- 著者
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村上 雅彦
- 出版者
- 公益社団法人 日本化学会
- 雑誌
- 化学と教育 (ISSN:03862151)
- 巻号頁・発行日
- vol.63, no.5, pp.246-251, 2015-05-20 (Released:2017-06-16)
- 被引用文献数
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キレート滴定法は,エチレンジアミン四酢酸(EDTA)及びその類縁体が,多くの金属イオンと価数に依らず1:1のキレート錯体を形成することを利用した金属イオンの容量分析法である。この方法は,主にCa^<2+>及びMg^<2+>の滴定法(水の硬度の測定)として知られさているが,適当な条件と金属指示薬の使用によって多くの金属イオンのmg/Lレベルでの定量が可能である。本稿では,キレート滴定法の原理,そこで用いられる応用的な手法(逆滴定,置換滴定,マスキングなど)について概説するとともに,これを用いたいくつかの金属イオンの定量法を紹介する。