著者
安部 晃司 北 恵実 中谷 朋昭 村上 智明 伊藤 暢宏 中嶋 康博
出版者
日本フードシステム学会
雑誌
フードシステム研究 (ISSN:13410296)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.286-291, 2021 (Released:2021-03-25)
参考文献数
11
被引用文献数
1

In this study, we examined the differences in food preparation efforts and their causes. We used two-step online survey data comprising 50,000 samples with 726 samples in each step. We clustered the data by the degree of effort, obtaining four clusters of individuals—those who enjoyed preparing and expressed concern for every meal, enjoyed preparing dinner, sought to minimize their efforts, and preferred quick meals in all situations. We then measured the food values using the best–worst scaling method and found that attitude differences toward food preparation were well characterized by differences in food values and socioeconomic conditions.
著者
曽我部 信広 久野 雅智 中釜 悠 幕内 陽介 原田 尚憲 高桑 輝人 岡村 浩史 廣瀬 朝生 西本 光孝 中嶋 康博 康 秀男 中前 美佳 城戸 康年 中前 博久 日野 雅之
出版者
一般社団法人 日本血液学会
雑誌
臨床血液 (ISSN:04851439)
巻号頁・発行日
vol.63, no.10, pp.1379-1385, 2022 (Released:2022-11-10)
参考文献数
15

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対するmRNA COVID-19ワクチン接種後に自己免疫性血球減少を発症することが知られているが,成熟B細胞腫瘍患者のワクチン接種が腫瘍随伴症状へ与える影響を調べた報告はない。症例は71歳男性。数年前に成熟B細胞腫瘍を疑う症状があったが自然軽快し経過観察されていた。BNT162b2 mRNA COVID-19ワクチン2回目接種10日後に温式自己免疫性溶血性貧血を発症した。貧血はステロイドで改善したが,脾腫,IgM-M蛋白血症,腎障害が増悪した。診断・治療目的に脾臓摘出術を施行し,脾辺縁帯リンパ腫と診断され,M蛋白血症,腎障害は改善した。本症例でSARS-CoV-2特異的抗体の獲得は障害されていた。ワクチン接種後の非特異的な免疫賦活が,成熟B細胞腫瘍の腫瘍随伴症状を増悪させる可能性が示唆されたが,病態解明のためにさらなる症例集積が必要である。
著者
幸田 正典 堀 道雄 神田 猛 中嶋 康裕 ROSSITER Andrew 及川 信 狩野 賢司 ロシター アントリュー
出版者
大阪市立大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1998

3年の調査期間に1)魚類群集の種構成と構成種の形態の隔絶地域での比較研究、2)沿岸性カワスズメ類の人工岩礁への定着とその後の継続観察、3)永久調査区での構成種の個体数と種構成の継続調査、4)カワスズメの口器形態に見られる左右性の種毎の頻度の調査、5)いくつかの魚種での繁殖戦術の解明、6)複数種での特異的な共生関係の把握、等が行うことができた。1)では、砂浜により隔絶された岩礁性カワスズメでの、形態的差異が明らかになりつつあり、あわせてその変異の角魚類群集における意味についても検討が始まっている。2)では、定着の早い種遅い種について、その違いをもたらす要因について比較検討がなされつつある。3)では今回の調査から、岩礁性魚類群集が極めて安定していることが明らかとなった。この問題にからんだ大規模な魚種除去実験の結果からこの安定性をもたらす要因の検討をはじめている。4)ではカワスズメ類各種の左右性の頻度が、ほぼ5年周期に起こることが今回の継続調査によりほぼ実証された。この周期性は捕食・被食関係に大きく起因することが示唆される証拠も得られた。5)では、魚類ではこれまで報告のない協同的一妻多夫制の例が2種で見つかった。なぜこの2種でこの婚姻形態が見られるのか、その成立要因も含め現在詳細な分析が進んでいる。また、雄のスニーキング戦術の見られた種では、父性判定により、その戦術が同湖魚類では初めて実証された。6)では、ナマズ類での托卵現象や淡水魚ではこれまで報告のない魚類間でのクリーニング共生関係の存在も明らかにされた。成果の一部はすでに公表しているが、今後魚類群集の安定性とそれをもたらす要因解明の野外実験結果、左右性の周期性、さらに多様な種間関係の発見等の解析から、同湖魚類群集の多様性と可塑性についての研究成果は、順次公表の予定である。
著者
中嶋 康之 源 裕介
出版者
一般社団法人 千葉県理学療法士会
雑誌
理学療法の科学と研究 (ISSN:18849032)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.8_21-8_23, 2017-03-20 (Released:2023-07-04)
参考文献数
8

【目的】一般型シンスプリントの従来の発生機序とは異なり,現在新たな発生機序が示唆されている。現在の発生機序では長趾屈筋腱と後脛骨筋腱の両腱が交差する位置(クロスポイント)が重要視されている。しかし超音波画像診断装置にてクロスポイントの位置を示した報告はない。そこで本研究は超音波画像診断装置を用い,クロスポイントの下腿における相対的位置を明確にした。【方法】超音波画像診断装置を用い,両腱が交差する位置をクロスポイントとし体表にマークした。内果からのクロスポイントまでの距離を計測するとともに脛骨長を100%としクロスポイントの相対的位置を求めた。【結果】内果より計測したクロスポイントの位置は最大9.1㎝,最小で5.7㎝であり,平均7.9㎝(SE=0.2)の位置に存在した。また相対的位置に関しては平均22.5%であった。【結論】超音波画像診断装置でもクロスポイントの描出は肉眼解剖とほぼ同様にその位置を示せることが示唆された。
著者
中嶋 康雄
出版者
日本経営倫理学会
雑誌
日本経営倫理学会誌 (ISSN:13436627)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.191-208, 2021 (Released:2021-12-27)

It is common knowledge that the Japanese economy has been in a long-term stagnation for the past 10 to 20 years. A company that is to continue its past growth must increase productivity by adding value. Innovation is essential for this. Protracted economic decline is indicative of impaired management capability. Using various data showing corporate activities in the Japanese economy since the beginning of the twenty-first century, I investigate management attitude toward and the decisions made regarding innovation. I find that less creative innovation is consequent to, among others, management indecisiveness in taking risks and complacency in promptly acknowledging the importance of emerging IT or digital technologies. I conclude that there is a lack of proper incentives for technological innovation in information and communication technologies. The results highlight the significance of innovation for companies from the perspective of corporate governance and business ethics.
著者
植木 弘一 上屋敷 繁樹 染谷 忠男 吉岡 信也 中嶋 康仁 西田 慎一
出版者
一般社団法人 日本体外循環技術医学会
雑誌
体外循環技術 (ISSN:09122664)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.27-30, 2001

IABP施行時の下肢虚血や血管侵襲を防ぐために,細径化されたバルーンカテーテルと駆動装置の整合性を検討した。XEMEX,Datascope,アローの3社から市販されている8Fr40ccのバルーンをKAAT-2プラス,system97,XEMEX907,XEMEX908,BP-1,H-8000の各駆動装置を使用し,心拍数60bpm,120bpmの擬似心電図波形によりバルーンカテーテルを実験用モック内で駆動させ,拡張スピード,収縮スピード,駆動中のバルーン内容量を測定した。その結果は,バルーン拡張時KAAT-2プラスにおいてすべてのバルーンでスピードが劣る結果となり,XEMEX908で速い結果となった。バルーン収縮時でもKAAT-2でスピードが劣る結果となりSYSTEM97で速い結果となった。駆動中のバルーン内容量ではKAAT-2プラスで全てのバルーンで不完全膨張現象が見られ,System97,XEMEX908,BP-1で過膨張が確認できた。これらの結果よりバルーンカテーテルと,駆動装置の整合性を理解した上で使用する必要があると考えられた。
著者
村上 智明 中谷 朋昭 伊藤 暢宏 安部 晃司 北 恵実 中嶋 康博
出版者
日本フードシステム学会
雑誌
フードシステム研究 (ISSN:13410296)
巻号頁・発行日
pp.12, (Released:2021-12-10)
参考文献数
10

The COVID-19 pandemic is changing our food consumption behavior in many ways. Using the concept of food value, our analysis tried to capture the impact of the pandemic on what we focus on during food purchase. We found two main changes in food value trends. First, the number of people who place priority on price has declined. Second, we found a decrease in the number of people who strongly evaluate foods based on only one value. These changes seem to impact young people more, and the difference in food priorities between the rich and poor is reducing.
著者
吉岡 信也 西田 慎一 植木 弘一 中嶋 康仁 上屋敷 繁樹 染谷 忠男
出版者
一般社団法人 日本体外循環技術医学会
雑誌
体外循環技術 (ISSN:09122664)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.42-45, 1998

要旨ローラーポンプの欠点であるポンプヘッドのすり潰しによる溶血の発生や,不慮の回路閉塞による回路内の異常高圧の発生などを解消するため開発された,Better Header(ポンプinlet部からoutlet部にPressure relief valveを取り付けてある)を,安全性,機能性および溶血発生について実験的に評価した。その結果,ローラーポンプ駆動中に送血チューブをクランプしても異常高圧を発生することはなく,プレッシャーリリーフバルブの精度も信頼できるものであった。溶血の発生量が,通常のオクルージョン法より少ない結果であったノンオクルーシブオクルージョン(ボンブヘッドをルーズにかつバックフローが10%以下に設定する)は,Better Headerを使用することによって簡便に設定することができた。以上のことから,Better Headerはローラポンプによる体外循環の安全性を高め,溶血の発生を軽減できた。
著者
北野 直子 中嶋 名菜 福山 豊 中嶋 康博 松添 直隆
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.47, no.5, pp.254-259, 2014 (Released:2014-11-07)
参考文献数
17

2010,2012年に,熊本市と農耕祭事の行事が残っている阿蘇地域において質問紙調査を行った。質問は,年中行事の認知・経験と喫食状況であった。対象は,熊本市が136名,阿蘇地域が168名の食生活改善推進員であった。年中行事は,正月,節句,七夕など15行事であった。両地域の90%以上の者が,ほとんどの行事について認知,経験をしていた。「春祭り」,「秋祭り」の認知度,経験度は他の年中行事より低く,地域差は認められなかった。稲作儀礼を中心とした行事は,農業従事者の高齢化,農業就業人口の減少とともに廃れていき,行事食の伝承も難しくなっていると考えられた。行事食を家庭で作る割合は熊本市より阿蘇地域が高かった。熊本市に比し阿蘇地域が3世代世帯は多かった。その結果,年長者から子どもへ継承されやすいと考えられた。
著者
合崎 英男 中嶋 康博 氏家 清和 竹下 広宣 田原 健吾
出版者
農業情報学会
雑誌
農業情報研究 (ISSN:09169482)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.32-40, 2009 (Released:2009-04-01)
参考文献数
18
被引用文献数
1

携帯電話を通じてアクセスする食品リスク・コミュニケーション・システムを開発し,質問紙調査によってその有効性と改善方向を検討した.回答者は当該システムを通じて農薬に関する情報を得て,その評価結果を質問紙に回答するよう求められた.提供情報に対する閲覧者の理解度はおおむね高く,本システムの有効性を支持する結果が得られた.しかし,調査結果からはWeb情報の閲覧には金銭的なコスト意識も含めた心理的障壁の存在が明らかにされた.心理的障壁を乗り越えるためのインセンティブの程度についてはさらなる検討が必要である.
著者
中嶋 康博 荘林 幹太郎 小川 茂男 合崎 英男 高橋 太郎 山田 七絵 佐藤 赳 鄭 暁雲 宋 敏 王 維真
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

メカニズムデザインの手法を用い、中国南西部の湿潤地域と中国北西部の乾燥地域のそれぞれにおいて、農業生産者の土地資源および水資源の利用に対する望ましい政策介入について分析した。分析においては地理情報システムおよびリモートセンシングの技術を活用し、地域の空間的な特徴を内生化した経済モデルの設計を行った。
著者
幸田 正典 中嶋 康裕 宗原 弘幸 狩野 賢司 渡辺 勝敏
出版者
大阪市立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

最終年度には,安房田,大田,守田の三名を調査地に3ヶ月間派遣し,それぞれ,共同繁殖種オルナータス,雄の繁殖多型種ビッタータス,ランプロロギニ族全体の精子競争の問題の解明にあたった。まず,今回の調査でオルナータスは,おそらく脊椎動物の中でも最も多様な婚姻形態をとる種であることがほぼ明らかになってきた。一夫一妻,一夫多妻,共同的一妻多夫,古典的一妻多夫,多夫多妻とこれまで知られるありとあらゆる婚姻形態が確認された。大きな個体が雄だけでなく,雌にも存在する事がカワスズメ科魚類のなかでも最も婚姻形態が多様であることの要因であると言える。雌が雄より優位に振舞える点そして社会の複雑性の点で,鳥類の繁殖では,ドングリキツツキの共同繁殖に類似している。精子競争や婚姻形態の成立過程だけではなく,共同繁殖での操作,雌雄の対立,相互利他主義という極めて興味深い問題の実験材料として優れた対象動物であることが明らかとなった。今後様々な実験系を組むことで,実証研究材料として研究の発展が期待される。また,カリノクロミスについては,大型雌が存在しないため,鳥類の共同繁殖としてはヨーロッパカヤクグリ型と言う事ができる。ここでは最優位個体は雄である。このように種によるちがいの輪郭が明らかになってきた。ビッタータスでは,雄の代替繁殖戦術は条件次第で大きく変わりうる事,大きな可変性を持つ事が明らかになった。また,パイレーツ雄やスニーカー雄の存在は,共同繁殖のα雄戦術,β雄戦術の基本型とも見なしうる。本族の分子系統解析から,Telmatochromis属とJulidochromis,Chalinochromis属は類縁関係が近い事がわかってきた。雄の代替繁殖寄生戦術と共同繁殖におけるα,β雄の起源は相同的である可能性が高いことも示唆された。
著者
中嶋 康文 上野 博司 溝部 俊樹 橋本 悟
出版者
京都府立医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

血液単球系細胞からのTissue Factor(組織因子)の放出にRaf-MEK-ERK1/2pathway 及びその下流の転写因子Egr-1の関与がRNA 干渉法による遺伝子ノックダウン手技を用いて示唆された。クロドロネート前処理することで、血液中の単球系細胞を抑制したマウスにこれらの遺伝子ノックダウン単球系細胞を注入後、肺梗塞モデルマウスを用いて、肺梗塞の重症度及び生存率を検討したところ、Tissue Factorの発現、炎症系が抑制されることで重症度と生存率が改善した。