著者
三浦 義彰
出版者
千葉医学会
雑誌
千葉医学雑誌 = Chiba medical journal (ISSN:03035476)
巻号頁・発行日
vol.70, no.4, pp.211-216, 1994
著者
石出 猛史
出版者
千葉大学
雑誌
千葉医学雑誌 (ISSN:03035476)
巻号頁・発行日
vol.69, no.6, pp.399-403, 1993-12-01

江戸時代末期において,千葉市内で実施された種痘について書かれた古文書をもとに,当時の予防医学について検討を行った。安政7年佐倉藩の医師2名が,現在の千葉市若葉区平川町に巡回し,近隣の町村の児童に種痘を行った。この佐倉藩医師の巡回による種痘は,慶応3年2月に仮種痘所が設置されるまで行われた。平川町における種痘は,佐倉藩領民のみならず,他領の町村民にまで施された。しかし,この時の佐倉藩領民の受診率は決して高いものではなかった。その理由として,1人当り300文の種痘代の負担が考えられる。その他には,疾病および予防医学に対する,住民の理解不足が推定された。種痘実施のsystemに関しては,村役人を通じての,藩政府からの通達の徹底化,「宗門五人組帳」の受診者台帳としての利用,仮種痘所の設置など,現代の予防接種施行の基礎が,すでにできあがっていたことが推定された。
著者
松原 久裕
出版者
千葉医学会
雑誌
千葉医学雑誌 = Chiba medical journal (ISSN:03035476)
巻号頁・発行日
vol.66, no.4, pp.261-270, 1990-08-01

HTLV-1とSV40のプロモーターを用いた発現型cDNAライブラリーとモノクローナル抗体を用いて細胞表面抗原遺伝子のcDNAクローン化の条件を種々検討した。COS7細胞への遺伝子導入の効率をプロトプラスト融合法とDEAE-デキストラン法においてFACSを用いて比較検討した結果,DEAE-デキストラン法において導入効率が数倍高かった。また,DEAE-デキストラン法において導入DNA量と形質発現に至るまでの時間の検討をFACSを用いて行った結果,10μgのDNAを用いて遺伝子導入を行い48時間後が最も形質発現の効率が高かった。さらに目的とする遺伝子クローンを選別するための遺伝子導入-パニング-Hirt法による遺伝子回収という方法におけるenrichmentの効率をヒトIL-2レセプターcDNA,抗ヒトIL-2レセプター抗体を用いてコロニーハイブリダイゼーション法により解析した。この結果,目的とするcDNAが1/10^4以上含まれていれば1回の操作で約30倍に濃縮され,本法が表面抗原をコードする遺伝子のクローニングに有用であることを示した。次にB16マウスメラノーマ細胞より作製したcDNAライブラリーを用い,マウスメラノーマ抗原遺伝子のcDNAクローニングに成功した。また,種々の細胞,臓器におけるこの遺伝子の発現様式をノザンブロット法により解析したところ,マウスメラノーマ細胞に遺伝子発現を認めたが正常組織には検出できなかった。
著者
西川 悟 池平 博夫
出版者
千葉医学会
雑誌
千葉医学雑誌 (ISSN:03035476)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.109-122, 1995-04-01
参考文献数
31

天然^<13>C-MRS法を用いて安全性を保ちつつ, 人体からカーボンスペクトルの測定を試みた。さらに本法を用いて, ヒト肝臓, 骨格筋におけるグリコーゲン代謝の食事, 運動などの影響を測定し, 臨床応用に向けて基礎的な検討を行った。使用装置は市販の1.5テスラMRIで, 送受信には肝臓, 骨格筋に合わせ^<13>C用コイルを作製して用いた。対象は健康男子ボランティアである。ヒト肝臓において, 脂肪酸アシルチェーンのスペクトルが12.4-39.3ppmに, グリセロールおよびグリコーゲン(C2-C6)が53.8-75.2ppm, グリコーゲン(C1)が95.6-106.3ppm, 脂肪酸二重結合が126.0-135.5ppm, クレアチンが158.3ppm, 脂肪酸, 蛋白, リン脂質などのエステル結合が172.9ppmに見られた。グリコーゲン(C1)スペクトルより, 肝臓グリコーゲンが食事により上昇しその後除々に減少していく経過を, また運動により早期の段階から減少する様子をとらえた。グルコース投与例においては肝臓内に取り込まれたグルコースピークを, C1-αは88.0, 98.8ppmに, C1-βは91.9, 102.1ppmに認めた。これらグルコースから肝臓内でグリコーゲンが合成され, それが時間と共に減少していく過程を追跡できた。骨格筋においては炭水化物ローディング法を用いて, グリコーゲン量の変化を測定可能であった。蛋白中心の食事と激しい運動により一時的に減少するものの, その後の高炭水化物食の投与で除々に増加し, 第7日日には施行前の約130%を呈していた。^<13>C-MRS法を用いて, 骨格筋および肝臓内グリコーゲンの細胞レベルでの代謝や調節過程を, 瞬時にしかも無侵襲に測定できる可能性が示唆された。
著者
石出 猛史
出版者
千葉医学会
雑誌
千葉医学雑誌 (ISSN:03035476)
巻号頁・発行日
vol.82, no.1, pp.15-23, 2006-02-01
参考文献数
13
著者
石出 猛史
出版者
千葉大学
雑誌
千葉医学雑誌 (ISSN:03035476)
巻号頁・発行日
vol.72, no.4, pp.225-233, 1996-08-01

日本国内が尊皇攘夷運動で揺れる中,佐倉藩も真忠組の乱・水戸藩子年騒動などに際して頻繁に出兵を強いられた。元治元年(1864)前藩主堀田正睦が没した後,慶応年間に入っても医療制度改革は継続して行われた。この改革は藩の兵制改革の一環として行われた。その内容は,(1)藩の制式医学として西洋医学の採用と漢方医学の廃止,(2)藩医の職制の変更と軍医としての再編成,(3)養生所の開設が挙げられる。しかし明治新政府の成立に伴って明治3年(1870)種痘事業も医学所から在野の町医に移管され,同年11月には佐倉藩医学所も閉鎖された。その後も藩校において医学教育は行われたが,明治5年の学制発布に伴って藩校も閉鎖された。ここに39年間にわたる佐倉藩独自の医療制度も幕が下ろされた。
著者
角坂 育英
出版者
千葉医学会
雑誌
千葉医学雑誌 = Chiba medical journal (ISSN:03035476)
巻号頁・発行日
vol.60, no.6, pp.357-365, 1984-12-01

肺原発扁平上皮癌患者45例に対して,bleomycin (BLM)とmitomycin-C (MMC)併用療法(以下B-M療法)を施行し,抗腫瘍効果,延命効果を評価し,さらに放射線治療との合併療法についても検討を加えた。B-M療法はBLM 5mgを7日間連日点滴静注したのちMMC 0.2mg/kgを一回静注し,これを1コースとする。このあと1週間の休薬期間ののち同じコースをくり返し2コース以上行なうことを原則とした。放射線治療との合併療法は45例中35例について行なったが,ここではB-M療法,放射線治療の抗腫瘍効果を各々求めたあと全体としての評価を併せて行なった。また対象を4群に分けて抗腫瘍効果および延命効果を評価した。第1群はB-M療法のみ施行,第2群はB-M療法後に放射線治療を施行,第3群は放射線治療後にB-M療法を施行,第4群はB-M療法と放射線治療を同時に施行した症例である。全体としての奏効率は第1群20.0%,第2群46.2%,第3群50.0%,第4群50.0%であり,B-M療法のみを第1群,第2群から評価すると奏効率は13.0%であった。生存期間はB-M療法,放射線治療いずれか先行した治療開始日より算定した。中間生存期間を4群について検討した結果は第1群18.4過,第2群37.7週,第3群34.7週,第4群44.3週であり,抗腫瘍効果,延命効果ともに第4群で良好な成績が得られた。副作用ではBLM肺臓炎が6例にみられ,うち3例が治療にもかかわらず死因となり,B-M療法施行のうえで最も重篤な副作用となった。
著者
野田 公俊
出版者
千葉医学会
雑誌
千葉医学雑誌 = Chiba medical journal (ISSN:03035476)
巻号頁・発行日
vol.93, no.4, pp.161-165, 2017-08

[注記] 本稿は,本会の助成により,野田公俊先生が長年に亘り実施され,文部科学大臣表彰「平成20年度科学技術分野の科学技術賞(理解増進部門)」受賞の対象となった「全国無料出張講演」についての報文を「化学療法の領域」2017年2月号より許可を得て転載したものであります。
著者
馬場 雅行 山口 豊 岩崎 勇
出版者
千葉大学
雑誌
千葉医学雑誌 (ISSN:03035476)
巻号頁・発行日
vol.60, no.5, pp.293-303, 1984-10-01

受動喫煙と肺癌の因果関係を検討する目的でB_6C_3F_1系マウスを用い,微量タバコ煙長期暴露による気道上皮の変化を観察した。暴露したタバコ煙のCO濃度は80ppm〜30ppmで,人間の実際の受動喫煙環境に相当する濃度に設定した。実験1:6ケ月間の微量タバコ煙暴露の結果,末梢気管支上皮細胞の肥大,増生像がみとめられ,呼吸細気管支では上皮細胞の肺胞側への増生,侵入像がみとめられた。回復実験の結果,これらの所見は可逆性変化と考えられた。実験2:18ケ月間の微量タバコ煙長期暴露と,MNU投与を併用する実験を行なった。MNUは0.2mg/マウスを週1回,計26回腹腔内に投与した。投与終了後1週間で病理組織学的検索を行なったが,MNUの単独投与群では末梢気管支上皮細胞の増生が著明で,腺腫様増殖像も認められた。微量タバコ煙暴露を続けながらMNUを同時に投与した群では,より強い末梢気管支上皮細胞の増生所見がみとめられ,さらに1例(6%)に腺癌の発生がみられた。またタバコ煙暴露を中止したのちMNUを投与した群では,末梢気管支上皮細胞の変化がMNUの単独投与群と同程度であり,肺癌の発生も認められなかった。微量タバコ煙暴露は,同時に行なうことでMNU投与によるマウス肺癌の発生を増強したと考えられ,助癌原作用(cocarcinogenic action)をもつ可能性が示唆された。また,本実験のマウス肺癌の発生母地は末梢気管支上皮と考えられた。
著者
榊原 隆次 福武 敏夫 平山 恵造
出版者
千葉大学
雑誌
千葉医学雑誌 (ISSN:03035476)
巻号頁・発行日
vol.68, no.4, pp.161-166, 1992-08-01
被引用文献数
1

単純ヘルペス脳炎(HSE)自験30例を,臨床症候・画像検査により側頭葉型,側頭葉脳幹型,脳幹型に分けると,脳幹型(7例,23%)は他の2型に比し,発病早期には頭痛,発熱が少なく,GOT・GPT値の異常高値がみられず,初回腰椎穿刺時の髄液圧が平均85mmH_2Oと低く,病像完成期には意識障害が高度であったが,脳波上での周期性同期性放電がみられないなどの特色を示した。脳幹障害を示唆する症候として,corectopiaや対光反射消失などの瞳孔異常,眼頭反射の消失や緩徐・急速相のない自発眼振などの眼球運動異常,無呼吸や吃逆様呼吸などの呼吸異常を認めた。硬膜下水腫の合併が2例にみられたが非手術的に軽快し,死亡例・再発例がなく,自然軽快例もみられるなど予後良好であった。以上の脳幹型HSEの特徴はHSEの早期診断および治療にとって重要と考えられた。
著者
川村 健二
出版者
千葉大学
雑誌
千葉医学雑誌 (ISSN:03035476)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.33-39, 1986

精索静脈瘤が男子不妊症の原因となり得るかどうか,および本症が造精機能障害をもたらすとすればそのメカニズムについて検討し,次の結果を得た。1.精索静脈瘤のある不妊症の精液所見では,特発性不妊症患者の精液所見と比較して精子運動率が低下する傾向がみられた。2.精索静脈瘤手術により精液所見の改善と妊娠率の向上がみられた。3.コルチゾール,セロトニン,プロスタグランディン(PG)E,PGFを内精静脈血と末梢血で比較した結果,コルチゾール,セロトニンは両者の間に差を認めなかったが,PGE,FGFはともに内精静脈血で有意に高値を示した。4.内精静脈造影所見では,腎への逆流のある群と逆流のみられない群に分けることができた。精液所見の改善および妊娠率は前者の方が良好であった。以上より精索静脈瘤は男子不妊症の原因の一つであり,その機序として内精静脈を通して腎静脈血が逆流し,これに含まれるPGが造精機能障害をおこしていると推測された。
著者
白澤 浩
出版者
千葉医学会
雑誌
千葉医学雑誌 (ISSN:03035476)
巻号頁・発行日
vol.81, no.6, pp.301-304, 2005-12-01
参考文献数
5
著者
岡林 篤
出版者
千葉大学
雑誌
千葉医学雑誌 (ISSN:03035476)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.73-80, 1974-04