著者
村井 芳夫 東 龍介 篠原 雅尚 町田 祐弥 山田 知朗 中東 和夫 真保 敬 望月 公廣 日野 亮太 伊藤 喜宏 佐藤 利典 塩原 肇 植平 賢司 八木原 寛 尾鼻 浩一郎 高橋 成実 小平 秀一 平田 賢治 対馬 弘晃 岩崎 貴哉
出版者
北海道大学大学院理学研究院
雑誌
北海道大学地球物理学研究報告 (ISSN:04393503)
巻号頁・発行日
no.76, pp.147-158, 2013-03

2011年3月11日に,太平洋プレートと日本列島を乗せた陸側のプレートとの境界で2011年東北地方太平洋沖地震が発生した.この地震は,日本周辺では観測史上最大のマグニチュード9という巨大地震だった.本震発生後には多数の余震が発生するが,大地震発生のメカニズムを解明するためには,正確な余震分布を調べることが重要である.全国の6つの大学と海洋研究開発機構,気象庁気象研究所は,本震発生直後から共同で100台以上の海底地震計を用いて余震観測を行った.2011年6月中旬までのデータから,震源域全体で約3か月間の精度の良い震源分布が得られた.余震の震源の深さは,全体的に陸に近づくにつれて深くなっていた.震源分布からは,本震時に大きくすべったプレート境界では余震活動が低いことがわかった.上盤の陸側プレート内では余震活動が活発で,正断層型と横ずれ型が卓越していた.太平洋プレート内の余震も多くが正断層型か横ずれ型だった.このことから,日本海溝付近の太平洋プレート内の深部と上盤の陸側プレート内では,本震の発生によって応力場が圧縮場から伸張場に変化したことが示唆される.
著者
高橋 成子
出版者
京都市立芸術大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

物体知覚と空間知覚における知覚的文脈がどのような脳内機構によって処理されるのかについて検討を行なった。知覚的文脈処理においては、4つの処理系が同定された。視覚情報処理において常に働く機構は、低次文脈処理、および、注意コントロールを担っていると考えられる。これに対して、過去記憶と照合して物体知覚における連合的文脈処理を担う機構、物体奥行き文脈処理を行う機構、空間奥行き文脈処理を行う機構は、刺激状況によって動的に働く。
著者
茅 暁陽 高橋 成雄 小俣 昌樹 吉田 典正 豊浦 正広
出版者
山梨大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究は、ユーザの情動を感知する情動センシング、情動をコンピュータ内で認知・利用する情動アナリシス、情動に適応する画像や映像を合成する情動適応型イメージシンセシスの各フェーズからなる閉じた処理ループを構成することにより、人間中心の情報ネットワークシステムの重要な基盤技術としての新しい CG技術-affective rendering の確立を目的として、感情価と覚せい度で構成される 2 次元情動モデルを使用し、各種視覚要素が情動に与える影響の調査、生体情報より2次元情動空間における状態の推定および情動を特定な状態に誘導する視覚アニメーションの設計と提示技術を開発した。
著者
崔 寛三 高橋 成人
出版者
日本育種学会
雑誌
育種學雜誌 (ISSN:05363683)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.197-204, 1979-09-01
被引用文献数
1

発芽時の光に対して遺伝的に異たる反応性をもつレタス品種MSU15(暗発芽性)とMSU16(光発芽性)とを用い,両品種の種子形成条件と発芽特性との関係を検討した。その結果,MSU15の暗発芽性は種子形成過程が短目条件であるとき,その特性が明瞭に認められた。一方,MSU16の光発芽性は種子形成期の低温条件によって誘起され,高温条件によって抑制される傾向を示した。また,種子の貯蔵日数に伴なって両品種の光反応性は大きく変動し,以下に述べる3つの特徴のある生理相が認められた。変動第1期(収穫直後から貯蔵3ケ月まで)両品種とも比較的に高い暗発芽率を示すが遠赤色光の照射によって,その暗発芽は抑制される。変動第2期(貯蔵後4ケ月から8ケ月まで)両品種とも暗発芽率が急激に低下するが赤色光の照射によって,その暗発芽は著しく促進される。変動第3期(貯蔵9ヶ月から15ヶ月まで)品種MSU15の種子発芽は光によって影響されないがMSU16の種子は赤色光による発芽促進と青色光および遠赤色光による発芽抑制が認められる
著者
山本 哲也 高橋 成子 花川 隆 浦山 慎一 福山 秀直 江島 義道
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.143, pp.23-28, 2006-06-29

立体運動効果とは、前額平行面内において視軸について回転する2次元の視覚刺激によって、あたかも3次元の物体が運動しているかのように知覚される現象である。これを刺激に用いることによって、奥行き、運動、形態の3つの情報処理を分離することが可能である。本研究では、運動と形態が奥行き知覚に対してどのように寄与するかを明らかにするために、fMRI実験を行った。その結果、MT+、LO、V3Bを含む後頭側頭領域は、奥行きの抽出に重要な役割を果たしていることが示唆された。DIPSM、DIPSAを含む背側頭頂間領域は知覚された3次元物体の運動軌道の計算、V3A、V7、VIPSを含む腹側頭頂間領域は高次領域で高度な処理を行うための情報抽出に関わっていると考えられた。