著者
山中 淳彦 佐藤 雅彦
出版者
一般社団法人日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.14, no.4, pp.388-401, 1997-07-15

本論文では、代入を持つ関数型言語Λを提案する.この言語の定義を示し、操作的意味論がChurch-Rosser性や参照透明性のような良い性質を持つことを示す.次に、Λと[5]で提案された同様の関数型言語Λ94とを比較し、両者の間に成り立つ関係を調べる.Λの操作的意味論はΛ94のそれよりも簡潔に与えられており、そのためΛに対しては決定的な操作的意味論を自然に定義することができる.
著者
水口 充 ジョージ ボーデン 柏木 宏一 増井 俊之
出版者
一般社団法人日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, pp.267-276, 1997-05-15
被引用文献数
2

情報検索に対して多数の可視化手法が提案されているが,それらのほとんどは単一の手法によるものであり,名前の一部分といった曖昧な知識からの検索には効率的とは言えない. 一方,人間は日常的には曖昧な手がかりから物を探していることが多い.例えば図書館で本を探すには,目的の本が含まれる分類の書架にある本を見て本の題名や色や大きさなどの様々な手がかりから探している.また,本棚で著者や題名を見て索引力一ドを調べることにより関連する情報を得ることもできる. このような現実世界での検索の方法を可能にするために,情報の可視化,キーワード検索,分類検索を,なめらかにズーミングするインタフェースで統一し,曖昧な知識から情報の検索範囲を絞り込んでいくことのできる複数のビューによる情報検索システムを構築した.ユーザは,それぞれのビューで検索範囲を変えていくことで,思い通りに情報空間を探索することができる.
著者
泉 直子 片山 卓也
出版者
一般社団法人日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.14, no.5, pp.452-467, 1997-09-16
被引用文献数
1

ソフトウェアオブジェクトには製品の部品構成をはじめ,仕様の詳細化関係,バージョン変化など様々な関係がある.オブジェクトを修正する過程でそれらの関係は複雑に変化するので,全体として矛盾なくそれらの関係を保存するのは難しい. 一方,オブジェクト論理はオブジェクトベースを形式的に扱った論理である.オブジェクト論理の一つF-logic[9]は,オブジェクトをis-a関係の階層構造で捉え,オブジェクト間の関係を論理式で与える.更に,オブジェクト識別性,複合オブジェクト,クラス階層,継承などのオブジェクト指向の考え方を保存した解釈を束構造の中に与えている. 本論文では,製品の部品構成,仕様とそこから詳細化してできるオブジェクトとの関係を形式化し,F-logicの拡張として,無矛盾に部品構成の履歴管理ができるオブジェクト論理FT-logicを提案する.更に,形式的な解釈を与え,質問処理に関するアルゴリズムが存在することを示した.
著者
一杉 裕志 田中 哲 渡部 卓雄
出版者
一般社団法人日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.292-299, 2003-05-23

複数のクラスにまたがるコードを分離して記述できる言語として,アスペクト指向言語がある.独立して開発されたアスペクトであっても,個々のアスペクトが何らかのルールに従って設計されていれば,複数同時に組合わせて動作させることが可能であるとわれわれは考えている.本論文ではそのようなルールを見いだし検証するための第一歩として,安全に結合可能なmixinを提供するためのルールを検証する方法について述べる.ルールの記述および検証には, Design by Contractやbehavioral subtypingの考え方を用いる.
著者
小川 瑞史 小野 諭
出版者
一般社団法人日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.13, no.4, pp.283-302, 1996-07-15
被引用文献数
2

関数型言語の抽象実行のフレームワークとして,領域抽象化による順方向実行と逆方向実行についてストリクトネス解析を例として説明する.さらにそれらを統一的に扱う4つのパラメータについて説明し,計算経路解析をそのパラメータ表現に基づき表す(1章).次に逆方向実行であるプロジェクション解析を説明し,計算経路解析と比較する(2章).最後にper (Partial Equivalence Relation)による順方向実行の抽象実行を説明し,プロジェクション解析や計算経路解析と比較する(3章).

1 0 0 0 OA 型理論

著者
林 晋
出版者
一般社団法人日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.98-102, 1988-01-14
著者
佐藤 泰介 玉木 久夫
出版者
一般社団法人日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.177-188, 1988-04-15

第一階コンパイラは一階論理式による論理プログラミングを可能にすべく開発された一種の自動合成プログラムである.確定節からなる論理プログラムに, 〓Y(p (X, Y)→q (Y, Z)) という形のゴール(実際はもっと複雑でも良い)を許したプログラム(一階プログラム)を入力とし,確定節論理プログラムを出力する.コンパイル自体は全自動で必ず停止するが,人力プログラムによってはコンパイルができないことがある.プログラミングという観点からみると,第一階コンパイラはPrologにある種のループ文を導入したことになっている.しかし論理変数が使用できるので通常のループ文よりはるかに柔軟性がある.また論理的な観点から言うと,第一階コンパイラのしていることは一階プログラムから導かれる普遍継続形式(universal continuationform)と呼ばれる,ある種の論理式のunfold/fold変換である.出力プログラムの計算結果は,常に入力プログラムの完備化の論理的帰結であること(部分的正当性)が証明される.
著者
二村 良彦
出版者
一般社団法人日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.21, no.5, pp.343-351, 2004-09-28

インタープリタを用いて形式的に記述されたプログラミング言語のセマンティクスと現実のコンパイラとの関係およびインタープリタからコンパイラを自動的に作成する方法について述べる.この方法は計算過程の部分評価の一種である.この方法を応用してできるコンパイラ・コンパイラと既存のコンパイラ・コンパイラの相違は,プログラミング言語のセマンティクスを記述するさいに,既存のものが翻訳過程を記述しなければならないのに対して,本方式によるものは評価手順を記述すればよいことである.
著者
倉岡 寛 藤井 信忠 上田 完次
出版者
一般社団法人日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.62-69, 2007-01-26
被引用文献数
2

生態系や社会システムなどの現実のシステムにおいて,いかにして協調行動が創発するかということは,大きな関心事である.また,近年,複雑ネットワーク研究によって,多数の構成要素からなるインターネットやタンパク質の化学反応などのネットワークは,スケールフリー性やスモールワールド性の性質を有し,そのような性質がネットワークの機能に深く関わっているということがわかっている.複雑ネットワークにおいていかにして協調行動が創発するのかということは大きな関心事である.その際,ネットワークの構造自体が構成主体の意思決定の結果として進化するということと,ネットワーク上でのダイナミクスは不可分な関係にあると考えられるため,これらは同時に扱う必要があると考えられる.また,実世界では構成主体間で情報は局在性を有しているため,情報の局在性を陽に考慮する必要がある.本研究では,ゲーム理論における空間囚人のジレンマに対し,情報の局在性を導入してモデル化し,エージェントの相互作用の結果創発する協調行動について,計算機実験による検証をおこなった.その結果,情報の局在性が頑健な協調行動を形成する上で有効である,ということが示された.

1 0 0 0 OA Colingの報告

著者
辻井 潤一
出版者
一般社団法人日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.162-165, 1987-04-15
被引用文献数
1