著者
塩見 昌裕 中田 彩 神原 誠之 萩田 紀博
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.31, 2017

自己開示は,人が他者との関係性を構築するために重要な意味を持つ.本研究では,人とロボットが身体的な接触を行うことで,人々がロボットに行う自己開示をより促すことができるかどうかを明らかにすることを目的とし,半遠隔操作型のロボットが人との身体的接触を行いながら自己開示を促す実験を行った.実験の結果,ロボットからの身体的接触が人々の自己開示をより促す傾向が見られた.
著者
中嶋 秀人 原 誠 石原 正樹 小川 克彦
出版者
日本大学医学会
雑誌
日大医学雑誌 (ISSN:00290424)
巻号頁・発行日
vol.81, no.4, pp.197-204, 2022-08-01 (Released:2022-09-27)
参考文献数
47
被引用文献数
1

COVID-19 罹患後症状・Long COVID は,これまで新型コロナ後遺症,新型コロナウイルス (SARS- CoV-2) 急性感染後症候群とも呼ばれ,COVID-19 罹患後に感染性は消失したにもかかわらず,急性期から持続する症状や経過途中から新たに生じて持続する症状全般を指す.代表的な症状として,①全身症状:疲労感・倦怠感,関節痛,筋肉痛,②呼吸器症状:咳,喀痰,息切れ,胸痛,③精神・神経症状:記憶障害,集中力低下,不眠・睡眠障害,頭痛,抑うつ,筋力低下,④その他:嗅覚障害,味覚障害,脱毛,動悸,下痢,腹痛があげられる.LongCOVID の病態機序として,急性期からの遷延症状,肺機能低下がもたらす全身症状,集中治療後症候群などの複合的要因によるものが考えられ,神経症状としては中枢神経へのウイルス感染による神経障害,全身炎症に伴う中枢神経への炎症の波及,COVID-19 に誘導された自己抗体による神経障害などが想定されるが不明点が多い.Long COVID の症状は多岐であり,多分野におけるアプローチ・フォローアップが必要と考えられる.
著者
宮原 誠 守田 幸徳
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.52, no.7, pp.516-522, 1996-07-01 (Released:2017-06-02)
被引用文献数
2

過去3年間のオーディオ雑誌を調査し, 音質評価語1,322語を得た。これをKJ法で整理, グループ化し, 30個の代表評価語を得た。代表評価語 (30語) と総合音質の関係を求めるために評価実験を行い, 主成分分析 (PCA) 法により総合音質に重要な評価形容詞を明らかにした。
著者
渡邉 修 山口 武兼 橋本 圭司 猪口 雄二 菅原 誠
出版者
公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine (ISSN:18813526)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.118-125, 2009-02-18 (Released:2009-02-24)
参考文献数
26
被引用文献数
11

厚生労働省は,2001 年から2005 年まで高次脳機能障害支援モデル事業を実施した.そのなかで,都道府県の実態調査をもとに全国の高次脳機能障害者数をおよそ30 万人と推定した.しかし,以後,高次脳機能障害者数を推計する報告は極めて少ない.そこで,東京都は,高次脳機能障害者支援施策を展開するうえで対象となる高次脳機能障害総数を把握する必要から,脳損傷者の発生数に関する調査および通院患者に関する調査を行った.方法:(1)年間の高次脳機能障害者発生数の推定:都内全病院(651 病院)に対し調査票を配布し,調査期間(2008 年1 月7 日~20 日)中に退院した都内在住の脳損傷者を調査し,性別年齢別に年間の高次脳機能障害者の発生数を推計した.(2)高次脳機能障害者総数推計:高次脳機能障害有病者数は,性別年齢別に平均余命に当該年齢の発生数を乗じ,これの合計を求めて都内の総数を算出した.結果:回収病院数は419で回収率は64.4 %であった.東京都内の1 年間の高次脳機能障害者の推計発生数は3,010 人,都内の推定高次脳機能障害者総数は49,508 人(男性33,936 人,女性15,572 人)であった.高次脳機能障害を引き起こす主な原因疾患は脳血管障害および頭部外傷であった.これらの疾患による高次脳機能障害の発生頻度を文献的に考察すると,本調査の結果は妥当な数値と考えられた.
著者
篠原 誠
出版者
創価大学
雑誌
創価教育研究 (ISSN:13472372)
巻号頁・発行日
pp.57-64, 2002-03
著者
松尾 健次郎 宮川 治雄 荒巻 利男 原 誠
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.31, no.6, pp.33-44, 1993-06-01 (Released:2013-04-26)
参考文献数
3

日本初の開閉式ドーム屋根で覆われた, 直径約200 mの大規模スタジアムである福岡ドームは, 1993年3月31日に竣工し, 使用を開始している。切断球殻3枚で構成され1枚の重量約4000 tの屋根をスムーズに開閉するために, 屋根を支持する構造体には, 精度・強度など厳しい性能の確保が求められた。さらに施工期間が, わずか24か月という超短工期であった。このような制約を克服するため, 設計段階から複合化・省人化工法を積極的に採用した。以下, その概要について報告する。
著者
泉 千尋 藤森 一真 金森 貴洋 桑原 洋平 西谷 彰紘 鈴木 学 菅原 誠一 太田 真之 佐藤 宏行 林 健太郎
出版者
一般社団法人 日本不整脈心電学会
雑誌
心電図 (ISSN:02851660)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.173-182, 2021-12-23 (Released:2021-12-24)
参考文献数
11

心房性頻脈性不整脈(AT/AF)のburdenを減少させる機能として,第2世代心房抗頻拍ペーシング(A-ATP)の有用性が報告されているが,導入後に治療が有効となる症例の特徴は明らかでない.そこでわれわれは,A-ATP(Reactive ATP, メドトロニック社製)作動症例22名の患者背景,心内心電図,12誘導心電図,エコー所見,BNPから治療が有効となる因子を検討した.AT/AF burdenの50%以上減少をA-ATP有効と定義し, AT/AF burden<5%の症例とAT/AFのエピソードが1件のみの症例は治療有効性の判断が困難なため,10名を除外した.有効群(5名)は無効群(7名)と比較して,心内AT/AF average tachycardia cycle length(AvCL)>300ms(28.6% vs 5.2%,p<0.05)および規則的なAT/AF(71.9% vs 48.5%,p<0.05)が多く,AT/AFに対するカテーテルアブレーション(CA)またはMaze手術既往が多かった(80% vs 14%,p<0.02).また,12誘導心電図において有効群はf波のCLが無効群より延長していた(220.5ms vs 141.4ms,p<0.05).A-ATPは延長したAT/AF AvCL,または規則的なAT/AF症例で有効であり,CAやMaze手術の既往,12誘導心電図のf波CL延長が植込み前に観察可能な有効性の予測因子として有用な可能性がある.
著者
田中 真奈実 入江 勇治 安羅岡 一男 佐藤 章仁 松本 繁 白田 保夫 中村 尚志 河合 美枝子 海老原 誠
出版者
一般社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.156-163, 1988-02-20 (Released:2011-09-07)
参考文献数
16

関東地方利根川流域で感染した慢性日本住血吸虫症について, 茨城県内診断例12例を中心に, その診断法・病態・治療適応について検討した. 患者は, すべて海外渡航歴・利根川以外の本症流行地への旅行歴はなく, 取手市戸頭, 稲敷郡河内村, 筑波郡谷和原村等かつて本症の流行が報じられた地域の在住者である. 血中抗住血吸虫抗体及び糞便中の虫卵は検査したすべての症例で陰性であった. 8例の患者の確定診断は, 本症とは異なる基礎疾患で摘出された臓器 (胃・十二指腸等上部消化管及び肝・胆道系) 中の日本住血吸虫虫卵の病理学的検索によってなされた. しかし, 茨城県取手市戸頭の3症例と筑波郡伊奈町の1症例は, 人間ドックで画像診断学的に診断されており, 流行地における本症患者のスクリーニングには, 肝エコーにおける魚鱗状パターン, 肝CT像における被膜石灰化像・隔壁様石灰化像等特徴的所見も有用であることが示された. また, その病態は, 基礎疾患によって異なっており, 胃癌・肝癌等悪性腫瘍との合併例は4例であった. プラジカンテルによる治療適応の判定には, 虫卵排出の有無及び虫卵の孵化能の検索が必要であるが, 疑わしい症例には生検材料による孵化試験をすることが必要である. 病理組織学的検索だけでは, 感染時期及び孵化能の判定は困難である.
著者
橋田 光 田端 雅進 久保島 吉貴 牧野 礼 久保 智史 片岡 厚 外崎 真理雄 大原 誠資
出版者
一般社団法人 日本木材学会
雑誌
木材学会誌 (ISSN:00214795)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.48-54, 2014-01-25 (Released:2014-01-28)
参考文献数
17
被引用文献数
2 1

未利用なウルシ材を染色用途に利用するため,ウルシ材の織布への染色特性を検討した。ウルシ材フェノール成分の効率的な熱水抽出条件を検討した結果,炭酸ナトリウムの添加が有効なことを明らかにした。抽出液による染色特性を検討したところ,ナイロン,羊毛及び絹で良好な染色性を示した。また,炭酸ナトリウム添加抽出による染液に酢酸を添加することで,熱水抽出より効率的な濃染が可能であり,金属塩を用いた媒染においてもより濃色に発色することが示された。洗濯処理により,未媒染の染色布は大きく脱色したが,媒染や濃染により脱色の抑制が可能であり,特に酢酸鉄(II)を用いた媒染による抑制効果が高かった。また,ウルシ材による染色布は,黄色ブドウ球菌及び大腸菌に対し,明確な抗菌性を有することを明らかにした。
著者
宮原 誠 三井 実 林 正樹
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 38.16 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
pp.205-206, 2014-03-10 (Released:2017-09-21)

『今まで耳でしか聴いたことがなかった音楽を今回,身体全体の細胞で聴くことができました.透き通った音色は生きており皮膚を撫でて行くようです』の状況は、"こころが感じる"で、芸術と科学の融合を掲げる芸術科学会の基礎テーマであり、正面から対応する。この状況をオカルトとして対応しない大多数の日本の自然科学者を標榜する人も納得させうる、哲学的に客観性を証明した、新・電気音響論である。それは、客観評価尺度を定義し、人のこころに感動を喚起する高度感性情報を伝える音の音響理論であり、実際に装置を研究開発した。物理歪量のみの定義のみで音質を言及しない従来ハイファイとは別次元の音響理論である。
著者
三戸 親子 菊地 まり 川原 誠司
出版者
東京大学大学院教育学研究科
雑誌
東京大学大学院教育学研究科紀要 (ISSN:13421050)
巻号頁・発行日
vol.45, pp.387-411, 2006-03-10

This is a case study of students'growth processes in a senior high school with a credit system and no grade system. The credit-system high school has been founded to take in high school dropouts and truants. In this study, the interviews were used to assess how students'daily school experiences influence the processes and the mechanisms of students'growth. The findings revealed that the flexible system encourages a huge variety of students to grow up in various manners. Not only those who exercise their autonomy but also those who lack self-direction can make good use of the system and grow up in the high school. As a result, many dropouts and truants are able to return to school.
著者
西條 文人 武藤 満完 栗原 誠 山田 佳緒里 安倍 淑子 高橋 賢一 澤田 健太郎 徳村 弘実
出版者
日本外科代謝栄養学会
雑誌
外科と代謝・栄養 (ISSN:03895564)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.107-113, 2014 (Released:2014-11-12)
参考文献数
16
被引用文献数
1 1

【背景と目的】末梢挿入型中心静脈カテーテルは,穿刺時に伴う致命的合併症およびカテーテル感染が少ないとされるが,血栓症閉塞,事故抜去,静脈炎などの留置後合併症を認める.一方,無縫合固定具はこれらカテーテル留置後の合併症を軽減できる報告がある.無縫合で固定可能なSorbaView® SHIELD によるカテーテル留置後の合併症について,本邦における検討報告はない.【対象と方法】2011 年1 月から2013 年3 月に留置されたPICC 症例421 例を対象とした.縫合固定した2011 年1 月から9 月の94 例(縫合群)とSorbaView® SHIELD で固定した2011 年10 月から2013 年3 月の327 例(Sorba群)をカテーテル留置後の合併症について比較検討した.【結果】カテーテル閉塞までの留置期間において,Sorba 群は有意に長かった.その他の合併症に関しては統計的有意差を認めなかった.【結語】SorbaView® SHIELD はカテーテル閉塞までの留置期間を延長させた.
著者
木原 誠
出版者
佐賀大学教育学部
雑誌
佐賀大学教育学部研究論文集 (ISSN:24322644)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.1-37, 2023-01

極西アイルランド、その精神の地下水脈には一四○○年にも亘り静かに脈打つ一つの思考がある。<水辺の思考>である。その起源は六世紀半、全土の水辺で一斉に開花した各修道院が水路のネットワークによって一つに結ばれ発生をみた学術都市群共同体にある。その特徴は大陸ヨーロッパの基盤、陸路の思考=直線・合理的なユークリッド原理に反定立する水路の思考=円環・非合理(自然)的なフラクタル原理にある―大西洋沿岸の海岸線のように、蛇行を繰り返す思考の流れが内部に無数の渦巻きを形作りながら一本の線で結ばれる。『ケルズの書』に表れる芸術様式、大陸のマニエリスムとも一線を画す極西のケルト固有の<水辺のマニエリスム>の誕生である。その思考様式はイェイツにより見出され、文芸復興運動の基軸に据えられることで復権をみた。その後シングからジョイスへと継承されることでアイルランド文学の新潮流を形成していく。本論の目的は以上の命題を検証していくことである。なお、本論は近日刊行予定の『水辺の思考/アイリッシュ・マニエリスム』の「はじめに」に相当する部分の抜粋である。
著者
鈴木 智 田原 誠 中澤 大輔 野波 健蔵
出版者
The Robotics Society of Japan
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.26, no.6, pp.626-634, 2008-09-15 (Released:2010-08-25)
参考文献数
14
被引用文献数
11 16

In this paper, we propose the attitude estimation algorithm under the dynamic acceleration environment. Generally, an attitude sensor has biaxial or triaxial accelerometer in order to measure the direction of gravity. In this configration, the attitude sensor has serious error under the dynamic acceleration environment, because of the measurement error of gravity that is caused by the dynamic acceleration. When we put the attitude sensor on a movable body like an UAV (Unmanned Aerial Vehicle), this kind of error is fatal for the sensor. So, we apply the extended kalman filter algorithm to reduce the estimation error. Firstly, we derive the process model for the kalman filter which is based on quaternion kinematics. Secondly, we design the extended kalman filter by using the process model. Lastly, we show the simulation and experiment result of the estimation algorithm.