著者
三浦 俊彦
出版者
日本消費者行動研究学会
雑誌
消費者行動研究 (ISSN:13469851)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.101-120, 1993-09-20 (Released:2009-05-29)
参考文献数
29
被引用文献数
1
著者
金 春姫
出版者
日本消費者行動研究学会
雑誌
消費者行動研究 (ISSN:13469851)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.2_169-2_182, 2011 (Released:2018-08-31)
参考文献数
18

本研究は、政治や経済などの領域における国/地域間の衝突を背景に、消費者の間で特定の国に対して敵意が存在する場合に焦点を当て、それが消費者行動に与える影響について修正敵意モデルに基づきながら、多地域で実証的な考察を行うことを目的とする。考察の結果、多地域における修正敵意モデルの一般化可能性が確認され、敵意の消費者行動への影響に対するより深い理解が得られた。敵意対象国の関連製品に対する消費者の購買意図は、個人の敵意から直接的な影響を受けない。一方で、敵意の社会的な共有により形成される社会規範からのプレシャーは重要な役割を果たす。
著者
安藤 和代
出版者
日本消費者行動研究学会
雑誌
消費者行動研究 (ISSN:13469851)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1_2, pp.1_2_25-1_2_46, 2015 (Released:2018-08-31)
参考文献数
83

ナラティブ(物語)形式の情報に接するとき、人は通常とは異なる説得プロセスを辿ることが、ナラティブトランスポーテーション概念として論じられ、そのメカニズムは自己参照やメンタルシミュレーションの理論で説明されている。本研究では、クチコミがナラティブ構造をしていることに注目し、クチコミ(ブログ)が受け手の対象商品や媒体の評価に与える影響を、ナラティブトランスポーテーションの研究知見をベースにモデル化し、妥当性を確認した。受け手がブログのナラティブ構造を強く知覚するとき、受け手はナラティブトランスポーテーションを進め、その結果、対象の商品や媒体の評価にプラスに影響することが明らかになった。
著者
有賀 敦紀 井上 淳子
出版者
日本消費者行動研究学会
雑誌
消費者行動研究 (ISSN:13469851)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.1_1-1_12, 2013 (Released:2018-08-31)
参考文献数
30

人間は希少なものに魅力を感じる(希少性効果)。本研究では、ものの価値規定における希少性効果の存在を確認するとともに、その効果が生起する要因を実験によって解明した。その結果、希少性効果は対象の相対的な数の少なさではなく、特徴に基づく対象の減少的変化によって生起することが明らかになった。つまり、希少性効果を活用して商品価値を増大させるためには、商品が他の消費者によって購買され、その数(入手可能性)が減少していく様子を可視化することが有効であると示唆される。
著者
外川 拓 八島 明朗
出版者
日本消費者行動研究学会
雑誌
消費者行動研究 (ISSN:13469851)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.2_65-2_94, 2014 (Released:2018-08-31)
参考文献数
64

近年の消費者行動研究においては、解釈レベル理論の導入が盛んに進められている。しかしながら、各研究は個別的に行われており、全体を体系づけた研究は行われていない。そこで本研究では、マーケティングおよび消費者行動研究関連のジャーナルを対象としたレビューを行うことにより、既存研究における知見の整理と体系化を図った。既存研究を4つのグループに分類しレビューした結果、研究の進展に伴い、解釈レベル単独の効果に注目した研究から他の理論を取り入れた研究へと潮流が変化していることや、消費者行動研究において解釈レベル理論の位置づけが変化していることなどが明らかになった。最後に、レビュー結果を踏まえ、消費者行動研究において解釈レベル理論を導入することの意義と課題について議論を行った。
著者
杉谷 陽子
出版者
日本消費者行動研究学会
雑誌
消費者行動研究 (ISSN:13469851)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.2_143-2_168, 2011 (Released:2018-08-31)
参考文献数
49

本研究の目的は、悪い口コミや不祥事報道のような否定的な情報が消費者の目に触れたとしても、依然として高い購買意図や好意的イメージを維持できる「強い」ブランドとはなにかを実証的に検討することである。一般消費者を対象とした2つの研究の結果、仮説の通り、ブランド態度は「認知」と「感情」の2次元に分類して捉えることができ、前者よりも後者において評価の高いブランドは、否定的情報によって評価が低下しにくいことが示された。

1 0 0 0 OA 孤独な群衆

著者
阿部 周造
出版者
日本消費者行動研究学会
雑誌
消費者行動研究 (ISSN:13469851)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1_2, pp.1_2_23-1_2_32, 2021-03-31 (Released:2022-01-22)
著者
松下 光司
出版者
日本消費者行動研究学会
雑誌
消費者行動研究 (ISSN:13469851)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1_2, pp.1_2_1-1_2_18, 2009-03-31 (Released:2012-01-12)
参考文献数
50

本研究の目的は、セールス・プロモーションによって、ブランド・エクイティ(ブランドに対する態度評価の確信度)が向上するプロセスを説明するモデルを提示することである。実験の結果、セールス・プロモーション・スキーマとブランド・スキーマとの一致度、およびセールス・プロモーションに関する精緻化が先行要因であることが明らかにされ、モデルの経験的妥当性が示された。最後に、ブランディングやセールス・プロモーションの意思決定に対する示唆が提示された。
著者
竹内 亮介
出版者
日本消費者行動研究学会
雑誌
消費者行動研究 (ISSN:13469851)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.2_99-2_122, 2017 (Released:2021-05-01)
参考文献数
44

消費者の記憶を説明するための最も主要な理論の1つとして知られているのが、ネットワーク理論である。この理論に依拠した多数の先行研究は、焦点広告に関する消費者の記憶に対して競合広告は負の効果を有するということを見いだしてきたのに対して、近年に発表された先行研究は、焦点広告に関する消費者の記憶に対して競合広告は正の効果を有するということを見いだした。そこで本研究は、ネットワーク理論によって負の効果のみならず正の効果をも説明できるように、理論の拡張を試みる。より具体的にいえば、まず、記憶課題の容易性に着目することによって、ネットワーク理論に改良を施す。そのうえで、負の効果あるいは正の効果が発生する条件をそれぞれ識別した仮説を導出し、その仮説を経験的にテストする。
著者
朴 宰佑 大瀬良 伸
出版者
日本消費者行動研究学会
雑誌
消費者行動研究 (ISSN:13469851)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.1_23-1_36, 2009-10-31 (Released:2012-02-08)
参考文献数
30

本研究では、Sound Symbolism という音声学的理論に依拠し、ブランドネームの発音がブランド評価に及ぼす影響を検証した。その結果、1)ブランドネームに含まれる母音の種類によって、そのネームから連想される製品属性(大きさ、形状など)に有意差が生じること、2)発音の製品カテゴリーに対する適合の程度および製品属性に対する適合の程度が高いほど、知覚品質やブランドイメージ、購入意向が高まることを確認した。これらの結果から、発音を起点としたブランドネーム開発の有効性が示唆された。
著者
杉谷 陽子
出版者
日本消費者行動研究学会
雑誌
消費者行動研究 (ISSN:13469851)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1_2, pp.1_2_1-1_2_26, 2016 (Released:2021-04-06)
参考文献数
47

悪い口コミをされても評価が下がりにくい「強い」ブランドとは、どのような態度構造をもつのだろうか。本研究は、ブランドに対する感情的評価を「憧れ(pride)」と「親しみ(closeness)」の2次元に分類し、「親しみ」感情は悪い口コミをされても低下しにくいことを、実験室実験によって示した。さらに、「親しみ」感情が低下しにくい理由について、「親しみ」は直感的評価であるのに対して、「憧れ」はある程度の熟慮を経たうえで生じる感情であるという仮説を検証した。実験では、商品の使用経験がない条件(広告によってブランド情報を提示するのみの条件)と、使用経験あり条件(実際に商品を使用させて熟慮を促す条件)とで、ブランド評価の強さを比較した。その結果、「親しみ」感情は、商品の使用経験の有無にかかわらず、悪い口コミによって評価が下がりにくかった。一方、「憧れ」感情は、商品の使用経験あり条件において、使用経験なし条件よりも、悪い口コミによって評価が低下しにくかった。考察では、本研究の限界と今後の課題、実務的示唆について論じた。
著者
西本 章宏 勝又 壮太郎 石丸 小也香 高橋 一樹
出版者
日本消費者行動研究学会
雑誌
消費者行動研究 (ISSN:13469851)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.1_85-1_110, 2010 (Released:2018-08-31)
参考文献数
44

本研究は、カテゴリー不確実性における消費者の製品カテゴライゼーションに焦点を当てている。本研究の目的は、このような認知状況下においてファジー理論を適用させることで、新たな製品カテゴライゼーションのあり方を明らかにすることである。そこで、本分析では、カテゴリー・メンバーシップ関数を用い、カテゴリー不確実性における消費者の製品カテゴライゼーションのモデリングを試みている。その結果、カテゴリー不確実性における製品カテゴライゼーションは(1)消費者ごとに異質であり、(2)その認知的異質性が当該マルチプル・カテゴリー製品に対する評価に大きな影響を及ぼしていることを明らかにしている。