著者
上田 良二
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.51, no.8, pp.596-597, 1996-08-05
著者
本郷 研太 小山田 隆行 川添 良幸 安原 洋
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.60, no.10, pp.799-803, 2005-10-05
被引用文献数
1

フント則の交換エネルギーによる解釈は誤りである.2電子系, 軽分子の低励起状態についてこの事実が指摘されて以来, 既に20年以上経つ.スピン最多重度状態の安定性は, 運動エネルギーはもちろん電子間斥力エネルギーをも増加させる代償として得られる原子核電子間引力エネルギーの低下に起因する.本稿は, 炭素, 窒素, 酸素原子の基底状態について同結論を拡散量子モンテカルロ法によって初めて検証し, 相関の役割を解析した.
著者
柴田 徳思
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.55, no.8, pp.579-586, 2000-08-05 (Released:2008-04-14)
参考文献数
10
被引用文献数
1

東海村JCO臨界事故はわが国初めての臨界事故であり,その事故調査のために原子力安全委員会の下にウラン加工工場臨界事故調査委員会が設けられ,1999年12月に報告書が出されている.事故の経緯,被ばく,放射線量,安全対策と今後の課題などについては詳細に示されているが,そこで発生した現象の物理的内容については述べられていない.臨界を起こすのに必要な量の考え方,連鎖反応を引き起こす中性子源等,臨界事故に関連した物理現象について事故の実態とともに示した
著者
市川 芳彦
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.47, no.7, pp.531-538, 1992-07-05
参考文献数
34
被引用文献数
1

プラズマのように変形し易い媒質には, いろいろな非線形現象が起こる. これらの非線形現象の研究から, ソリトンとカオスという新しい概念が誕生し, 目ざましい成長をとげた. ここでは, これらの新しい概念が, プラズマだけでなく, 理工学の広い分野における非線形問題の解明に対しても, 重要なインパクトを与えるものであることを協調したい.
著者
鈴木 英之
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.106-115, 1988-02-05

1987年2月, 大マゼラン星雲で発見された超新星は, 実に400年ぶりの明るい超新星であり, 多くの天文学者や物理学者が観測や理論的解析に追われている. 様々な観測手段によって様々な情報かえられているが, とりわけ神岡の陽子崩壊実験グループとそれに続くIMBグループによる人類史上初のニュートリノバーストの観測は, 超新星の研究だけにとどまらず, 素粒子・原子核物理に対しても興味深い情報を提供してくれた. しかし会員諸氏の多くはお星様とは縁遠い生活を送っておられ, ニュートリノバーストをはじめ超新星についてはあまり御存知ないことと思われるので, 本稿では超新星のメカニズムとニュートリノ放出の概要を広く知っていただくため, 一般的な解説を行う。
著者
倉本 義夫
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.63, no.12, pp.923-925, 2008-12-05

物性研究所が,共同利用研究所として物性研究者のコミュニティに果たしてきた役割について,共同利用の各側面から簡単整理し,一物性研究者としての個人的な感想を述べる.また柏移転の影響や,将来へ向けての更なる飛躍の可能性についても言及する.
著者
田中 秀数 大沢 明 二国 徹郎 押川 正毅
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.110-114, 2001-02-05

基底状態が磁化をもたない1重項で,励起状態との間に有限の励起ギャップをもつ,スピンギャップ系とよばれる物質が近年数多く見つかってきた.このスピンギャップ系にギャップを壊すほどの強い磁場を加えると,ある温度で相転移が起き磁気秩序が生ずる.本稿ではTlCuCl_3で観測されたこの磁場誘起相転移と,これが磁気励起であるマグノンのボース・アインシュタイン凝縮として理解されるに至った経緯を述べる.