著者
甲野 勇
出版者
日本人類学会
雑誌
人類學雜誌 (ISSN:00035505)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.32-33_1, 1925-01-25 (Released:2010-06-28)
被引用文献数
1
著者
岡田 宣子
出版者
The Anthropological Society of Nippon
雑誌
人類學雜誌 (ISSN:00035505)
巻号頁・発行日
vol.79, no.2, pp.139-150, 1971 (Released:2008-02-26)
参考文献数
12
被引用文献数
3 1

示數7項目を用い,日本人(5歳~20歳,各年齢男女各100名)の身体比例の年齢的変化を観察した.また,示数7項目を組み合わせて身体比例に基づく年齢区分を試みた.その結果,示数項目の年齢による変化様相は男女とも3つの型(増加型,減少型,増加•減少型)に分類出来る.身体比例は年齢とともに変化してゆくが,各年齢の体型を特徴づけて考えると類似した体型を一括することが出来る.そこで Table3のように,身体比例に基づく年齢区分を行なった.
著者
三沢 章吾 林田 良子
出版者
The Anthropological Society of Nippon
雑誌
人類學雜誌 (ISSN:00035505)
巻号頁・発行日
vol.78, no.3, pp.177-186, 1970 (Released:2008-02-26)
参考文献数
13
被引用文献数
1 1

北海道新冠地方のアイヌ108名(純血に近いアイヌ40名,1/2,1/4程度の混血アイヌ68名,日本人との平均混血度1/2)について,ABO式, MNSs式, Rh式, Q式, Lewis (Lea)式, Kell式, Duffy(Fya)式, Kidd (Jka)式の8種類の血液型を検査し,次のような遺伝子あるいは染色体頻度を得た.1) ABO式血液型純血アイヌ:p=0.1963±0.0470, q=0.0929±0.0333, r=0.7107±0.0481,混血アイヌ:p=0.2514±0.0401,q=0.1768±0.0344,r=0.5718±0.0463.2) MNSs式血液型,純血アイヌ:m=0.4500,n=0.5500,混血アイヌ:m=0.4780,n=0.5220,比較的純血に近いアイヌ50名について, M, N, S, s抗原を調べると, MSMs 2名, MsMs 9名, MNSs 5名, MsNs 19名, NSNS 1名, NSNs 5名, NsNs 9名であった.3) Rh式血液型アイヌ全体として頻度を計算すると, R1(CDe)=0.5479, R2(cDE)=0.2291, Rz(CDE)=0, R0(cDe)=0, r(cde)=0.0458, r'(Cde)=0.0482, r"(cdE)=0.1282であった.4) Q式, Lewis 式血液型,純血アイヌ:Q=0.0382±0.0214, Lea=0.5244±0.0499,混血アイヌ:Q=0.1340±0.0292, Lea=0.6184±0.0416.5) Kell式, Dully 式, Kidd 式血液型.純血アイヌ:K=0.0000, Fya=1.0000,混血アイヌ:K=0.0000,Fya=0.8788.純血アイヌ28名について Kidd 式血液型を調べると Jk(a+)型22名,Jk (a-)型6名であった.
著者
小田 静夫 Keally Charles T.
出版者
日本人類学会
雑誌
人類學雜誌 (ISSN:00035505)
巻号頁・発行日
vol.94, no.3, pp.325-361, 1986
被引用文献数
4

日本の旧石器時代の研究において,一つの関心事は日本列島に最初に渡来した人類の問題であろう.現在多数の研究者は1万-3万年前頃の旧石器時代人類の存在は認めているが,3万年以前に遡るとされる所謂「前期旧石器時代」になると,その存在に賛否両論があり現在未解決の問題として残されている.日本の前期旧石器時代については,1969年頃から芹沢長介により本格的に研究され始め,全国に遺跡,遺物の発見があった.しかし,ここ数年,岡村道雄•鎌田俊昭らが宮城県内で推進している「新たな前期旧石器時代」の提唱は,芹沢により研究されてきた本来の「前期旧石器問題」を解決させることなく,これこそ真の石器であり,遺跡も完壁なものであると力説する.現在宮城県内で33ヵ所の前期旧石器時代遺跡が発見されており,その中でも座散乱木,馬場壇A,志引,中峯C,北前,山田上ノ台遺跡等が有名である.
著者
八木 奘三郎
出版者
日本人類学会
雑誌
人類學雜誌 (ISSN:00035505)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.1-6, 1917-01-25 (Released:2010-06-28)

2 0 0 0 OA 蝸牛考

著者
柳田 國男
出版者
一般社団法人 日本人類学会
雑誌
人類學雜誌 (ISSN:00035505)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.125-135, 1927-04-25 (Released:2010-06-28)
被引用文献数
1

2 0 0 0 OA 見ないカムイ

著者
宮坂 光次
出版者
一般社団法人 日本人類学会
雑誌
人類學雜誌 (ISSN:00035505)
巻号頁・発行日
vol.39, no.7-9, pp.274-279, 1924-11-14 (Released:2010-06-28)
著者
鈴木 隆雄 百々 幸雄 西本 豊弘 三橋 公平
出版者
The Anthropological Society of Nippon
雑誌
人類學雜誌 (ISSN:00035505)
巻号頁・発行日
vol.91, no.4, pp.455-463, 1983 (Released:2008-02-26)
参考文献数
21

北海道縄文時代後期末葉に属すると考えられる三ツ谷貝塚出土人骨において,成人および小児の上顎洞内に極めて特徴ある骨増殖像が認められた。この所見は,臨床耳鼻咽喉科学上,いわゆる"遊離骨片"と診断されるものであるが,本症例のように巨大な骨塊を呈するものは臨床的にも,また古病理学的にも比較的稀なものである。今論文はこの"遊離骨片"について,その形態,古病理学的診断等について述べるとともに本症の病因や遺伝的素因についても若干の考察をおこなった。
著者
五十嵐 由里子
出版者
日本人類学会
雑誌
人類學雜誌 (ISSN:00035505)
巻号頁・発行日
vol.100, no.3, pp.311-319, 1992
被引用文献数
4

現代日本人女性の遺体20体にっいて,腸骨耳状面の前下部に認められ,妊娠や出産に関係すると考えられている窪みや溝を観察し,その強さと,妊娠や出産の経験との関係を調べた.遺体の死亡年齢は49歳から99歳にわたり,このうち出産の経験がある者は16体であった.出産や流産にっいての情報は,家族へのアンケートによって得た.これらの窪みや強さは,事前に近代日本人の骨格標本の骨盤を調査して作った三段階の基準(強い,弱い,無し)に従って判定した.<br>その結果,強い窪みや溝は経産婦にのみ現れ,窪みや溝が無いと判定された1例は未産婦であった(Table 1と2).さらに,妊娠と出産の回数がわかった個体にっいて,これらの窪みや溝の出現状況を分析した結果,これらの特徴が出産の際にではなく妊娠の間に形成され,その強さは妊娠の回数とある程度の相関を持っことが示唆できた(Fig. 6).また,最終出産後18年から65年たっても,これらの窪みや溝は消えないことがわかった(Table 1).
著者
金関 丈夫 小片 丘彦
出版者
The Anthropological Society of Nippon
雑誌
人類學雜誌 (ISSN:00035505)
巻号頁・発行日
vol.69, no.3-4, pp.177-182, 1962-03-30 (Released:2008-02-26)
参考文献数
10
被引用文献数
1

A description and a discussion are given by the authors on a round shaped greenish coloring, seemingly caused by a decorative bronze disc on the squamal surface in the supraglabellar region of a male human skull from the Koura-site of the Earlier Yayoi-period together with an unnatural flatness of the bone surface in the supraasterional region on both sides of the same skull. According to the authors, these seem to have been caused by an incessant use, from an early age onward, of a headband with a copper disc fastened to it in front. This, being an unique instance among the Koura skulls, appears to indicate that the individual in question might have been of a special duty, presumably of a religious one.
著者
西村 眞次
出版者
日本人類学会
雑誌
人類學雜誌 (ISSN:00035505)
巻号頁・発行日
vol.31, no.6, pp.204-214, 1916
著者
出口 米吉
出版者
一般社団法人 日本人類学会
雑誌
人類學雜誌 (ISSN:00035505)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.8-20, 1912-01-10 (Released:2010-06-28)

2 0 0 0 OA 飛島

著者
片山 一道 梅津 和夫 鈴木 庸夫 松本 秀雄
出版者
The Anthropological Society of Nippon
雑誌
人類學雜誌 (ISSN:00035505)
巻号頁・発行日
vol.93, no.1, pp.97-112, 1985 (Released:2008-02-26)
参考文献数
30

山形県酒田市に属する飛島は3集落(勝浦,中村,法木から成る小島であるが,小地域でヒト集団の小進化過程を解明する上で,すぐれたモデルを提供してくれるものと期待できる。前々報と前報では,そこでの人口構造,婚姻構造,さらにそれらから導かれる各種の遺伝学的パラメーターを斟酌することによって,飛島住民の身体形質には,遺伝的浮動を主因とすると思われる地域的分化が存在するという可能性が指摘できること,実際にも皮膚紋理形質については,そのことをある程度裏付けるような地域的分化が,集落間や本州一般集団との間で存在していることを立証してきた。本報では,合計389人の飛島在住者の血液試料から,23の遺伝的多型性形質について,集落ごとの遺伝子頻度を求め,集落間の遺伝的分化の大きさとパターンを詳細に分析することによって,飛島で生起した小進化過程の様相を推測するとともに,その主働要因についてな一層詳細に検討していこうとするものである。主な成績は次のように要約できる。1.検査した23種類の血液型システムのうち,LDH,AK,PGK,PHI では変異型が全く存在しなかったが,他の19システムでは多かれ少なかれ多型性が観察された。しかし,Rh(D)では(D-)型は法木集落で2人観察されただけである。2.多型状態にある形質のうち,Rh(D),Tf,ADA,SGOT を除いた15形質について,有意差検定を行ったところ,過半数の8形質で3集落間には有意な遺伝子頻度の差異があることが判明した。なかでも ABO 式と Gm 式血液型では極めて大きな集落間差が認められた。3.集落間差異の内訳をみると, MN と Gmと EsD では中村が,また ABO では勝浦が他の2集落から偏った遺伝子頻度を示すことに起因しており,総合的には中村と他の2集落とでは遺伝的組成をやや異にする傾向にあることが認められた。4.3集落間の遺伝的分化の大きさは,根井の分化係数(GST)が0.0117と推定されることから,かなり大規模なものであると評価できる。ちなみに,本州の遠隔3地方一般集団間の GSTは0.0008,アイヌと近畿人と先島人の間の GSTは0.0077である。5.多型性形質の遺伝子頻度について,各集落と日本人一般集団との間の偏差を標準化したのち,集落ごとに変異パターンを図示して,集落間分化のパターンを比較したところ,勝浦と法木の変異パターンは相対的には相互に類似しているが,中村のそれはこの両者によりもむしろ一般集団の方によく相似していることが判明した。6.しかし,一般集団の頻度を基準とした,遺伝子頻度の偏差の方向は,多くの形質では,3集落間で互いにかなり異った様相を呈しているとみるのが妥当である。7.飛島全体をプールしてみると,日本人一般集団と比較した場合,MN, P, Jk, Gc, Gm,Km, PGM1, PGD, EsD, sGPT など多くのシステムで,特徴的な遺伝子頻度を有しているものと判定できる。これらのうちには,飛島独自の特徴として示唆できるものもあるが,北部日本での共通な特徴である可能性があるものも少なくはない。8.以上の結果を総合すると,飛島の3集落間には大きな遺伝的分化があり,前々報で予測したように,基本的には遺伝的浮動などの機会的要因によって生起したものと考えることができる。しかし,勝浦と法木の間でのやや頻繁な通婚による inter-village migrations, さらには山形県の本州集団から中村への gene flowも,その分化には色濃く投影されている。また,集落成立時には,創始者効果も一定の役割を果したであろうということは想像にかたくない。しかし,このことを立証する積極的な証拠は全く見あたらない。むしろ,飛島での平均ヘテロ接合確率が比較的大きいことから,マイナーな要因であった可能性の方が高い。いずれにしても,本研究は,日本の小地域での小進化過程において,機会的要因だけでなく,gene flow もまた重要な役割を果してきたことを示す実例を提供してくれるものである。
著者
鈴木 尚
出版者
日本人類学会
雑誌
人類學雜誌 (ISSN:00035505)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.7-11, 1948-07-01 (Released:2008-02-26)
参考文献数
17
被引用文献数
49 62