著者
鎌田 雅己 土肥 卓也
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.50, no.11, pp.1015-1021, 2012 (Released:2013-11-01)
参考文献数
3
被引用文献数
1

2007年春より着手されていた,東京駅丸の内駅舎は創建時の姿を取り戻し,2012年10月1日にグランドオープンを迎えた。創建から98年を向かえた丸の内駅舎であるが,弊社では日本の首都東京の顔として,今後の100年も皆様に愛される建物を目指して各種検討・工事を進めてきた。今回は丸の内駅舎の歴史的経緯と保存・復原工事について報告する。
著者
武若 耕司
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.50, no.10, pp.889-895, 2012 (Released:2013-10-01)

土木学会コンクリート委員会けい酸塩系表面含浸材設計施工研究小委員会では,コンクリート表面保護工法のうち,表面含浸工法に分類されるけい酸塩系表面含浸工法を対象として,この工法によるコンクリート表面の改質,ひび割れ補修あるいは各種劣化に対する抑制のための設計ならびに施工に関する技術指針と,性能評価のための試験方法を制定することを目的とし,活動を行った。けい酸塩系表面含浸材の主成分は,セメントの水和によって生じる水酸化カルシウムと反応し,コンクリート中にC-S-Hゲルを生成させるものである。このようなけい酸塩系表面含浸材の性能をより高く発揮させるには,種類に応じた適切な養生を行うことが重要である。本指針(案)では,けい酸塩系表面含浸材がコンクリートの表層部を改質するメカニズムに応じて,固化型と反応型に分類することを提案し,それぞれの型に応じた施工と養生を行う設計と施工の体系を示した。
著者
石田 壽一 小野 一隆 佐藤 芳治 小川 泰輝
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.52, no.8, pp.659-665, 2014 (Released:2015-08-01)
参考文献数
1
被引用文献数
1

東日本大震災において被害を受けた東北大学青葉山キャンパスの3つの実験研究棟(約7500~10000m2)の建替え工事が進捗している。復興のビジョンとして掲げた災害に強いレジリエントキャンパスの構築に向け,新しい実験研究棟には基礎免震構造を採用するとともに省エネやBCPにも対応している。復興建物の計画概要および大規模災害からの復興過程における建設需要の偏在による設計・施工時の課題をレポートする。
著者
小林 隆 大嶋 秀夫 太田 喜世治 斉藤 陽二
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.27-37, 1993-02-01 (Released:2013-04-26)
被引用文献数
1 1

跨座式モノレールは車輪にゴムタイヤを採用し, 急勾配, 小曲線半径においても快適な走行を可能とする都市交通機関である。軌道としてはプレストレストコンクリートげたを標準形式とし, このけた上を直接車両が走行することから, 一般の車両交通に供する橋りょうとは異なり, けたの製作, 据付け調整に軌道としての性能が要求される。したがって, 多くの線形要素に対応し, かつ厳しい精度を確保するための特殊型わく (モールド設備) が考案され, 種々の形状のPC軌道げたの製作を行っている。本稿においては, けた製作のほか, けた据付け調整も含め, 軌道としての精度確保の手法を紹介する。
著者
松尾 健次郎 宮川 治雄 荒巻 利男 原 誠
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.31, no.6, pp.33-44, 1993-06-01 (Released:2013-04-26)
参考文献数
3

日本初の開閉式ドーム屋根で覆われた, 直径約200 mの大規模スタジアムである福岡ドームは, 1993年3月31日に竣工し, 使用を開始している。切断球殻3枚で構成され1枚の重量約4000 tの屋根をスムーズに開閉するために, 屋根を支持する構造体には, 精度・強度など厳しい性能の確保が求められた。さらに施工期間が, わずか24か月という超短工期であった。このような制約を克服するため, 設計段階から複合化・省人化工法を積極的に採用した。以下, その概要について報告する。
著者
山本 貢 瀬戸川 葆 木村 稔
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.27-40, 1991-02-01 (Released:2013-04-26)
参考文献数
5
被引用文献数
1

本稿は, 関西電力 (株) 大飯発電所3・4号機PCCVのコンクリート工事の概要について述べたものである。高品質で信頼性の高い構造物を建設することを目指して実施した事前検討 (強度確保対策, 温度ひびわれ防止対策, 耐久性確保対策) から, 工事中の各種施工法 (液体窒素によるプレクーリング工法, 繊維型わく工法, ジャンピング型わく工法など) および温度履歴追従養生システムを用いた構造体コンクリートの強度管理法, コンクリート品質管理結果, 温度応力測定結果などについて紹介した。
著者
森 博嗣
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.34, no.12, pp.9-15, 1996-12-01 (Released:2013-04-26)
参考文献数
33

フレッシュコンクリートに関するレオロジー的な研究が盛んに行われるようになったが, 現状では多くのレオロジー試験は厳密すぎて, 不均質なコンクリートに簡単に適用することができない。また, コンクリート工事の現場では, 依然としてスランプ試験が行われている。スランプ試験も, 材料の力学性質を調べていることには変わりはないが, 試験を行う目的, つまり, 力学的な意味が明確に理解されていないことが, フレッシュコンクリートの品質評価を合理的に行うための一つの障害となっている。本稿では, フレッシュコンクリートの代表的なコンシステンシー試験によって測定されている材料性質の力学的 (レオロジー的) な意味を検討した幾つかの研究を紹介し, これらの評価試験の意義と問題点, さらに, コンシステンシー評価試験の今後のあり方について述べる。