照したときと比較して,飲酒者のアイデアを参照した場合,より多くのアイデアを創出し,実現可能性はやや低いものの独自性が有意に高いアイデアを創出できるようになることを確認した.
著者
太田 匡彦 大園 誠一郎 池田 朋博 中農 勇 平尾 佳彦 渡辺 秀次 高島 健次 平尾 和也
出版者
一般社団法人 日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科学会雑誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.95, no.5, pp.705-710, 2004-07-20 (Released:2010-07-23)
参考文献数
13
被引用文献数
1 1

(背景) 最近, 健康ブームで, スポーツ人口が増加しているが, 一部に運動後血尿を認める場合があり, 運動性血尿として注目されている. そこで, 最も一般的な運動であるランニングと血尿の検討を夏季において行った.(対象と方法) 泌尿器科的疾患のないヘルシーボランティア109名に運動前安静時尿採取後, 5kmランニングを行い, 運動後尿を採取した. 評価可能例は90名で運動前後尿につき, 検尿, 尿沈査, フローサイトメトリーにより赤血球数, 赤血球形態について比較した.(結果) 運動後の尿中赤血球数増加例が83名であり, 運動後顕微鏡的血尿例 (赤血球数3個/hpf以上) は32名であった. そのうち赤血球形態学的検討で dysmorphic pattern が23名と最多であった.(結論) ランニングにより血尿が誘起され, 糸球体性血尿が中心と考えられた.
著者
西本 一志 竹内 慎吾 高島 健太郎 KAZUSHI NISHIMOTO SHINGO TAKEUCHI KENTARO TAKASHIMA
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告 グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:21888744)
巻号頁・発行日
vol.2022-GN-116, no.20, pp.1-8, 2022-03-07

創造性の高いアイデア発想をするためには,テーマに関連しつつ認知外の意外な情報を収集することが重要であるとされる.本研究では,既存のモノを対象として,その使い方に関する新しいアイデアを創造するための発想技法であるMonoBocai を提案する.従来から,既存のモノの普通ではない使い方を発想することによるアイデア生成はしばしば行われている.しかしながら,そのような発想を行う際に,どうしても有用性のあるアイデアを生成しようとする意識が働き,発想の飛躍がなかなか生じない.そこで,モノが持つ隠れたアフォーダンスをあぶりだすための手段として,お笑いジャンルの1つである「モノボケ」を活用することを試みる.In order to create highly creative ideas, it is important to collect unexpected information that is related to the theme but outside of cognition. In this study, we propose a new idea generation technique, named MonoBocai, for creating ideas for new uses of existing objects. Conventionally, idea generation by thinking of unusual ways to use existing objects is often carried out. However, when people generate such ideas, it is difficult for them to make a leap of faith because they are conscious of trying to generate useful ideas. In this paper, to generate new ideas, we propose to utilize "prop comedy", a Japanese traditional comedy style, as a means of revealing hidden affordances of the existing objects.
著者
西本 一志 竹内 慎吾 高島 健太郎
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会インタラクション2022論文集
巻号頁・発行日
pp.736-739, 2022-02-21

創造性の高いアイデア発想をするためには,テーマに関連しつつ認知外の意外な情報を収集することが重要であるとされる.本研究では,既存のモノを対象として,その新しい使い方に関するアイデアを創造するための新しい発想技法である MonoBocaiを提案する.従来から,既存のモノの普通ではない使い方を発想することによるアイデア生成はしばしば行われている.しかしながら,そのような発想を行う際に,どうしても有用性のあるアイデアを生成しようとする意識が働き,発想の飛躍がなかなか生じない.そこで,モノが持つ隠れたアフォーダンスをあぶりだすための手段として,お笑いジャンルの 1つである「モノボケ」を活用することを試みる.本稿では,提案する発想技法について説明し,その有効性を検証するために実施した予備的な実験とその結果について述べる.
著者
富田 雄希 高島 健太郎 西本 一志
出版者
情報処理学会
雑誌
インタラクション2019論文集
巻号頁・発行日
no.1, pp.328-331, 2019-02-27

地域活性化の施策として,多くのご当地アイドルが各地で活動している.ご当地アイドルが円滑な活動を続けるためには,新規ファンの獲得が必要不可欠である.しかし,既存ファンコミュニティによる熱狂的応援や独特のルールなどが,潜在ファンの参入障壁を形成してしまう.本研究ではこの障壁を軽減するため,役割体験学習を活用した古参ファンの体験を追体験するノベルゲームを構築し,その効果を他者理解と愛着の増加の観点で検討する.モデルケースとして,石川県西金沢の商店街を拠点に活動する西金沢少女団の既存ファンコミュニティから実体験を収集し,その実体験を織り込んだノベルゲームBNO-Storyを潜在ファンに楽しんでもらう.このゲームにより,古参ファンがなぜ熱狂的応援をするのかを理解できるか,アイドルへの愛着が増加するかを評価する.
著者
太田 匡彦 大園 誠一郎 池田 朋博 中農 勇 平尾 佳彦 渡辺 秀次 高島 健次 平尾 和也
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科学会雑誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.95, no.5, pp.705-710, 2004-07-20
参考文献数
13
被引用文献数
1

(背景) 最近, 健康ブームで, スポーツ人口が増加しているが, 一部に運動後血尿を認める場合があり, 運動性血尿として注目されている. そこで, 最も一般的な運動であるランニングと血尿の検討を夏季において行った.<br>(対象と方法) 泌尿器科的疾患のないヘルシーボランティア109名に運動前安静時尿採取後, 5kmランニングを行い, 運動後尿を採取した. 評価可能例は90名で運動前後尿につき, 検尿, 尿沈査, フローサイトメトリーにより赤血球数, 赤血球形態について比較した.<br>(結果) 運動後の尿中赤血球数増加例が83名であり, 運動後顕微鏡的血尿例 (赤血球数3個/hpf以上) は32名であった. そのうち赤血球形態学的検討で dysmorphic pattern が23名と最多であった.<br>(結論) ランニングにより血尿が誘起され, 糸球体性血尿が中心と考えられた.
著者
水田 貴将 高島 健太郎 西本 一志
出版者
Information Processing Society of Japan
雑誌
情報処理学会研究報告. HCI, 研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション (ISSN:21888760)
巻号頁・発行日
vol.2018, no.1, pp.1-7, 2018-03-09

バンド活動などにおけるドラム演奏は,主にパターン演奏とフィルインという演奏技法で構成されている.フィルインとは,パターンとパターンの間やパターンの最後などに差し込まれる即興的な演奏のことで,うまく活用することで楽曲に変化をつけることができる.しかし,フィルインでは自由な演奏が可能にも関わらず,毎回どこか同じような演奏してしまいうといった問題を抱えているドラム奏者も少なくない.これは,ドラム演奏における自己表現機会の損失と言える.我々は,この問題を解消すべく,「ExHabitter」を開発した.このシステムは,行き詰りの原因の一つと想定される「奏者の癖」をシーケンシャルパターンマイニングによって抽出し,GUI上で奏者の演奏に対するフィードバックを行うことで,行き詰まりからの脱却を支援する.本稿では,ExHabitterの構成について述べるとともに,ExHabitterを用いたユーザスタディの結果を示し,それに基づき提案手法の有効性について検証する. : A drum performance can be classified into two parts: "Pattern" and "Fill-in". Fill-in is an improvised performance, commonly performed at the end of a pattern or between patterns. A drummer can express his / her own creative idea in the fill-in performances. However, there is a problem that many drummers often unconsciously perform similar fill-ins. To solve this problem, we developed a system named "ExHabitter," which supports the drummers to get rid of the habitual fill-in performances. This system extracts "habits of the player" from his / her performances by using a sequential pattern mining technique, and provides feedback to him / her so that he / she consciously grasp his/her habitual performances to get out of the deadlock situations. This paper describes the setup of ExHabitter, and investigates its effectiveness based on results of user studies.
著者
張 海峰 高島 健太郎 西本 一志
出版者
情報処理学会
雑誌
インタラクション2019論文集
巻号頁・発行日
no.1, pp.370-374, 2019-02-27

日常生活の中では,ある願望の実行を先延ばしすることがよく行われる.これを防ぐために,願望の実行を開始するためのモチベーションを喚起することが重要である.先行研究では,すでに遂行中のタスクのモチベーションを維持させる試みが多く行われてきたが,行動する「前」のモチベーションの喚起を試みた事例は少ない.そこで本研究では,行動開始のモチベーションを高めることを目的として,SNS上で表明された願望に対し,ユーザとそのフォロワーに対して,願望に関連する情報を継続的に提供することで実行開始を促す言霊テロシステムを提案し,その有効性をユーザスタディによって検証する.
著者
張 海峰 高島 健太郎 西本 一志
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. GN, グループウェアとネットワークサービス (ISSN:21888744)
巻号頁・発行日
vol.2019-GN-107, no.6, pp.1-8, 2019-03-11

日常生活の中では,何度も 「あることをしたい」 と言いつつ,長い時間が経っても行動に移さないという先延ばし行為がよく行われる.これを防ぐために,願望の実行を開始するためのモチベーションを喚起することが重要である.先行研究では,すでに遂行中のタスクのモチベーションを維持させる試みが多く行われてきたが,行動する 「前」 のモチベーションの喚起を試みた事例は少ない.そこで本研究では,行動開始のモチベーションを高めることを目的として,SNS 上で表明された願望に対し,ユーザとそのフォロワーに対して,願望に関連する情報を継続的に提供することで実行開始を促す言霊テロシステムを提案し,その有効性をユーザスタディによって検証する. : In our daily life, many people often procrastinate various things although they frequently say “I want to do that.” Such procrastinations cause a decline in the quality of life. In order to prevent the procrastinations, it is important to motivate them to start practice of their desires. In the preceding studies, there have been many attempts to maintain the motivation of tasks that are already underway. However, few cases tried to evoke motivation before starting acts. In this study, we propose a support system that motivates people to start action. This system watches tweets in Twitter to find manifests of desires. If a tweet including a manifest of a desire is found, this system starts to send related pieces of information to the desire to its sender and his / her followers until he / she achieves the desire. We conducted user studies and confirmed this system is effective to let the procrastinators to start actions on their desires.
著者
趙 暁婷 高島 健太郎 西本 一志
出版者
Information Processing Society of Japan
雑誌
情報処理学会研究報告. GN, グループウェアとネットワークサービス (ISSN:21888744)
巻号頁・発行日
vol.2018, no.1, pp.1-6, 2018-03-12

アイデア生成の上流過程である発散的思考活動では,幅広い視点から様々な知識や関連情報を収集することが求められる.特に新奇性が高いアイデアを産み出すためには,一見飛躍しているように思える意外な関連性のある知識や情報を得る必要がある.しかしながら,特になんらかの専門的な知識を有する者にとっては,その知識の枠を超えて発想を飛躍させることは容易ではない.この問題を解決するために,本研究では「子供の発想」に注目する.子供はしばしば,大人が思いつかないようなアイデアを思いつく.しかしながら,ほとんどの場合,子供のアイデアは非現実的なものであり,そのままでは役にたたない.そこで,同じ課題に対する子供のアイデアを,専門知識を有する大人に提供し,これを参照しながら実用的なアイデア生成を行う手法を提案する.被験者実験により,提案手法の有効性を検証する. : In the divergent thinking process, an upstream process of idea generation, it is required to collect various knowledge and related information from a wide viewpoint. In particular, in order to produce ideas with high novelty, it is necessary to obtain unexpectedly relevant knowledge and information which seems to be leaping at first glance. However, it is not easy for a person with some specialized knowledge to leap the idea beyond the boundary of that knowledge. In order to solve this problem, we focus on "children's ideas" in this research. Children often come up with ideas that adults cannot think of. However, in most cases, the ideas of children are not feasible and it is not useful as they are. Therefore, we propose a novel divergent thinking method where children's ideas are referred to. We conducted user studies and verified the effectiveness of the proposed method.
著者
織田 慎一郎 高島 健太郎 西本 一志
出版者
情報処理学会
雑誌
インタラクション2019論文集
巻号頁・発行日
vol.3P-72, pp.954-957, 2019-02-27

多様な人材間でのコラボレーションを促すため,マッチング,交流イベントの開催やコワーキングスペースなどの場所作りが積極的に行われている.しかし,初対面の者同士でコミュニケーションを開始,継続することは容易ではなく,効果的な自己開示が求められる.本研究では,これまで検討がされていなかった,嫌いなものや苦手なものといったネガティブな情報に着目し,その共有によるコミュニケーションの触発効果について調査する.予備実験の結果,シングルケースではあるが,ネガティブ情報の提示により,コミュニケーションが開始されることが確認された.また,ポジティブ情報と比べ,ネガティブ情報では好き/嫌いの程度と理由の個人差を意識せず済むという意見が得られた.
著者
星野 佑輔 高島 健太郎 西本 一志
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. EC, エンタテインメントコンピューティング (ISSN:21888914)
巻号頁・発行日
vol.2019-EC-51, no.13, pp.1-8, 2019-02-15

人は仕事や勉強などのやらねばならない必須タスクでも,「やる気が出ない」 という理由で後回しにしてしまうことがよくある.この問題に対し,たとえばゲーミフィケーションのように,従来はタスクの実行中やタスク自体に動機づけのための要素や機能を付け加えて支援する試みが多くなされてきた.これに対して本研究では,ビデオゲームによって好ましい効果が得られるといういくつかの先行研究で得られた知見に基づき,タスクの性質や構成に手を加えるのではなく,タスクの直前にビデオゲームをプレイすることで,タスクに対するやる気を向上させることができるのではないかという仮説を立てた.この仮説が支持されるかどうかを調査するための実験を 2 つ実施した.第 1 の実験では,ビデオゲームの難易度がタスクへのモチベーションにどのように影響するかを評価した.第 2 の実験では,ビデオゲームをプレイすること自体がタスクに対するやる気向上に影響があるかどうかを調査した.結果として,ゲームをプレイすることによるモチベーションへの有意な影響は認められなかったが,ゲーム難易度の違いが影響を与える可能性が示唆された. : People often postpone even mandatory tasks such as business or study on the grounds that they do not get motivated. To solve this problem, there have been many attempts that add some elements and / or functions that evoke people's motivation to the tasks themselves and / or during execution of the tasks: gamification is a typical approach. In contrast with these conventional approaches that modifies the nature of the tasks, based on several preceding works on the positive effects of the videogames, we made a hypothesis that playing videogames just before the tasks positively affect the motivation for the tasks. To investigate whether this hypothesis is supported or not, we conducted two experiments. The first experiment was to estimate how the difference of difficulty of a videogame affects the motivation, and the second one was to investigate whether playing a videogame affects the motivation or not. As a result, it was suggested that the difference of difficulty affects the motivation, although playing the videogame does not significantly affect the motivation.