著者
田中 靖
出版者
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
オペレーションズ・リサーチ : 経営の科学 (ISSN:00303674)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.10-16, 2005-01-01

日本人の海外旅行者数は90年代を通じて順調に伸張してきたが,01年の9.11テロや03年のSARS流行で大きく落ち込み回復が遅れている.本稿では20代女性人口の減少,企業の海外進出の増加など,最近の状況変化を踏まえて海外旅行の動向を示すとともに,訪日外客の動向についても言及する.
著者
在間 敬子
出版者
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
オペレーションズ・リサーチ : 経営の科学 (ISSN:00303674)
巻号頁・発行日
vol.53, no.12, pp.678-685, 2008-12-01
参考文献数
44
被引用文献数
1

環境問題に対する政策・制度を設計するための社会科学の研究方法として,エージェントベースモデリング(Agent-Based Modelling,以下ABMと略す)の利用が急速に広まっている.環境問題の解決に向けて,なぜABMのアプローチが必要なのか.どのような問題に対して,ABMが適用されてきたのか.その特徴は何か.今後どのような領域の研究が期待されるのか.本稿の目的は,これまでの研究文献のサーベイから,これらの疑問を明らかにすることである.
著者
西原 理
出版者
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
オペレーションズ・リサーチ : 経営の科学 (ISSN:00303674)
巻号頁・発行日
vol.53, no.5, pp.288-293, 2008-05-01

R&Dのマネジメントにおいて,投資プロジェクトの価値評価や投資戦略の決定は,重要な問題である.近年,価値評価や意思決定を行う新しい手法として,金融オプションの価格付け理論から派生したリアルオプションアプローチが,注目を集めている.そこで,本稿では,リアルオプションアプローチを用いたR&D投資プロジェクトの評価と意思決定について説明する.特に, R&D投資の特徴である,「段階的な投資」,「技術的な不確実性」,「ライバル企業との競争」に着目したリアルオプションモデルを紹介する.さらに,リアルオプションアプローチを現実の問題に適用する際の手順や留意点についても述べる.
著者
矢島 安敏 矢田 佳久
出版者
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
オペレーションズ・リサーチ : 経営の科学 (ISSN:00303674)
巻号頁・発行日
vol.51, no.11, pp.689-695, 2006-11-01

近年,Kondor等[7]のdiffusionカーネルを始めとしたグラフラプラシアン行列から構成されるさまぎまなカーネル行列を用いたパターン認識法が,機械学習の分野で盛んに研究されるようになってきた.本稿では,このようなパターン認識法のひとつであるOne-Class SVM (1-SVM)をマーケティング分野へと応用し,顧客の好みに合致した商品やサービスの推薦,あるいは購買の見込みの高い顧客の抽出を試みる.ラプラシアン行列のスパースな構造を利用することで,データ数が数百万を超える場合でも,高速に処理できるスケーラビリティーの高い手法の構築が可能である.
著者
山口 勝業 小松原 宰明
出版者
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
オペレーションズ・リサーチ : 経営の科学 (ISSN:00303674)
巻号頁・発行日
vol.50, no.10, pp.694-700, 2005-10-01

年金で運用される資産とその運用益は, 受給者の将来の消費に充当されるものである.したがって, 将来の購買力を実質的に確保するためには, インフレ率を上回るリターンを達成することが運用目標となる.本稿では, この運用目標を達成できないダウンサイド・リスクがどの程度あるのか, またそのリスクを最小化するためには株式と債券の配分比率はどうあるべきかを, 日米の長期投資収益率データで検証する.
著者
Washburn Alan R.
出版者
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
オペレーションズ・リサーチ : 経営の科学 (ISSN:00303674)
巻号頁・発行日
vol.53, no.10, pp.561-564, 2008-10-01
被引用文献数
1

米国におけるオペレーションズ・リサーチ(OR)の歴史を簡単に振り返った後,軍事ORに特有の3つのテーマ,損耗モデル,ゲーム理論および捜索理論について簡単に解説する.
著者
佐々木 康朗
出版者
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
オペレーションズ・リサーチ : 経営の科学 (ISSN:00303674)
巻号頁・発行日
vol.56, no.10, pp.591-597, 2011-10-01

本稿では,相互意思決定状況を主観的に認識する主体を想定したハイパーゲーム理論を紹介する.通常のゲーム理論は,ゲームのルールが主体間で共有されている際の合理的な意思決定を追求するのに対し,ハイパーゲーム理論では,そもそもゲームの構造に関する認識に主体間で差異があるような状況を考え,そのことが主体の意思決定やゲームの結果に及ぼす影響について分析する.さらにゲームの結果の認識のあり方へのフィードバックについても扱い,認識と意思決定の相互関係を論じるものである.具体的な事例をもとにいくつかのハイパーゲームモデルを紹介しながら,その独自の問題意識について解説する.