著者
和田 章男 萩原 将文
出版者
日本感性工学会
雑誌
感性工学研究論文集 (ISSN:13461958)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.1-8, 2005-02-28 (Released:2010-06-28)
参考文献数
34
被引用文献数
2 2

We propose a Japanese font automatic creating system reflecting user's Kansei. In the system, a user inputs the impression of a font to create. Since a user does not have to do direct design work, a user without special design skill can easily obtain various fonts reflecting his/her Kansei. The proposed system operates based on the genetic algorithm. The genetic algorithm consists of two parts: a font creation part and a font evaluation part. By repetition of creation and evaluation, the system outputs a font which meets the demand of a user. In addition, by repetition of the genetic algorithm, various fonts are outputted. Furthermore, the system has the learning ability to reflect each user's Kansei. Through the experiment, we have confirmed the availability of the system, such as the diversity of created fonts and the satisfaction of each user.
著者
坂巻 顕太郎 兼清 道雄 大和田 章一 松浦 健太郎 柿爪 智行 高橋 文博 高沢 翔 萩原 駿祐 森田 智視
出版者
日本計量生物学会
雑誌
計量生物学 (ISSN:09184430)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.55-91, 2020 (Released:2020-12-04)
参考文献数
44

It is common to use hypothesis testing to decide whether an investigational drug is ineffective and to determine sample size. However, it may not be good practice that only hypothesis testing is used for sample size determination, go/no-go decision making, and drug development decisions, especially in exploratory clinical trials. That is because important factors for decision making, such as treatment effects, drug development costs, and gains after launch, are not considered in hypothesis testing. The Bayesian decision theory is one of the approaches to consider such factors for decision making. The utility, which is defined by using important information such as cost, benefit, and disease severity, is used for decision making in the decision theory. In consideration of uncertainties of data and parameters, the expected value of the utility is used for decision making in the Bayesian decision theory. In this article, we explain basic concepts of the Bayesian decision theory, backward induction for calculation of expected value of utility in sequential decision-making, and introduce some approaches using the Bayesian decision theory in clinical trials. We summarize actions, utilities and sample size determination for applications of Bayesian decision theory in future clinical trials.
著者
松塚 展門 和田 章
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会構造系論文集 (ISSN:13404202)
巻号頁・発行日
vol.88, no.814, pp.1655-1664, 2023-12-01 (Released:2023-12-01)
参考文献数
10

The Kintaikyo in Iwakuni-City, which spans the Nishiki-River in Yamaguchi Prefecture, was built in 1673. The design of the arch of this bridge was studied. It was assumed that the arch of this bridge were designed in arch coordinates with multiple catenary. As a result, the design theory of this bridge was derived for the first time. The multiple catenary was identified from the Kintaikyo in Heisei, and The new Kintaikyo drawing for KAKEKAE was created that is harmony and orderly. Based on this drawing, it was proved that a harmony and orderly bridge can be realized by 3D-CG.
著者
宮本 佳明 筆保 弘徳 和田 章義
出版者
Meteorological Society of Japan
雑誌
気象集誌. 第2輯 (ISSN:00261165)
巻号頁・発行日
vol.100, no.1, pp.181-196, 2022 (Released:2022-02-22)
参考文献数
48
被引用文献数
6

中心気圧が960hPaで関東地方に上陸した台風Faxai (1915)に関して、非静力学モデルを用いて格子間隔1kmでの数値シミュレーションを行なった。Faxaiは上陸まで軸対称的な構造を維持し、強風により甚大な被害をもたらした。シミュレーションの結果、上陸前後の48時間の現実的な経路・強度が再現された。計算された強度は上陸まで強く、渦の水平方向の大きさは小さかった。計算されたFaxaiの構造は、熱帯海洋上における発達した熱帯低気圧(TC)のように、軸対称的で目の壁雲が存在していた。中心付近で海面の潜熱フラックスは上陸まで300W m-2を超えていて、高度1.5-12 kmでの鉛直シアーは中緯度としては比較的弱く、9m s-1よりも低かった。 台風の環境場パラメータからポテンシャル強度(MPI)を算出した。計算されたTCの強度もベストトラックの強度も、上陸12時間前からMPIよりも大きいsuperintense状態にあった。これは、内部コア域で超傾度風化していたことによるもので、強い強度や軸対称な構造が原因と考えられる。計算されたTCは、成熟期において傾度風平衡を除いたMPIの式に必要な近似を良く満たしており、これはTCの構造が熱帯で発達したものと類似していたためと考えられる。 今回の解析から、Faxaiは、好ましい環境条件と渦構造によって強い強度を維持したと考えられる。
著者
和田 章義
出版者
気象庁気象研究所
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2011-04-01

2009年台風Choi-wanについて、水平解像度6kmの非静力学大気波浪海洋炭素平衡結合モデルによる数値シミュレーションを実施し、その結果をNOAA/PMELのKEOブイ観測データと比較検証した。計算された台風は、観測から推定される通過時刻よりも3時間ほど遅く、KEOブイ地点を通過した。しかし中心気圧の深まりについては、計算結果と観測結果は整合していた。この比較的遅い移動速度は、台風通過により生じる近慣性流及び乱流混合に影響し、結果としてKEO観測点に相当するモデル格子点で計算された海面水温、海面塩分、無機溶存炭素は観測結果よりも低くなった。そこで台風の位置に合わせた座標系で見た点(ブイの南側の点)で計算結果と観測結果を比較した。この場合、海面水温の低下は変わらなかったものの、塩分は初期時刻から増加し、観測結果と整合的であった。また海水温29℃で規格化した二酸化炭素分圧は初期時刻より増加し、観測結果とより整合的になった。以上の結果から、黒潮続流域の台風通過による海面二酸化炭素分圧の変動は海面水温だけで決まるのではなく、塩分や無機溶存炭素も重要であることがわかった。2011年の台風Ma-on、Talas及びRokeについて数値シミュレーションを実施した。Ma-onとTalasについては、台風による海水温低下が台風強度の計算に重要であった。一方、Rokeについては、台風による海水温低下の効果を考慮した場合、水平解像度1.5kmでも中心気圧の急激な深まりを再現することができなかった。Talasについては、側面境界条件に関するパラメータを変えた数値実験を実施した。このパラメータの変更により、中緯度において進路の違いが見られたものの、後に発生する台風Noruの発生地点には影響を及ぼさなかった。またTalasによる海面水温低下によりNoruの発生時刻は遅くなった。
著者
吉敷 祥一 山田 哲 竹内 徹 鈴木 一弁 岡田 健 和田 章
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会構造系論文集 (ISSN:13404202)
巻号頁・発行日
vol.69, no.575, pp.113-120, 2004
被引用文献数
10 10

Many steel structures suffered damage at beam-to-column connections under the Northridge and Hyogo-ken Nanbu Earthquakes more than 8 years ago. After these earthquakes, a remarkable number of studies have been made on beam-to-column connections in U.S. and Japan. Nevertheless, in those studies, little attention has been paid to the point of repairing. The purpose of this study is to propose new ductile steel structure frame system, which realizes not only structural performances but also easy repairing after heavy earthquake. This system is based on bolted connections with split-tee. Main feature of this system is to limit plastic deformation to the splittee at bottom flange. To the contrary, the split-tee at top flange can be kept in elastic, because the center of rotation stays at the top flange of beam end.Consequently, when the structure using this system suffers compulsory deformation under the earthquake, the deformation concentrates on the split-tee at bottom flange. Finally, two series of static tests were conducted. First series are axial loading tests of the weak-web-split-tee elements, and second series are bending tests of beam-to-column connections having weak-web-split-tee. From the result of these tests, we verified that this system had efficient deformation capacity. In addition, the damaged part of this system would.be easy to repair or change to new one.
著者
和田 章義 柳瀬 亘 岡本 幸三
出版者
Meteorological Society of Japan
雑誌
気象集誌. 第2輯 (ISSN:00261165)
巻号頁・発行日
vol.100, no.2, pp.387-414, 2022 (Released:2022-04-07)
参考文献数
48
被引用文献数
1 4

2018年台風第12号(ジョンダリ)は7月29日の日本上陸前に、対流圏上層寒冷低気圧の円周に沿った異常な経路をとった。大気海洋相互作用および対流圏上層寒冷低気圧とジョンダリの相互作用が台風経路に及ぼす影響を調べるため、3kmメッシュ非静力学大気モデルと大気波浪海洋結合モデル及び異なる初期時間を採用して作成した初期条件に基づく数値シミュレーションを実施した。シミュレーションされた対流圏上層寒冷低気圧は355K等温線上の高ポテンシャル渦度、低い気圧、低い相対湿度の特徴をもつ。7月25日から27日にかけて対流圏上層寒冷低気圧はジョンダリの北側を南西方向に移動し、この期間にシミュレーションされたジョンダリは対流圏上層寒冷低気圧の円周に沿って反時計回りに移動した。ジョンダリが西に移動し始めてから、大気波浪海洋結合モデルによるシミュレーション結果において、経路に沿って海面冷却が生じていた。日本上陸後にジョンダリは勢力を弱めると、対流圏上層寒冷低気圧も日本の南側で勢力を弱めた。特に潜熱フラックスと対流による対流圏上部における加湿が勢力の弱化に影響を与えていた。ジョンダリが九州の南海上で再び発達したとき、台風域では渦位は柱状に高くなり、一方で対流圏上層寒冷低気圧付近の対流圏上層渦位は相対的に低い値であったことから、台風域の渦は対流圏上層寒冷低気圧と合体する様子がシミュレーションされた。大気波浪海洋結合モデルのシミュレーション結果では、寒冷低気圧付近の対流圏上層部における高渦位は維持される一方、柱状の台風域の渦位はその高さを下げつつ弱まり、台風中心からの対流圏上層への外出流が弱まった。この結果、対流圏上層寒冷低気圧から変形した高渦位の折り返し位置に影響を与える様子が見られた。ジョンダリの経路に影響を及ぼす指向流は、対流圏上層寒冷低気圧下の地衡風の影響を受けていたため、実際は上記海洋結合の効果よりも大気初期条件の違いがジョンダリと対流圏上層寒冷低気圧両方の経路と強度により強い影響を与えていた。
著者
和田 章
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会誌ATOMOΣ (ISSN:18822606)
巻号頁・発行日
vol.55, no.6, pp.347-352, 2013 (Released:2019-10-31)

東日本大震災は,この被災地に建築・インフラ・まち・都市を構築してきた土木分野・建築分野だけでなく,人々の生活を豊かにしようと努力してきた各種の工学分野の研究者や技術者に大きな衝撃を与えた。自然の猛威は非常に大きく抜けがないから,完璧とはいえない人間の作るものはこれに耐えられず破壊されることがある。これに対処するためには,学問分野を超えた総合的な議論と実行が必要であり,最大級の自然の猛威とこれを受ける人工構造物のあらゆる挙動を俎上に載せて真剣に議論する必要がある。
著者
和田 章義
出版者
Meteorological Society of Japan
雑誌
気象集誌. 第2輯 (ISSN:00261165)
巻号頁・発行日
vol.99, no.6, pp.1453-1482, 2021 (Released:2021-12-16)
参考文献数
81
被引用文献数
5

2018年、日本に上陸した台風チャーミーは進路転向後に急衰弱した後、数日間その強さを維持した。続いて台風コンレイはチャーミーによって冷やされた海域を急衰弱しつつ通過した。これら2つの台風が急衰弱した海域は、海洋中規模渦が豊富な海域である。これら2つの台風の強度変化における冷水渦の役割とその類似点及び相違点を理解するため、2km水平解像度非静力学大気モデルと大気波浪海洋結合により数値シミュレーションを実施した。また冷水渦の強度を観測により確証できないため、チャーミーの弱化に有意に寄与する規模を仮定した人工冷水渦を埋め込んだ海洋初期値及び日付の異なる海洋初期値を用いた感度実験を実施した。コンレイに対しては、日付の異なる海洋初期値の代わりに、9つの大気初期値に対するアンサンブルシミュレーションを実施した。2つのシミュレートされた台風の急衰弱における海洋場の役割は、どちらも台風通過時の海水温低下による海洋貯熱量の低下と関係していた。チャーミーとコンレイに対するシミュレーション結果のほとんどは、成熟期または衰退期の期間、過剰発達傾向を示した。チャーミーの過発達は不十分な海面水温低下により生じており、人工冷水渦は海水温低下の促進を助長した。一方でコンレイの過発達は台風進路シミュレーションの失敗に関連していた。コンレイの進路が適切にシミュレートされることにより、コンレイはより多くの時間、海水温低下域上を移動することとなり、鉛直シア上流側における地表面付近及びインフロー境界層、台風中心への内部コア域における水蒸気輸送の減少を通じて、弱化を強めることとなった。2つの台風に見られた共通点として、中心における下降流と関連する断熱加熱の減少が台風弱化と密接にかかわっていた。
著者
笠原 義正 伊藤 健 沼澤 聡明 和田 章伸
出版者
[日本食品衛生学会]
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.54, no.5, pp.364-369, 2013
被引用文献数
5

野生のトリカブトの葉や根などに含まれている4種のアコニチン類(AC類)をLC-MS/MSを用いて一斉定量した.また,マウスに対する毒性とAC類の定量値との関係を検討した.野生のトリカブトの葉,根,花弁,蜜腺に含まれるAC類を定量した結果,おのおの5.9,928.1,46.1,69.8 μg/gで,根の次に蜜腺の含有率が高かった.また,市販のはちみつを検査したが,AC類が検出されたものはなかった.トリカブトの根エキスのマウス毒性とAC類の定量結果は良い一致を示した.また,AC類が検出されなかったウゼントリカブトにマウス毒性は観察されなかった.4種のAC類の加熱による変化では,0.5分間ゆでた葉のAC類含有量は31.6%に減少し,そのゆで汁に54.5%移行した.また,メサコニチンを加熱してベンゾイルメサコニンに変化することが確認されたので,これが検出されてもトリカブト属植物による中毒が示唆できることが分かった.
著者
和田 章
出版者
国立研究開発法人理化学研究所
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究課題では、赤血球に感染したマラリア原虫の増殖と金属イオンの関係性に着目し、金属イオンに相互作用する新たな分子リガンドを探索した。その結果、マラリア原虫の増殖を抑制する特殊な分子リガンドを発見した。そして、その分子リガンドは、既存のマラリア治療薬であるクロロキンに耐性のあるマラリア原虫に対しても増殖抑制効果を発揮することを明らかにした。さらに、細胞レベル及び動物レベルでの多角的な評価により、新たなマラリア治療薬候補としての有用な特徴を見出している。
著者
岩田 衛 米田 雅子 和田 章
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会構造系論文集 (ISSN:13404202)
巻号頁・発行日
vol.62, no.495, pp.135-142, 1997-05-30 (Released:2017-02-02)
参考文献数
6
被引用文献数
1

Building production has been studied so far mainly from the standpoints of building designers and constructors, not from the standpoint of the building material manufactures. However, the utilization ratio of industrialized building materials has drastically increased and thus the role of the building material manufactures in building production has become more significant, especially in steel structures. This study looks at building production from the standpoint of a steel manufacture. We present the hierarchy of a building and cases where steel structure supply systems correspond to the hierarchy. We studied the feasibility of each of these cases by conferring with professors, designers, constructors, steel fabricators and steel manufactures.
著者
和田 章男
出版者
大阪大学
雑誌
大阪大学大学院文学研究科紀要 (ISSN:13453548)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.A51-A71, 2001-03-15

La Correspondance de Marcel Proust, editee par Philip Kolb, nous fournit un moyen efficace d'evaluer les connaissances fort etendues de Proust sur la litterature et l'art. Nous avons pris dans ce but les statistiques des titres d'oeuvres et des noms d'auteurs, basses sur l'Index general de la Correspondance de Marcel Proust, qu'a edite Kazuyoshi Yoshikawa avec d'autres chercheurs japonais. Notre analyse statistique nous confirme que Proust a peu d'interet pour la litterature francaise du XVIIIe siecle, et d'autre part qu'il garde une predilection durant toute sa vie pour la litterature anglo-saxonne, d'autant que plus de la moitie des ecrivains strangers mentionnes dans sa correspondance sont anglais ou americains. On remarque d'ailleurs qu'il n'a pas moins de gout pour la poesie que pour le genre romanesque en ce qui concerne la litterature francaise du XIXe siecle avec laquelle it se familiarise le plus, tandis que la poesie anglaise, a la difference de la prose du meme pays, ne suscite chez lui, chose curieuse, aucun interet. Ce sont, en matiere de musique, des compositeurs francais qui y sont mentionnes le plus frequemment. Notre ecrivain etait engoue pourtant pour Wagner et Beethoven, musiciens typiquement germaniques. Ainsi le gout litteraire et artistique de Proust, a moitie juif, couvre-t-il une etendue tres vaste qui franchit la barriere des races (latine, germanique, anglo-saxonne, etc.)
著者
和田 章義
出版者
気象庁気象研究所
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2013-04-01

北西太平洋海域に展開された3基のフロートによる日々の観測により、2011-2012年の台風シーズンにおいて8つの台風の海洋応答をとらえた。この海洋応答について、台風中心に対するフロートの3つの相対位置を①100km以内の台風近傍域、②台風経路から100km外でかつ右側に離れた海域、③台風経路から100km外でかつ左側に離れた海域に分け、それぞれについてその応答特性を調査した。①の台風近傍域では、風の低気圧性回転成分により海洋内部で湧昇が生じた結果として、表層水温の低下が顕著となった。また②の進行方向右側の海域では、強風による乱流混合の増大に起因した海洋混合層の深まりが顕著であった。さらに海洋表層における塩分変動は、台風中心とフロートの相対位置関係に加え、降水の影響を強く受けることがわかった。次にこの8つの台風のうち4事例について非静力学大気波浪海洋結合モデルによる数値シミュレーションを実施した。シミュレーション結果から①台風による海水温低下により台風中心気圧が高くなること、②環境場の風が弱い事例(2011年台風第9号)で、海水温低下が台風経路シミュレーションに影響を与えること、③台風中心から半径200kmまで、台風直下に形成される海水温低下は24~47%の潜熱の減少をもたらすことがあきらかとなった。また2013年台風第18号について、非静力学大気波浪海洋結合モデルにより数値シミュレーションを実施した結果、黒潮流域での高海面水温場による台風渦の順圧対流不安定により生成されたメソ渦が対流バーストを引き起こすことにより、北緯30度以北でこの台風が急発達したことが明らかとなった。この結果はまた、大気海洋間の高エンタルビーフラックスが台風の急速な強化に必ずしも必要でないことを示唆する。